カテゴリー「林業(特殊伐採、樹上伐採)」の166件の記事

2025/01/21

樹上に登ってしまった猫を助けた話

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知り合いから木に登って1週間も降りてこられなくなってしまった猫がいるから助けて欲しい、という連絡をもらいすぐに現場へ。

なんでも飲まず食わずで1週間ということで、かなり衰弱しているはず。

レスキューにもきてもらったそうだが、どうすることもできなかったと。

飼い主さんの声掛けには反応する時もあれば、そうでない時も。

これはかなり心配だ。。

 

「これまでこういうことしたことあるの」と飼い主さん。

「いえ、初めてです。でもドローンは何回も取りに行ったことがあるから大丈夫ですよ」

そう、この時点では衰弱した猫ちゃんとドローンを同様に考えていたのです。

 

猫が登ってしまったのは、近所の神社のクスノキの巨樹。

樹高は20mほどだけど、幹は幾つにも分かれて樹冠の幅は30m近くある。

ここに登ってしまい降りれなくなってしまったのだ。

 

まずは地上から飼い主さんと一緒に猫のいる場所を特定する。

とにかく木々(西日本の典型的な照葉樹林)や葉っぱ(クスノキは常緑樹)が生い茂っていて、鳴き声はすれどどこにいるかよくわからないのだ。

場所を特定して、そこに僕が辿り着いて救助できるようなクライミングのシステムを組まないといけないから、この段取りはとても大切なのだ。

30分ほど四方八方から探したが姿を見ることはできないので、とりあえず検討をつけて登り始めることに。

 

登ってみると、すぐに姿を発見。

地上から推測していた場所とは違う枝の上でじっとしていた。

登ってくる僕の姿を凝視する猫ちゃん。

「1週間飲まず食わずでよく頑張ったね、いま助けてあげるからね」

飼い主さんも安堵の声。

猫ちゃんまであと数mまで迫った時、

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あれ、いない。

移動! 猫ちゃん、めっちゃ警戒して逃げてしまった!

まじか、オマエ〜!

 

そう、ドローンは引っかかって動かないけれど、猫ちゃんは動くのだ。

1週間飲まず食わずでも全然元気に樹冠を逃げ回るのだ!

いつも食べているお気に入りのご飯(缶詰)をいつものようにカンカンと鳴らしながら近づいてもまったくダメ。

とにかく警戒されて逃げ回る。

 

逃げるたびにクライミングのアンカーを動かし、システムを作り、どう動いて捕まえるかをシミュレーション。

そんなこんなで樹上で猫と人間の格闘が続くこと3時間。。

徐々に日も落ち始め、これが最後だと決め猫ちゃんを枝先に追い詰める。

もしかしたら猫が飛び降りるかもしないから(高さ10m)、その時は飼い主さんキャッチしてください!と。

枝を歩いて近づいていくと足の間からすり抜けられる可能性があるので、枝の上にまたがってジリジリと追い詰める。

手には缶詰と捕獲用の手提げカゴ。

お腹が空いてるはずなのに、僕を警戒して、近づく僕と飼い主さんのいる地上を交互に見ている。

互いの距離が残り1.5mほどになったとき、意を決して猫ちゃんは僕の方へ猛然とダッシュ!

僕は慌ててそれを捕まえる。

猫はそれを嫌がり、爪を立てて枝にしがみつく。

飲まず食わずとは思えないほどの力で。

それでもなんとか引き剥がしてカゴへ入れるけど、すぐに出てきてしまう。

こっちも必死だけど、向こうも捕まらないように必死。そりゃ助けてにきてくれているなんてわからないからね。

とにかくニャーニャー叫んで逃げようとするから腕で抱き抱えて片方の前脚を握り込む。

それでも3本の脚で必死に逃れようと動き回る。

「大丈夫だから。大丈夫だから。」何度もニンゲンの言葉で語りかける。

 

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何はともあれ地上まで降りてきて、飼い主さんに引き渡すことができた。

 

樹上で伐採を始めて15年くらいになるけど、ここまで疲れたのは記憶にないよ 笑

このあと猫ちゃんは病院で診てもらい、なんともなかったそうです。

それが一番良かった😊

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2025/01/16

ウロジロガシにカワラタケ

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道路ぎわに立っている樹齢100年をゆうに超えるウラジロガシが衰弱しているので伐って欲しいという依頼がありました。

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根本はしっかり空洞です。。。

 

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地上からも見えていましたが、近くで見ると本当に恐怖しかありません。

このキノコはカワラタケと言って、樹木を白色腐朽させる代表的なキノコなんです。

白色腐朽というのは木を分解してスポンジ状にしてしまうので、キノコが生えているところを何度もしっかり叩いて強度を確認しながら作業を進めていきました。

キノコがびっちり生えているところも直径50センチほどありましたので、完全には腐朽しておらずまだなんとか作業を進めることが出来ました。

まあ、でも神経を使う現場でしたね。。

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2024/04/08

スローラインキューブを直してみた

スローラインを収納するキューブ。

これっていつのまにか「棒」が突き出てきませんか

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こんな感じで。

地面と接するところなので、使っている内に破けてきて棒が出て来てしまうんです

ボンドで塞ぐように固めたり、ダクトテープで止めたりしたこともあったのですが、今回はこうしてみました

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突き出たところを1センチほど切り落として短くし

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破けたところをガチガチに縫う!

さらにレジンで固めたら最高なのだろうけど、今回はそこまでしませんでした

 

とりあえず今のところは順調に使えてます。

節約大事。

 

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2024/03/13

樹上伐採の講習会やってます

奈良県森林組合連合会にて年2回開催しているロープを使った樹上伐採(特殊伐採)の講習会を終えたので、その様子を共有します

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クライミングとリギングの講習に入る前にロープ高所作業とフルハーネスの特別教育を行ってます


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クライミングの座学を行ってから、早速登ります。


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リギングで必要なロープの結びをしっかりと練習


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そしてまた登ります。

カタカナは多いし、覚えることがたくさんあるしで、皆さん大変だと思うのですが、とりあえずやってみたらできるものです。

習うより慣れよ。


講習会を受けて終わりじゃないですよ。ここからがスタート。何度も何度も繰り返し練習してくださいね!


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2022/10/06

ラフター(クレーン)を使った吊り切り

道路にかぶさってきていた樹木の伐採を依頼され、ラフターを使って吊り切りしました。

その際、僕がよく使っている伐り方を紹介します。

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赤矢印が重心方向。

まず受け口(水平切りだけ)をガイドバーが挟まれない程度にギリギリまでカット。

次に、画像のように受け口の切り終わり線に合わさるように斜め切りをします。

イメージとしては追いづる伐りのような感じ。

こうすると、斜め切りが水平線と合わさった時に、トン!と「切り株」の上に乗って、そのまま静かにラフターが上げてくれます。

 

追い口を水平切りであわせに行くと、チェンソーが挟まれたりすることありませんか?

ミスマッチカットだとラフターで樹木を揺らしたり、傾けたりしないとパチンと外れてくれないですよね。

なので、このやり方を採用してます。

 

他の画像も紹介します。

全て矢印が重心方向です。

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この最後の画像は2本立ちしていて、「V」のようになっていました。

ですので、このような切り方になっています。

 

 

これは、もともと「道具と技Vol.10」のアーバンフォレストリーの吉見さんの切り方を参考にさせてもらったのですが、いかんせん僕にはちょっと難しかったので、この切り方に落ち着いた感じです。

海外では「V」にチェンソーを入れたりするやり方もSNSに上がっていたりしますが、時間がかかるし、切り終わりを合わせるのが場合によっては難しかったりするので、このやり方がシンプルで良いと思ってます。

お試しあれ。

 

 

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2022/07/01

ロープ高所作業(樹上作業)特別教育テキストが新しくなった

林業でも法面伐採や高所伐採、特殊伐採に欠かせないのがロープ高所作業特別教育。

その樹上作業用のテキストが新しくなりました。

 

 

 

安衛則第36条・第39条・安全衛生特別教育規程第23 条に掲げる業務に係る特別教育用テキスト。
特別教育を必要とする業務「ロープ高所作業(樹上作業)者」必携です!

 特殊伐採作業者、アーボリスト、空師 必携

厚生労働省による労働安全衛生規則等の改正で、「ロープ高所作業」への規程が新設され、作業をする方に、災害防止対策に向けた特別教育を行うことを義務付けました。
本テキストは、特別教育の科目に沿って、写真・図解でわかりやすく解説し、ロープ高所作業(樹上作業)への知識や安全について修得できる内容になっています。
全林協ホームページより引用)
ーーーーーーーーーーーー
すでにテキストを所有している人があらためて買い直す必要はありません。
内容が大きく変わったわけではないからです。
また、このテキストだけ購入しても高所伐採用のロープワークを学ぶことができるわけではないことは注意が必要です。


このテキストはまず何よりも大切な安全衛生規則をしっかりと把握するものです。
樹上作業に特化して書かれているので、とてもわかりやすいですよ。


樹上伐採業務を学びたいなら講習会に参加してくださいね。


テキストを持っていない人はぜひ2022年改訂版を購入してください。

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2021/09/14

ツリーモンキーアーボリストサドルを履いてみた

ツリープロから発売されたツリーモンキーアーボリストサドル。

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これ税込で27500円。価格破壊だよ、やすスギだって。

必要な機能をきちんと盛り込んでこの価格。

考えた人すごいわ

 

でも、価格相応なんでしょう?

というわけで履いてみた

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(仕事の帰りだから、お尻が汚れている…)

 

剛性感はないね。

パーツも何か薄い感じ。

でも、この値段なら全然許せちゃうな。

仕事に必要なものは全て揃ってるもの。

 

んで、これチェストハーネスもあるんですよ。

まじで隙がない。

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これでフルハーネスになるんだけど、ちょっと気になるのは安全基準が「Meets ANSI Z133」というところ。

これはつまりANSIに準拠しているってことだと思います。

 

それはそれでいいんだけど、国内の墜落制止用器具の認定は受けていないのがやはり残念。

まあ、フルハーネスだから来年の1月2日からも使えないことはないと判断するのか、やはり墜落制止用器具になっていないので使えないと判断するのか。

 

僕としてはどうせ買うなら墜落制止用器具になっているものを買いたいと思ってる人ですが、アーボリストサドルで認定されているものってないですもんね。

難しいところです。

 

 

 

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2021/09/01

ペツルのジグザグ、ジグザグプラス、ジヨンの不具合

ペツルのジグザグ、ジグザグプラス、ジヨンに不具合が見つかりました。

使っている人は自分の道具が該当しないか確認してみて下さい

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https://www.alteria.co.jp/professional/safety-info-zigzag_zigzag-plus_zillon/

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2021/08/15

墜落制止用器具と樹上作業

墜落制止用器具の猶予期間がいよいよ終わりに近づいてきました。

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2022年1月2日からは、墜落制止用器具の着用が必要です。

もちろん今も着用すべきですけど、法的には22年から完全に施行されるわけです。

 

まあ、この墜落制止用器具については僕も散々ブログに書いてきました。

・フルハーネス特別教育を受けてきた

・フルボディハーネスについて考える

・「フルハーネス型墜落制止用器具の知識」

 

と、色々書いてきたけど、フルハーネスはもちろん使います。

ただ、従来のアーボリストサドル(シットハーネス)が使えなくなるのはもったいないなと。

ツリーモーション10万もしたぜ

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胴ベルト型が使えないわけではないのに、樹上用のアーボリストサドル、シットハーネスが胴ベルト型墜落制止用器具に認められていないのが問題かと。

(認められてるのがあったらごめんなさい)

枝の上に立ってワークポジショニングでの作業に墜落制止用器具が必要なのか、といえば、解釈は色々あるのかもだけど、それはやはり必要でしょう。

胴ベルト型墜落制止用器具の解釈はみんなもガイドラインの本文をしっかり読んで自分で決めてね。

 

 

よく売れているハーネスはぺツルのセコイアやトゥフェルベルガーのツリーモーションだと思うんだけど、代理店であるアルテリアやK.E.Mは胴ベルト型についてまだ対応されてないように思います。

こういうのって、Facebookや他のSNS上では議論されてるのかな。

 

ま、僕らユーザーは販売店を通じて声を上げていくのが一番だと思います。

僕も使っている販売店に相談しているところです。

何か反応があれば記事にしていくけど、みんなも馴染みの販売店さんに尋ねてみて。

その声は代理店にも届くからね。

 

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2020/09/19

木材チッパー買おうかな

【ゆる募】
チッパーの導入を検討しています。
2〜3tダンプで運べるサイズを考えています。
すでに利用している皆様、どんなものをどのように使っているか教えていただけませんか?

黒滝村森林組合skyteamさんの投稿 2020年9月18日金曜日

 

 

と言うわけで木材チッパーを導入しようかと考えているのですが、種類がたくさんありまして、何をどう探せば良いのか。。

 

現場で枝葉の処分を頼まれることがあるのですが、それを持ち帰るのではなく現場で処理したいと思っています。

 

林業の土場で使うようなサイズではなく、2〜3tダンプに乗せて運べるような小型、中型のものを検討しています。

 

すでに導入している方や使っていた人など、何かアドバイスいただけませんか?

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