スイス林業と日本の森林
スイス研修から帰ってきて購入した本がこれ。
一緒に行ったメンバーは当然行く前に読んでいたようで「良かったよ」と。
で、遅ればせながら購入した次第です。
前作、「スイス式[森のひと]の育て方」 が「教育」に重点が置かれていたのに対して、こちらはスイス林業をどうやって日本の林業に生かして行くか、という方向になっています。
具体的に言えば「森づくり」というのかな、伐採方法とか技術的な話じゃなくて、スイス式の森づくりのエッセンスを紹介し、日本の森林にも生かす方法を探るというか。
ていうか、僕はスイスから帰ってきて「森づくり」に関心が行ってるので、そう読めたのかもしれませんが。。
この本の中で「近自然森づくり」という言葉が頻繁に出てきます。
ま、言いたいことはわかりますよね。
でも、この「近自然」っていう言葉がパッと入ってこないというか。
「キンシゼン??」みたいな。
まあ、用語についてはここでは置いておきまして、
とにかくね、この「量の林業」全盛の時代の流れがある中で、そうではなくて恒続林を目指すというこの姿勢。
惚れてまうがな。
ちな、恒続林というのは「異なる樹種、異なる樹齢で将来にわたり良材を収穫し続けることができる木々で構成されていて、定期的な大径木の収穫が森の手入れになる」(p59)森林のことです。
今の林業になんとなくギモンを感じている人、自伐型で道をつけて間伐して、、、で、その先は?って人なんかに、この本はとってもオススメですよ。
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コメント
うちは別に本業を持ち、物理的に採算の見込めない山があるっという恵まれた条件なので、逆に「近自然」向けの林業ができそな気がしてきました。林業というより道楽といわれるでしょうけど(笑)
投稿: てつ | 2017/11/26 17:27
てつさん、羨ましい!
作業道の大家、大橋慶三郎先生曰く、
「林業の最も大きな本質は長期性で、初期には資金や労力の投下だけであり、成木からの収入は、ずっと後になってしか実現しない。(中略)昔から林業だけの収入では成立しないものである。これは将来も変わらないだろう」(道づくりのすべてp138)
林業は道楽でいいと思いますよ。
楽しく作業して、美しい森を作り、そこそこ儲かったら最高ですね!
投稿: でき杉 | 2017/11/29 22:32