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2016/07/10

奈良の木の匠養成塾4回目

今日は木の匠養成塾の最終日。
宮大工の小川さんの講演があるということで、これはかなり楽しみです!
宮大工ってほんと憧れるよねー

過去の様子はこちらからどうぞー・1回め3回め


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まず最初は、宮大工の小川さんの講演です。
「不揃いの木を組む」と題した講演だったのですが、内容は主に「人」についてだったな。

・木のことはあまりわからない。
なぜなら主にスギとヒノキしか使わないから

・法隆寺を直せる人は作れる人でないといけない。
1300年前の伝統とか引き継ぐとかいうことではない。
魂、考えを思えばカタチは変わらない。
本物を作っておけば、いつの時代も変わらない。
次の世代に嘘偽りのないものを残す。
そうすれば、のちの人が読み取ってくれる。

・徒弟制度。
なぜ新人に食事の用意、掃除をさせるか。
そのことでその子の思いやりの気持ちや段取りがわかる。
職人は走りながら考える。
掃除は体を動かさないと、机の上ではできない。

・最初は刃物を研ぐだけ。
最近の子は「これでいいですか」とすぐ聞きに来る。
「オノを研げ」と言ってるんだから、オノを研ぎ続けてナイフになるまで研げばいいんだ。
そういう不器用な、仕事にどっぷりとしたるような子を弟子にしたい。

・ずっと研ぎばかりしていて、やりたくて仕方ない時に自分の持っている一番いいカンナを貸してやる。
そうするとその感覚、感動は一生忘れない。
いいタイミングで貸してやることが大事。

・無駄をさせて、無駄に気づかせ、無駄をなくす

・教えない。学ぼうとする雰囲気があることが大事

・エンタシスがどうとか、先に先生が教えているから現地で確認しているだけ。
1300年支えている柱に抱きつくような子を弟子にしたい

・いいものを作るよりも自分にあった使いやすい道具を持つことが大事。
道具に恥じない仕事をするようになる。
そういう道具を持たないから手を抜くことを考える。
切れる刃物と工人の想いでいい仕事ができる。
切れる刃物は嘘つかない。

・執念のものづくり。
真面目にひたむきにやらないと人の心を打つものは作れない

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ヒノキのカンナくず
これでも厚い方だそうだ。。。
こんなんでもヒノキの良い香りがするんだから、木ってすごいよ。


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休憩を挟んで次は家具デザイナーの松本和美先生
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正直、午前中の小川さんのインパクトがすごすぎて、松本先生の講義はちょっとリラックスタイムみたいな感じが無きにしもあらずだったけど、印象に残った言葉を。

・ものの名称で考えない。
イスを作って欲しい → 人の身体を支えるもの。腰をかけるもの。
こうするとコトバから離れて自由な発想になる。


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んで、一番最後は

「吉野材を使った魅力的な住宅使用例」Ms建築設計事務所 三澤康彦さん。
Img_2144

木をたくさん使うとどうしても山小屋風の建築になってしまうことがあるんですよね。
でも三澤さんはそうはしたくないと。
「センスのいい吉野杉の家」を追求していると。
色使いとかもすごく気をつけていて、壁は漆喰で白くするとか、ソファは原色を使うとか、本当にそれで印象が大きく変わるので勉強になりました。


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ということで第3回は参加できなかったのですが、無事養成塾を修了したということで、、
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修了証書と記念品(らんちゅうのお箸)をいただきましたー

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とにかく今日は小川さんの話が面白スギて、もっと聞きたかったんですが、全体的にとても良い企画だったと思います。

普段、山奥で木を伐ったり、山の手入ればかりしているので、木がどういう風に使われているのか全く知らなかったですから。
素材生産とはよく言ったもので、僕らはこれからも丁寧な施行によって吉野材をしっかり作り続けていかないといけないなと思いました。

また明日から頑張ろう!


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コメント

昔、高校卒業して大工さんに
弟子入りしようとして、小川さんの
お弟子さんのトコに弟子入りしに行ったら
親身になって話を聞いてもらって
木を育てる方面に進んだんですが
社寺仏閣と森づくりの関係性って
深いですね〜

投稿: 祝杉 | 2016/07/14 05:32

小川さんの話聞いていると、やっぱ吉野は寺社仏閣向けの立派な材をこれからもしっかりと作り続けないとダメだと思ったよ。

なんか森を見てさ、「これはチップになるんだよ」ていうより「これは神社の柱になるんだ」ていう方が夢があるよね。

森に夢を見ることは大事だよー

投稿: でき杉 | 2016/07/15 18:16

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