チェーンソー目立てマニュアル(準備編)

2012/11/7 改訂

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目立てをする前に

<準備する道具>

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1 丸ヤスリ
2 平ヤスリ
3 デプスゲージジョインター
4 ヤスリホルダー、ヤスリハンドル
5 マジック(写真なし)
6 目立てガイド(必要であれば)
7 ぼろ切れ(ティッシュなどでも可)
8 その他、ガイドバーを固定するバイスなどもあれば便利




<どのようなカッターに仕上げれば良いのか>
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結論「上刃(切削角)、横刃(切削角)ともにだいたい60度に仕上がれば良い」

一般的に上刃を30度に研ぐというのは、横刃切削角を60度にするためです。
また、ヤスリの頭1/5を出して云々というのは、横刃目立て角を85度にすることで上刃切削角を60度するためなのです。

この切削角から逃げ角を引くと50~55度くらいになり木材を切るのに最適な角度となります。

ただ一つ注意すべき点は、カッターの「刃」は表面のメッキ部だということです。
こだわるべきは切削角60度ではなく、きちんと上刃横刃のメッキ部をヤスリでしっかりと「研ぐ」ことです。

<チェン、カッターの働き>

チェンの形(タイプ)を説明するのに、チゼル(角刃)やマイクロチゼル(角丸刃)という言葉を聞いた事があると思います。
このチゼル「chisel」は日本語で「ノミ」。

つまり、上刃というノミと横刃というノミが合わさったものがチェンソーのカッターという事になります。

横刃が木材の繊維に切れ目を入れて行き、上刃がそれを削ぎ取って行きます。

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このような長い木屑が出ると、カッターがうまく働いていると確認できます。
ただし樹種によっては長い木屑が出にくいものもありますので、あくまで目安です。


<目立てを行うタイミング>

たまに給油の度に目立てをするという話を聞きますが、さすがにそれはやり過ぎでしょう。
仕事を始める前、もしくは作業後の一日一回きちんと目立てをすれば良いと思います。
ただ、土や砂、石などに当ててしまった場合は切れ味が著しく落ちると思いますので、その時はその都度目立てするか、もしくは予備のチェンに交換(のほうがベター)ですね。


<デプスゲージ>
カッターが木を切って行くときの深さを調節するものです。
デプスゲージを低くすれば、カッターはより深く木に食い込み削る量が多くなりますが、その分抵抗が増え、振動が起こり作業者、チェンソーにとって良くありません。
チェンによって適切なデプスゲージの高さが決まっていますので、専用の器具(デプスゲージジョインター *メーカー各社で名称は異なります)を使ってきちんと計ります。

デプスゲージジョインターはあくまでデプスゲージの高さを計る物ですので、計ったらジョインターをゲージから外し、平ヤスリで数回ゲージを削ります。
ジョインターを乗せたまま削るとジョインターまで削ってしまうので注意してください。
削ってしまわない材質の物もありますが、ゲージから外して削る癖をつけていたら良いと思います。


<ヤスリについて>
ヤスリは良く切れる物を使いましょう。
ヤスリが曲がるほど力を入れないと研げないようなものは当然アウトです。

ヤスリは消耗品です。
使い方次第で長持ちさせる事ができますが、やはり消耗品です。
ヤスリを購入するときは3本セットで購入しましょう。
切れなくなったらすぐに交換!


手入れの方法ですが、まずはヤスリの目をつぶさないようにする事が肝心。
力を入れすぎないように使って、一つのカッターが研ぎ終わったら、削りカスがヤスリの目に入り込んでいるので、トントンとやってそれを落とします。

ヤスリが悪くならないように力を入れすぎないように手前に引くようにして使う人もいるくらいです。


そして、すべて研ぎ終わったらパーツクリーナーを吹き付けてヤスリを掃除します。
ヤスリが乾いたのを確認して、ヤスリはなにかケースにいれて保管します。
他のヤスリや工具類とこすれたり、ぶつからないようにするためです。


<目立てガイドについて>
これを使うことに抵抗がない人はぜひ使うべきです。
メーカー各社からいろいろな種類が販売されています。
ハスクバーナ社のチェンの上に乗せるタイプのものは使い方を誤りやすいので、しっかりと説明書を読んで使うようにして下さい。

おすすめはスチール社の「丸ヤスリ付きホルダー」「シャープニングキット」です。
チェンの種類によってホルダーが異なりますので、間違えないようにしてください。


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この記事の続編として「チェーンソー目立てマニュアル<実践編>」があります。

実際の目立てについてはそちらをご覧下さい。

またブログには他にも色々な話題の目立ての記事が多くあります。

かえって混乱するかもしれませんが、興味のある人はカテゴリー「林業(チェーンソーの目立て)」を読んでみてください。


コメント

ついに書きましたね!(笑)

 でも、言葉で説明するって難しいですね。

 私もそうでしたが、初心者の場合「上刃目立て角」と「上刃切削角」、「横刃目立て角」と「横刃切削角」がごちゃごちゃになります。
 その辺は時間を取って理解してもらうのが良いと思います。(今回の受講者が、初心者だとした場合の仮定の話です。)

 それと、初心者の場合は切れる刃なのか 切れない刃なのかが判断できないので、切り屑での見分け方は入れた方が良いと思います。
(ひどい時は、チェーンソーをノコギリのように引きながら切っている人がいます。 苦笑い)

 自分が判っていると、あれもこれも教えたくなるのですが、初心者の場合はそれでは混乱してしまいます。

 まず、刃先が研げることと、それをどこで判断するのかを教えて、余計なことは教えない事の方のが初心者向けだと思います。(自分で切れ味を判断できるようにする事。)

 中級者、上級者向けは、それなりに意味を理解できる人達でしょうから、伝える内容をそれなりに詳しくしていけばいいと思います。

 でも、言葉だけで伝えるって難しいですね!

 頑張って下さい!
 

 

投稿: 千田 | 2012/10/31 17:24

千田さん、いつもありがとうございます。

そうですね。
目立て角、切削角だけはしっかり覚えてもらおうと思います。
決して難しくないですから。


>切り屑での見分け方は入れた方が良いと思います。

これは迷いまして。
切りくずは樹種や切り方によって大きく左右されるので、きちんと書くと結構大変かと。

これも講習の反応をみて加えるか考えてみます。

投稿: でき杉 | 2012/11/01 23:07

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