空師の歴史
これ葛飾北斎の書画なんですが、まあなんていうんでしょうか、木こりと呼んだら良いのか、空師と呼んだら良いのか。
ともかく江戸時代にこのように木に登って斧を振るう職人がいたということは間違いないのでしょう。
で、ですよ。
「どうして彼らは木に登って切っているのか」ということなんですよ。
そのまま伐り倒しても良さそうな現場に見えますが、何か理由があるんですよね。
この書画に描かれた職人はみな、枝分かれしたところに斧を振るっています。
つまり枝を切り落とそうとしている。
ということは、
① 枝だけ剪定しようとしている
② 伐倒するのに支障のある枝を切っている
いずれかでしょうか。
次に、樹木をよく見てみると着葉が見られません。
また最初の書画にある樹木の根元を見るとキノコのようなものがびっしりと生えています。
そう、まるでナラタケのような。
ナラタケは根株を犯す有名な木材腐朽菌ですし、切り株も描かれています。
以上から判断すると、これらの樹木は枯れてしまったため伐ることとなった。
しかし、そのまま伐り倒すことができなかったため、枝を落とし、コンパクトにしてから伐り倒すことにした。
ということなのかなと思うのですが、いかがでしょうか。
彼らはこの後、この樹木を造材して販売したのでしょうか。
薪として使うくらいならできそうです。
それともこの伐採だけ請け負って賃金をもらったのでしょうか。
想像は止むことがありませんね。
葛飾北斎もこの達者な職人たちを描きとめずにはいられなかったのでしょう。
みなさんはこの書画からどんな想像を膨らませますか。
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