フォレストリーダー研修6日目
いやはや灯台下暗し。
目と鼻の先の隣町でこんな取り組みをしている林業家がいたとは、まったく知らなんだ。
情けないったらありゃしない。。
研修6日目は近畿グリーンエナジーの現場視察。
もともと菓子製造を営んでいる会社が薪ボイラーを設置して、天然林30haと人工林40ha合わせて70haの山林を管理しているというお話。
天然林から出たコナラはシイタケの原木に、他の広葉樹はバイオマスへ。
人工林から出た良い材は市場へ、その他はバイオマスへ。
タンコロや、ナラがれでやられたものは自社の薪ボイラーへ。
この山林の最終的な目標はシイタケの原木供給。
これは、使われなくなった地元のトンネル(知る人ぞしる五新鉄道のもの)で、シイタケ栽培するために使うという。
天然林はマツとサクラとコナラを残して、あとは基本的に伐採する。
小規模に皆伐したらネットをして母樹があれば残して、
コナラ(ドングリのまま)とヒノキを混ぜて植林。
伐採して1年でそこら中にアカマツの赤ちゃんが。
「マツは勝手に生えてきて山になる。お金もかからず成長も早いからバイオには最高ですね」
とにかく植林は最小限。
マツ、桜、コナラを残して下種更新を目指す。
常緑広葉樹は大きくならないように早めに伐採していく。
できるだけお金をかけずに豊かな森を作っていく。
これは素晴らしい林業だと思いませんか?
スギヒノキばかりでどうにもならないのに、未だに僕らはスギヒノキを植林している
。
しかも獣害でまったく育たず山になっていないのに、またスギヒの植林を繰り返す。
グリーンエナジーの山と同じ山作りはできないと思うけど、エッセンスを取り入れることはできると思う。
その地域にあった林業があるはず。
明日、早速役場の林業課に行って訴えてこよう!
いい加減、目を覚まさないと!
あ、明日土曜日か。。
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コメント
こんにちは、僕も数年前に研修受けて、同じような事でかなり悩み考えました。 現場目線では出来杉のおっしゃるように、植え付けは最小限にして自生をさせ、その土地に合う選別作業をする事が、害獣被害&コスト削減でも効果がでると僕も思います。 国が進める長伐期林施業では、そのやり方は現実的ではないかも?しれませんが諦めずに進化した保育スタイルを皆で考えたいものですね。 頑張りましょう‼
投稿: アイシタ | 2016/09/11 19:07
実は、大昔の吉野林業は
こういうスタイルだったのかも
しれませんね〜
研修ではなく教育に
こういう現場が取り入れられないと
地域の森づくりが進んでいきませんね〜
投稿: 祝杉 | 2016/09/12 05:23
アイシタさん、コメントありがとうございます。
僕が現地見学して一番に感じたのは、この取り組みをしている社長さんが決して今の林業を取り巻く環境に言い訳せずに、自分のやりたい林業をやりがいを持って取組んでいるということでした。
もちろん補助金は活用しますが、この社長さんならどのような状況になっても、理想の山作りに邁進すると思いましたね。
投稿: でき杉 | 2016/09/13 22:13
祝いちゃん、大昔というかほんの数世代前は日本中がこう言う感じだったんじゃないかな。
吉野も全体的に江戸時代から植林していたわけじゃないしね。
差別化するっていうんじゃなくて、みんながもっと地域に根ざした山づくりをしていくべきなんだろうね。
投稿: でき杉 | 2016/09/13 22:16
昨年海外研修に行かせてもらいました。行く前は「機械や架線を」と意気込んで参りましたが、帰国後は「育林」のことを発表するに至りました。発表に至る過程で戦前戦後の林業・造林の本をいくつか調べてると傘伐施業という単語がときどき出てきました。戦前、ドイツ林業を日本に持ち帰り、これからの日本林業の礎を築く大志がひしひしと感じ取れました。国外・県外の事例を丸ごとパッケージとして活きるか否かで批評する向きがある昨今ですが、優れたアイデアやエッセンスをどうやったら自分の地域にフィードバックし成果を出していくのか。粘り強く執念深く、時には楽観的に自然の力強さを信じていこうと思いました。貴重な事例に感謝します。
投稿: ケンボウ | 2016/09/19 16:30
ケンボウさん、コメントありがとうございます。
「育林」は本当に大事ですよね。
僕らの地域は獣害で植えてもなかなか育つことができず、従来通りの育林で良いのか、樹種から、その方法まで考え直さないといけない時期に来ていると思っています。
地域に適した林業というのがあるはずなんですよね。
「自然の力強さを信じる」
いいですね〜、自然に逆らわず謙虚に取り組んでいきたいと思います。
投稿: でき杉 | 2016/09/19 21:59