モンベル ツリークライムハーネスを使ってみた(追記あり)
高所作業にも使えるということ、また1万円代(!)というコストパフォーマンスの良さからモンベルのハーネスを使ってみました。
で、結論から言いますと、
「十分樹上作業に使える。ただし値段相応。改善の余地あり」です。
僕は普段はぺツルのセコイアを使っています。
画像のようにモンベルのハーネスにぺツルのキャリツールSとキャリツールエボを装着しています。
アクセサリーループは左右に一ヶ所ずつしかないので、そこにキャリツールのSを通しています。
ここにキャリツールのLサイズは通らないのです。
アクセサリーループはキャリツールエボで解決するので良いとしても、ギヤラック(ループ状のひも)が左右に一つずつというのはワーク用のハーネスとしては決定的に少ないと思います。
ここはぜひ改善してほしいところ。
あと、樹上作業で使う場合にちょっと厳しいのはフロントのD環
ここはやはりブリッジも使えるようにしてほしかった。
あと1万円高くてもいいから。
樹上での身体の使い方に大きな違いがありますので。
サイドD環はこんな感じ。
画像は基本的なサイズのカラビナを2つ使ってますが、まあ標準的ではないでしょうか。
サイドD環は普段は前向きになってますが、ある程度遊びがあります。
パッドはペラペラです。
70ccクラスのチェンソーをぶら下げたらどうなるのかはまだ試していないのですが、トップハンドルをさげたり、1日中樹上で作業している分には全く問題ありません。
ーーー(追記)ーーー
しばらく使ってみての感想ですが、この薄さはやはり身体の負担になるかと。
例えばスポーツクライミングのハーネスは薄く軽く動きやすいことが重視されます。
そして、使用中は負荷がかからず、万が一の落下を防ぐものです。
対して、ワークのハーネスは常に体重や荷重のかかった状態で使用します。
チェンソーや鋸、ランヤード、沢山のカラビナやスリング、人によっては如意棒やフックをギヤラックにぶら下げている人もいるでしょう。
このパッドの薄さで一日中荷重のかかった状態というのは、やはり身体に負担となる場合もあると思います。
腰回りが痛くなったり、不快に感じたり。
このハーネスに対する結論は変わりませんが、使用環境を考えてうまく使ってほしいと思います。
ーーーーーーーーーーーーー
あと気になったのは、レッグループの調整用ラダーが外れやすいこと。
さすがに使用中に外れはしませんが、着脱時に外れてしまうことがありました。
ていうか、ここ取り外しできる必要あるのかな。。
と、ここまでいろいろ書いてきましたが、結論は冒頭に書いた通り。
改善してほしいところはあるけれど、ワーク用のハーネスが1万円代ってどう考えてもスゴいこと。
樹上作業用として売られているものは5、6万が当たり前。
そういったお腹いっぱいの高級品とシンプルなモンベルのハーネスはさすがにおなじ土俵にはあげられないかな。
年間ずっと大木相手に樹上作業しているような人は専用のハーネスを、そうでなくて月に1、2現場程度や小低木中心の作業ならモンベルのハーネスでも全然問題ないと思うけど。
だって、この仕事って他にもロープやらデバイスをいっぱい買わないといけないでしょ。
抑えられる出費は抑えたい人もいるんじゃないかな。
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コメント
出来杉 様
いつも参考にさせて頂いています。
これって、SINGINGROCKのシットワーカー3Dと、ほぼ同価格、同スペックですね。私は先代のシットワーカー3を使っていますが、同様にブリッジでなくD環なので(ツリー用でなく高所作業用なので当然ですが)体幹を捻る動きはかなりしんどいです。また、捻る動きはウエストベルトを緩めるようで、しょっちゅう締め直ししてます。ベルトの緩みはありませんか?
シットワーカー3Dはギアラックが4ループに増えていますので、荷物は十分下げられそうです。
投稿: 樹の子 | 2019/01/15 21:18
樹の子さん、コメントありがとうございます。
たしかにブリッジに慣れていると、身体が不自由に感じますね。
いまのところ、ベルトの緩みはあまりないですね。
比較的快適に使えています。
ギヤラックとレッグループのラダーが外れやすいのは、ぜひとも改善してほしいところです。
投稿: でき杉 | 2019/01/16 22:33
ブリッジもそうですけどフルハーネスに変わるタイミングで何故このハーネスを出したんですかね?
投稿: ゲチェナ | 2019/02/10 11:00
このハーネスはワークに「も」使える位置付けなんだと思うよ。
それに、ワークポジショニング用のハーネスがなくなるわけではないということも理解しているだと思います。
投稿: でき杉 | 2019/02/10 21:58