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2016/06/19

奈良の木の匠養成塾第一回

というわけでやってきました奈良女子大。
キャンパスの綺麗さに心躍りました。
いや、緑がキレイだって意味ですよ(意味深
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午前中は講義。
奈良県林業振興課による「日本・奈良県の森林・林業」
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いろいろな話が出てきたんですが、いくつか紹介すると。
・樽丸の技術は、広島の人が泉州の職人に教えて、黒滝村に伝わった。

・集成材の上に薄く切った化粧単板を貼ることで吉野材の価値が上がった

・吉野は長伐期のため、所得がなかなか入ってこなくて、税金が払えなかった。でもお金は必要。そのために知恵を絞った。先祖代々の土地は売ってはいけない。だから村外の資本家に木だけを売る。(借地林業)。でも村外の人は管理ができない。だから地元に管理を頼む。(山守り)

・スギの皮むきとヒノキの皮むきは違う。ヒノキはまず立木の皮を薄く剥いでから、10年後くらいに綺麗な皮を取る。これを3、4回繰り返す

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ここで午前中終わり。
ランチは有名な奈良女の学食へ。
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(写真はネットで見つけてきたものです、スミマセン。)

バイキング形式で普通にホテルレベル!
ワシの通ってた大学のAランチ(ミートパスタにコロッケが乗ってるみたいな)と違いすぎて、涙が出そうになりました。。

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んで、午後からは現地見学。
まずは、桜井市にある吉田製材株式会社。
無垢の吉野ヒノキに強みを持つ製材所です。
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原木を見て、木口から読み取れることをいろいろ教えてくれます。

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55度で乾かす中温乾燥機。
吉野材の特徴である色ツヤを生かすために中温で乾燥させているとのこと。
まず、しばらく天然乾燥させて、材の水分量を落ち着かせてから乾燥機へ。
フローリングで一週間から10日。
構造材で二週間ほど人工乾燥させる。
この熱は工場で出るバークや端材を燃やしたもの。


この他、製品まで見せてもらったんですけど、解説してくれた吉田専務の言葉から印象に残ったものを。

・現場で加工するとゴミや騒音の問題があるから、今は梱包を開けるとすぐに使える製品が希望されている。

・製材製品はプラモデル化している

・今は構造材よりも内装材が多い。首都圏だとエレベーターに乗るサイズの製品でなければならない

この「エレベーターサイズ」っていうのは僕にとってかなり衝撃でした。
このサイズでないと使ってもらえないと言います。
言われてみれば確かにその通りなんですが、このことに山側(川上)の人間がどれほど気づいているのか。
相変わらず2、3、4、6mに造材して、和室が減ったとか、大壁工法で柱が隠れたとか言ってる時代ではないように思います。

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で、現地見学をもう一箇所。
吉野へ移動して株式会社櫻井へ。
ここは化粧張りの集成材で有名です。

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ヒノキの化粧張り集成材。
このような無節の化粧単板が取れるのが吉野材の特徴。
多い時にはこの化粧柱を月産2万本生産していたが、今は3000本ほど。
毎月5000万円ほど吉野貯木の製材所から板を買っていたのに、今は減ってしまって申し訳なく思っているそうです。

なので、無垢材にもチャレンジしてみようと導入したのが、日本に3台しかないという減圧乾燥機。
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温度を上げる必要がないので、木に優しく乾燥させることができる。
木も生き物だからなるべく熱くない方がいいのは人間と同じ。

この減圧乾燥機の利点は無垢材をそのままで乾燥させることができること。
色ツヤをそのまま残すことができるし、背割りを入れる必要ありません。
背割りがなければ、柱をどの向きにでも使用できますし、芯去り材と同じように使うことができます。
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これが無垢のヒノキの芯持ち材。
すでに乾燥が終わっている状態。

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これは材の強度を図る機械。
吉野材は強度も高かったです。
やはりこれは年輪が密なのが関係しているのでしょうね。


と、こんな感じだったのですが、現地見学で2社とも強調されていたのが、いかに吉野材が良いものなのかということ。
まあ、宣伝、プレゼンといえばその通りなんですが、やっぱり良いものは良いわけで。
節が少なくて、強くて、色ツヤが良いなどなど。
2社とも吉野材に惚れ込んでいて、その良さをいかに引き出すか、いろいろと努力されていることがよくわかりました。

こういう話を聞くと、吉野特有のきめ細やかな施行方法は間違っていなかったと思えるし勇気をもらえますね!
山づくり頑張らないとな。

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