スイスから帰ってきました
2週間に渡る研修を無事終え帰国しました。
いや、関西暑い。。
ここで僕が見てきたスイス林業について細かく書くことはしません。
それについてはこの記事を参考に相棒のbirdさんがまとめたFBページなどを見てください。
で、「ザ・スイス林業」というのは奈良県のホームページにがっつりまとめられていますんで、そちらを見てください。
示唆に富み、一冊の書物になるほど価値の高いものです。
僕のこれからの林業人生のバイブル、そう感じています。
で、林業というより、スイスの森を紹介していきます!
ベルンの大学横の民有林で毎木調査に使うアプリの講義。
現場は見事な針広混交林で、ブナを中心とした広葉樹も画像の通りほぼまっすぐです。
これには驚きました。
アーバンフォレストリーの講義で高速道路沿いの都市近郊林に来たところ。
平らですね〜
同じく都市近郊林。
小規模皆伐したところに植林してます。
ネットは鹿よけ。にしては低いけど。
草刈りはツボ刈りするそうです。
同じく都市近郊林。
枝打ちはせず、例えば枯れた木もそのままです。
とにかく余計なことはしません。
同じ都市近郊林。
数字はナンバリング。
おおよその樹種毎にゾーニングされている印象を受けました。
とんでもなく広く、真っ平らな森林は市民に愛されており、サイクリング、ランニングをする人と何度もすれ違いました。
一転して、実際の林業現場。
30から35度ぐらいの斜度(画像の先から落ち込んでます)をワイヤーロープのウインチでアンカーをとったフォワーダが入っていきます。
イメージとしてはこの記事を参考にして。
同じ現場。
太い木はチェンソーで切ってますが、細いものはハーベスタで。
青丸が打ってある立木は「育成木」(ドイツでいう将来木)。
育成木のライバルとなるものから切っていきますが、ここでは列状になってます。
週末のハイキング。
標高1500mくらいの尾根筋。
日本のどこそこって言ってもバレないと思うくらいの既視感。
同じハイキング現場。
道から左は針葉樹林、右は広葉樹林。
所有者が違うのかな。
ちなみにスイス人はものすごく歩くのが早いです。
ついていくのがやっとで景色を楽しんでるのかギモンになるほど。
保安林。
どこを見てもわんさか天然下種更新。
更新しやすいところとしにくいところとあるのだろうけれど、それほど考えて光のコントロール(間伐)をしているようには思えず。
ただし、スイスのみなさん樹木だけではなく、土壌や岩石などにも非常に詳しいです。
総合的に判断して更新しやすいようにしているのかなあ。
同じく保安林。
普通に食害あります。
ここもスイスの森に見えないね。
日本と違うのは、ハンターがシカなどを取り過ぎないようにコントロールされているところ。
林業現場。
手入れの遅れている現場。
傾斜もきつく日本とそっくり。
同じ現場。
14年前に間伐搬出(架線)された場所。
もちろん天然下種更新。
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という感じで、いろいろなスイスの森林を見て来ました。
そこで感じたのは、一般市民の森林への関心の高さです。
サイクリング、ランニング、ウォーキング、レクリエーション、加えてトレッキング、トレイルラン、ダウンヒル、キノコ狩りなどなど。
とにかく市民の人たちが森林にいるんです。
スイスでは民有林でも林産物などは共有物とはいえ、本当に気軽に当たり前のように森林で過ごしてるんです。
わざわざロープウェイで2000mまで上がって来て、キノコを採っている老夫婦もいました。
これは最後の画像の林業現場を出たところで偶然出会った子供たち。
「森のようちえん」ていう雰囲気じゃなくて、近所の幼稚園が「今日は天気も良いし森で遊びましょう!」みたいな感じで遊んでた。
ここは共有の場所で誰がいつ遊びに来てもいいところ。
こうしていろいろなスイスの森と人の関わりを見ていると、「林業」より前に、もっと大切なものがあるような気がします。
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コメント
市民が気軽に森に遊びに来てるっていいですね!
林業より前の、もっと大切なものってなんでしょうね。
林業云々以前に、山を、森を、木を親しむ心というのは、私たちに本来備わっているもの。
そんな気がいたします。
投稿: 小西 陸 | 2017/09/22 17:26
小西さん、本当にそうなんですよ。
そう遠くない燃料が木質だった時代は、森林の中に入ることは当たり前のことで、そこで遊び生きるすべを学んでいたと思うんですね。
今の時代にあった形でできることもまだまだあると思っています。
投稿: でき杉 | 2017/09/23 08:08