樹木医試験(2次)、合格体験記
今年の目標であった樹木医試験、無事合格できました。
良かった良かった。
というわけで、選抜試験(1次)をクリアしてから2次試験終了まで、何をしていたのかメモしておきますね。
何かの参考になれば幸いです。
選抜試験(1次試験)の勉強法については以前の記事を参考にしてみてください。
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8/27
ひと月ほど、選抜試験合格の余韻に浸っていたけれど、そろそろ準備開始。
2次試験は16科目の試験の他に、樹木の50種類識別試験(適性試験と呼ばれる)がある。
この識別試験対策のため、針葉樹、常緑広葉樹、常緑針葉樹の代表的な樹種70種を図鑑でチェック。(この70種については、事務局からあらかじめ例示されている)
そして現場に出た時にその樹種がないか探すようにしていた
9/10
研修開始まであと10日となり、さすがに焦りが。
といっても何をしたらいいかわからないので、選抜試験の時にまとめたノートを眺めたりしていた
9/20
ほとんど準備らしい準備もなく、ついに研修開始。前半はwebでの講義だ。
時間の使い方としては日中できるだけ講義を聴く。夜はよくわからなかったところをネットで調べたりしていた。
web講義は1本大体2時間はあるので、1.25倍や1.5倍速で見ていたが、1科目に2つ講義があったりして、とにかく時間が足りない。
9/25 現地研修まであと7日
とりあえずweb講義16科目を1周した。
が、いま途方に暮れている。どう勉強すれば良いのかわからないのだ。
つくばでの現地研修は初日からテストの連続だが、一体どんなテスト対策をして良いかわからない。
「大体この辺りを覚えておいて」という先生もいるが、何もない先生もいる。
このまま講義を見ているだけでは頭に入らない。
仕事の都合で勉強できるのはあと3日だけ。
ノートを作る時間もないので、まずは配布資料の大事なところを黒ペンで塗りつぶす。
こうして大事なところを覚えるようにした。
黒くしても角度を変えると光の当たり方次第では文字が見えるので。
そして先生が話していたことをオレンジペンで書き込み、赤シートで隠して暗記できるように。
結局講義は通しでは1度しか観なくて、わからないところがあれば、そこだけ繰り返し見直すようにした。
後から分かったけど、周りの人は2度3度と繰り返し観ている人が多かったようですね。
10/2
つくば市での現地研修が始まった。選抜試験合格者約100名が前半組と後半組に別れて研修を受ける。今日は前半組の初日だ。
参加者は、造園業の方は意外と少なくて10数名、林業関係も少なくて4、5名。公務員の方やメーカーさんも若干いましたが、ほとんどは設計、調査などの業務に関わる方達でした。
やはり仕事で必要なので取りにきてる人が多いですね。
オリエンテーションからの「樹木医総論」「樹木医と安全」という2コマの授業の後、夕方から4科目「樹木の分類」「樹木の生理」「樹木の生態」「樹木の構造と機能」の試験。
1科目20問で解答時間は20分。いよいよこの時が来た。
1科目の「植物の分類」でアレ?となる。全然わからない。オイオイ。
ただ、時間は待ってくれず2科目め、3科目め、4科目め、どんどん進んでいく。
終了時間となり、一旦教室から出ると、しばらくして模範解答が掲示される。
科目別の試験は6割取れればクリアとなる。つまり8問まで間違えても大丈夫なわけだ。
で、自己採点結果3〜6問間違えということで、おそらく今日はなんとか凌いだ結果となった。
数字だけだと普通にクリアしているように見えるが、6問間違えたときなど、口の中がカラカラ。
これまでの努力が無駄になるわけじゃないですか。「この研修を楽しんで(笑顔)」とオリエンテーションで言われたけれど、や、ホントシンドイって。
10/3
朝から「木材腐朽菌」と「総合診断」の実習。
やはり現地で実際に見たり、触ったり、考えたりするのは本当に勉強になる。
先生方がその場で質問にも答えてくれて、とてもわかりやすい。これはつくば市まで来た甲斐があった。
と、思ったのも束の間、夕方から3科目「樹木の保護に関する制度」「大気汚染の診断と対策」「気象害の診断と対策」のテスト開始。
今日は20分で25問に解答する科目が2つある。かといって焦りは禁物。よく考えて回答する。
そして、テスト終了後に模範解答が貼り出される。
自己採点結果は、今日もなんとかクリア。
毎回ほぼギリギリって、精神的にホントキツいわ。
16科目中7科目クリア。残り9科目!
10/4
今日も朝からテスト。
3科目「腐朽病害の診断と対策」「後継樹種の育成と遺伝子保存」「総合診断」をやって、時間の関係で採点せずにそのまま実習地へ。
で、実習に行ったんだけど、なんと敬愛する土壌の藤井一至先生がいるではありませんか。
聞いてないよ〜、もうびっくり。 多くの人がサインもらったり写真撮ってたよ。当然、僕も。 これだけでこの研修の元とったわ。
しかも先生は今回研修前半組の今日しか来られないとのことで、本当ラッキーだった!
樹木医の資格を取りたい方々のために、土壌調査のレクチャーをしました。経験ないくらいのサインぜめ。日本中、みんな樹木医だったら良かったのに。 pic.twitter.com/Eti6611hEH
— 藤井一至 (@VirtualSoil) October 4, 2023
実習後、朝やったテストの採点を行う。今回は危なげなく3科目クリア。
これで10科目終わった。残り6科目と50種類の樹種判定テスト。
まだまだ気が抜けないが、研修に参加している皆さんと話す時間も少しずつ増えて来て、林業とは全く違う世界でとても多くの方が樹木に関わっているのだと改めて実感。
10/5
4日目終了
朝から3科目「土壌の診断」「樹木の移植法」「植栽基盤の調査・判定と土壌改良」のテスト。
「樹木の移植」の問題を見て、手が止まる。造園業に携わるか、しっかりweb講義を聞いていないと答えられない問題。
もちろん講義は聞いていたけれどさ。
苦しみながら回答し、テスト終了。これはみんな苦戦してた。
実習中もテストの結果が気になるがいつまでも引きずってはいられない。
実習内容は病気と虫害で、この分野は正直苦手。
虫はあまり好きではなくて、病気も興味は薄い。
なのでテンション下がり気味だけど、現場で見たことがある虫害や病気があると「コレ知ってる!」と少し元気が出る。
実習後、宿に戻りテストの自己採点。結果は大丈夫。これで16科目中13科目クリア。残すはあと1日!
10/6
研修最終日
朝から2科目「病害の診断と防除」「虫害の診断と防除」のテストをやり、そのまま現地実習へ。
「樹木の外科診断」だ。これを午前中やって、午後から「樹木の識別講習」。
100種類以上を2時間半で覚えるという頭がパンクするような講習だ。
これが終わったらそのまますぐに樹木識別テスト(適性試験)が始まる。
もう17:00を回っているが、まだ集中力は切れていない。
これを終えると、そのまま午前中に実習した「幹の外科技術と機器による診断」のテストになる。
いよいよこれが本当に最後のテスト。いきなり1問目でつまずくが、まあなんとかやり終えた。
今日全てのテストが終了し、自己採点結果もクリア(樹木の識別試験の結果はこの時点では不明。識別テストは結局50問中10問間違えてました)。
多分全16科目クリアできたと思う。
ホント疲れたけど、最高に充実した1週間だった。 もうホントにクタクタだよ。
10/7
最終日
いよいよ最後、最終面接だ。著名な大学の先生方が面接官となる。
聞かれたことは、この研修の感想や樹木医としての目標など、その他色々聞かれるが、いたって普通のこと。
うまく答えられない問いかけもあったけれど、まあなんとかやり遂げた。
2023年の年明けから、樹木医になることを目指してここまできた。
感無量とはまさにこのこと。 この充実感、達成感はないね。
樹木に興味のある人、ぜひ樹木医を目指してください。かけがえのない経験が得られます。
これは保証できます。
人と樹木の良い関係を目指して、一緒に取り組みましょう。
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コメント
合格おめでとうございます。
以前から丸源鋸にかんしてこちらのブログを参考
にさせて頂いておりました。
自分も近年樹木医を取得したものです。ともに頑張りましょう!
投稿: シマバナナ | 2024/01/17 16:09
シマバナナさん、ありがとうございます。
樹木医は本当に勉強になりますね。
CPDがなくても自分から勉強したくなるようなコンテンツが色々あって、取得して本当に良かったと思っています。
樹木やその周辺を見る目が変わりました。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします
投稿: でき杉 | 2024/01/28 19:17