このエントリーで書いた通り、長勝鋸と竹内鋸を使ってみました。
上から長勝剪定鋸(4枚抜き)、竹内快速鋸名刀、切れ味世界一。
で、どんな現場で使ったというと、僕たちの枝打ち現場。
ちょっと特殊かな。
枝の太さは細いもので1cmないくらい。
太くて2、3cmくらいかな。
で、まず竹内快速鋸から。
「名刀」普通に切れる。
「切れ味世界一」世界一じゃない。
世界一じゃないけど、「名刀」よりは切れる。
以上!
ていうか、特にホント言うべき事がない鋸だった。。
普通に切れるんです。
「名刀」は挽きが重いかな。ザクザク切れる。
「世界一」は少し挽きが軽くて、ザクザク切れる。
でも、「世界一」ってことはないな。。
で、長勝鋸。
ドキドキしながら、挽いてみた。
で、窓にひっかかる。
力を抜いて挽いてみた。ひっかかる。挽く。ひっかかる。
えーい、なんや!
おかしい。。
というわけで考えた。
枝が細すぎて鋸に合ってないのだ。
なので、窓のないところでシャッと挽けばいいのだ。
窓鋸は直径3cmくらいないとダメなような気がする。
で、うまく挽けると、
長勝鋸は異次元の切れ味。
良く切れるっていうか、挽く感触がこれまでのどんな鋸とも違うのよ。
まったくの別物。異次元、異世界。
手に残る感触は窓の部分のカリカリカリだけ。
あとはスルッスルッ。なにこれ?
切れるスピードがべらぼうに早いっていうことじゃなくて。
切れ「味」がまったく違う。
とにかく力が要らない。力を拒否する鋸。
試しに間伐もしてみた。
断面はスベスベのツルツル。
節なんかあったのわからないくらい、なんの抵抗もなくサラサラ挽ける。
手に残るのは窓の感触のみ。
ザクザクしないから、逆に変な感じだよ。
木屑はこんな感じ。凄くね?
この使用感を長津さんご本人に伝えてみた。
力を拒否する鋸の切れ味と窓がひっかかって枝を挽く事が出来ない事を。
すると、「失礼ですが、梶谷さんはまだまだ未熟だということです」と。
長津さん曰く、この剪定窓鋸を使って割り箸が挽けると。
!
悔しいので山でさっそく細い枝を挽いてみたが、やっぱり難しい。
枝打ちは枝を見上げるような状態で切って行くので、要らぬ力が入ってしまう気がする。
ただコツとしては写真のように荒皮を一緒に挽いて行くようにすると窓にかかりにくいことがわかった。
ホントはもうちょっと残枝長を短く打ちたいね。
僕のこの現場の状況を話した時に、長津さんが新開発した鋸を送ってくれたんです。
ヒシカと長勝鋸のコラボレーションッ
上が新開発のピッチを細かくした窓鋸。
これで細い枝を挽いてみてくれとのことだったので、さっそくやってみた。
でね、結論としてはやっぱり難しい。。
なんだろう、小さいから無意識に力が入ってしまうのかなあ。
窓がひっかかるんだ。
普通の剪定鋸の方がうまく挽ける。
ただね、こんな小さい鋸なのにうまく挽けたときの鋸の下がりといったらハンパないよ。
スッゲー切れる。
ワンストロークでこんなに!って。
<結論>
長勝鋸は僕の現場では枝が細くてまだうまく使いこなせない。
ただ、用途にあうと、これまでの鋸のようなザクザクとか力を入れて挽くような感触が全くない、スルスル、サラサラと鋸を挽く事ができ、それで切れて行く。
切る対象の直径は太い方が良いと思う。
「林業界よ、これがノコギリだ」って感じかな。
ただ、やっぱり誰にでもどんな風にでも使える鋸でないことは確か。
使う人を選ぶと思う。
それくらい個性の強い鋸。
長勝鋸を使ってみたい人や相談したい人はこちらから連絡を取ってみて。
「出来杉計画を見た」「梶谷さんから聞いた」と言ってもらえれば、話はすぐに通ると思うよ。
長勝鋸についての詳細は「道具と技」vol.10にも書いてあるんで、興味のある人はそっちも読んでみて。
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