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2016/05/16

KEM第3回ツリーケア・プロダクツ テクニカルデモセミナーday1

この週末、KEM主催のリギング・レスキューセミナーに参加してきました。
想像以上の濃い内容にびっくりしました。
全国から集まった70名の参加者も名だたる強者ばかり。
Markさんの人柄も相まってとても良いセミナーになりました。


それでは、内容をまとめないでざっと書いていこうと思います。
間違いやわかりづらいところもあるかと思います。
用語も統一してません。
例えばブロックとかプーリーとか出てきますが、細かく分けてません。
「ここがプーリーなのはおかしくないか」とか考えずに、「滑車」のことなんだなくらいに捉えてください。
よろしくです。

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<risk assessment / offsite>
・リギングの条件が厳しい時にそれをクリアできるように。

・作業する時にはエネルギーを使わないといけない。
いろんなエネルギーに対処しないといけない。

・作業者のレベルが違う時がある。
現場責任者が現場を見て判断する。
責任者が現場で仕事をせず作業者がやる場合がある。
小さい会社はやる場合があるけど、大きい会社では作業者と責任者が違う。
立場の違う人たちで十分なコミュニケーションを取ることが大事。
お互いにコミュニケーションを取れなくて、仕事を始めてしまうのは良くない。

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・free fall、可能ならこれが一番安全。
それができないならロープを使うことになる。

・リギングが必要な時は、アンカーポイントをできるだけ高いところにつけたい。
ブロックを材の上に取れない場合、下につける場合もある。
これは条件として難しい場面。
youtubeで見たことあるでしょう。
実際に吊ってみないとわからないこともある。
十分に経験を積んだチームはたんたんとこなすことができるけど、やはり難しいことだと確認することが大切。


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・2008年に出たリギングの報告書。
4つの異なった条件が書いてある。
書いてあることはどんな状況でも登れるわけではないということ。
枯れて5年も経っているのは、こっちの責任ではない。
こんな木は作業者の責任ではなく持ち主、管理者の責任。
登れない木は高所作業車や足場を組んで解決する。
根切りして庭がダメージを受けるかもしれないが、そういう場合もある。
実際にマークさんも登れなくて、下から伐って庭のど真ん中に倒したことがある。
リギングは優れているけど限界がある。
他の方法をとることもある。
マジックではなく物理の法則なのだ。
魔法が使えたらいいけど(笑)

・ 枯れた木を処理する場合、ラインかけて木がどう動くかで判断する。
引っ張り過ぎて折らないように。
これでかなりの情報を得られるはず。
揺れが幹の途中で止まっていればいいけど、根元まで動くなら強度がないと判断すべき。
登れない場合、周りの他の木が使えるか調べる。
ダメならクレーンを使って、それをアンカーポイントにすることがある。

・業務作業書に目を通していても現場に着いた時にもう一度リスクアセスメントをする。 作業をする樹木の下から上まで細くチェックする。
リギングの弱い部分を見極める。
道具や経験の浅い作業者もそうだが、木が一番弱いと困ることになる。
ウィークポイントがどこならまだマシなのか考える。
ロープももちろん強度が必要だけど、他に比べて一番弱くてもいいのはロープなんだ。
ポータラップに20mmロープを使ったらロープが切れる前にポータが壊れてしまう可能性がある。

・軽いリギングはポータラップを使う。
より重いものを吊る時には幹に固定できるウインチなどを使う。

・グラウンドワーカーは危険なエリアから離れて操作すること。
ダイナミックリギングをする時は革手袋の使用をお勧めする。
ちょうどよくロープを送り出せるから。
だいたいどれくらいの重さがあるか、何回巻いたらいいか上と下で相談する。
ロープのエンドは自分の見えるところに置いておく。
自分の身体に巻きついたりしないように。
経験の浅い人はロープが動き出したら握ってしまう人がいるが、リラックスしてロープを挟むような感覚で扱うように。

・GRCSはポータラップと違って、危険なエリアで仕事しないといけない。
以前、危ないことがあった。
800キロ?の材で巻きを取ってる時にいい加減にやったら、一気に巻きがドラムから外れて自分のところに落ちてきたことがあった。
どこに立つにしろ、しっかりと両手で巻きを取っていくことが大事。
巻いたまま他の作業などで、その場を離れる時はポータやロープクランプで固定しておくことが必要。


<gear selection & configuration>
・全部の道具を車などに積んでおく必要はない。
仕事によって選ぶべき。
26年前に仕事を始めた時はラインだけだった。
枝にかけて根元で結んでた。
道具はだいぶ進化した。

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・ダブルブレイドロープはプーリーと使うと効果的。
ロープの曲げ率がちょうどよく荷重が分散される。
ナチュラルクロッチだとロープの外側に荷重がかかる。
ナチュラルの時はホローブレイドを使うのが良い。
ポリエステルは安くて丈夫だからよく使われる。

・ブロックにはデッドアイスリングを使う。
ブロックが材よりも下にある場合、トップカットを行うとロープがたるむ。
カウヒッチに遊びがあると荷重のコントロールができない。
遊びを作らないように。
もう一つの利点はアイで固定するから強くなる。

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・100キロをリギングするとアンカーポイントには200キロかかってくる。
上で使うから太いスリングの方が短い。
細いスリングは長い方がいい。19mmをトップアンカーにしてる。
アンカーポイントにはロープよりも強度のあるものを使う。
ブロックの取り付けは遊びがないように。
これはポータラップにもいえる。
ポータにカラビナをつけてるのをまだ見かける。
遊びがあるとポータが動いてカラビナに横荷重がかかる可能性があり事故につながる。
ポータにスリングを直接つける。
カウヒッチもできるだけ遊びのないように。
経験の浅い人は必要以上に巻いてロックさせてしまうことがある。
遊びがあるとさらに強い衝撃荷重を発生させてしまう。

・ブロックは衝撃荷重がかかる場合はスリングを直接つけられる。
カラビナをつけてる使うプーリーは衝撃荷重はダメ。
アンカーポイントを材の上につける場合はカラビナのついたプーリーでも使える。


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・こういった取り付けはダイナミックリギングならカラビナではなくノットの方がいいと思う。
スパインに曲げるような荷重がかかるから。
カラビナを使うなら、スリングをつかってそこにカラビナをかける。
そうすれば正しい方向に荷重がかかることになる。
でもロープがたるんだ時に方向が変わることがある

・(Paulさん)ウェビングが緩む可能性もあるから、やはりダイナミックではカラビナは使いたくない。

・(取り付けや結び方など)やり方を決めてアレンジをしないように。
そうすれば余計なことに気を使わなくてよくなる。

・(質問)ハーフヒッチを入れることでどれくらい荷重が分散される?
実験をするとハーフヒッチのところで切れる。
でも正確な数値はわからない。
ほとんどの荷重がハーフヒッチにかかってくると思う。
衝撃はハーフヒッチにかかるだろう。
ロープが太ければ熱が吸収されるけど、太くないと吸収できずに切れてしまう。

・カラビナを使う場合もアルミではなくスチールを使うこと。
リギングに使うカラビナとクライミングは分けること。
スリングを使う場合もナイロンを使うこと。
ダイニーマよりもナイロンの方が衝撃に強いから。
いろいろな意見があると思うがマークはこのように決めている。

・シャックルは優れている。
リングに匹敵する強度がある。どちらも使える場合はリングを使う。
リギングのシステムにカラビナはなるべく使わないようにしたい。

・カウヒッチが短い場合は、ティンバーヒッチを使う。
差し込んでいく方向は上から下にしている。
決めていると間違えることがなくなる。
巻き数は最低5回。幹全体に巻く。
バイトの逆に荷重がかかると緩んでしまう。
大きな幹はティンバーヒッチ、ロープに余裕があるとカウヒッチと使い分けてい

・ルーピーのセッティングはめんどくさいよね。
遊びがないようにするにはデッドアイスリングの方がやりやすい。
でもルーピーは強度がある。


<site preparation>
・ワークゾーンはどこなのか。
レットゾーンは幹の周り、グリーンゾーンはそれ以外。
レッドゾーンに入る時はクライマーに声かけする。
つい先日こんな事故があった。クライマーが上から枝を放り投げたらグラウンドワーカーを直撃してしまった。
現場は綺麗にして、作業を全員が把握しておくこと。
レッドゾーンは地上だけではない。空中もそうだ。
リギング、クライミングライン、アクセスラインなどがある。
きちんと整理しておくことが安全につながる。

・最初のプラン通りにいかないこともよくある。
そうなるとレッドゾーン、グリーンゾーンも変わってくる。
しっかりと相談して確認し合うことが大事。

・コミュニケーションをとるのに無線機を使うことを勧める。


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(質問)ロワリングデバイス。1回巻いたらどれくらいの荷重を下ろせると思うか?
なかなか難しい。ボラードの大きさでロープの接地面積が変わるし、天候でも変わるから。
一巻きで何キロと決めて解決するわけではない。
何巻きがいいかの目安は最初のカットを小さめにして、その日の条件を確認したらどうか。

・今後は道具が進化してアンカーポイントの荷重を測ることもあるのではないか。
情報が蓄積されていけば、また変わってくるだろう。

(質問)トップカットでロックさせたくない場合、ロープを太くするのか、それともそのままの太さで巻き数を増やすのか。
ダイナミックリギングはポータのような動くデバイスではなく、GRCSのような固定されるデバイスの方がいい。
経験的は1回巻きがほとんど。3回巻けばだいたいいける。

(現場作業者Tさんの答え)
アンカーポイントにリギングリングを使って、ポータで2回巻くことはあまりない。だいたい1回巻き。
500キロでスマートウインチで2回とちょっと。クライマーを揺らさないように気をつけてる。

(マークの相棒。ルカさんは)
クライマーの背の高さから長さを把握して、直径は下から目視して、何回巻くか決めている。
材を途中で止めないで地面につけて止めるつもりでやるとうまくいく。


<positioning on a pole / Working on spike>
・ワイヤーコアのランヤードは決して切れないわけではない。
チェンソーがしっかり回転してる状態では切れてしまう。
コシがあるために大きな幹に巻きやすい。その目的の方が大きい。
エンドはぶらぶらしないように処理すること。

・肩のところで構えて振ればちょうど手元に回ってくる。
顔に当たらないよいに注意して。

・どんな道具にも言えるが必ず劣化していく。
ワイヤーコアの事故例としては、連結の隙間から水が入って錆びて切れてしまったことがある。

・樹皮に応じてスパイクの長さの切り替えも必要


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・爪がどの方向に向かっているか。フラットフット。
靴のつま先の内側を木に当てることで安定させることができる。
つま先を広げて刺すと滑る可能性がある。
両足を近づけるとつま先が木に付きやすい。
突き刺そうと蹴り込む人がいる。
自分の道具を信用してないんだな。膝も痛めるだろう。
踏み込んで体重をかけたらいい。
爪はしっかり研いでおくこと。

・ロープエンドがスパート干渉しないようにレッグループにカラビナをつけて逃してやる。

・ランヤードともう一つアンカーポイントが取れれば安定した姿勢が作れる。

・幹がまっすぐで滑りやすい時は、カラビナとスリングでランヤードを締めることができる。

・スパーが外れてしまう事故が多い。
このような下に落ちないシステムにすることが大事。

・トップカットで上にアンカーポイントを取れない時はレスキューが難しい。

・一つはカットの時の抵抗になるものを。つまりワイヤーコアランヤード。
もう一つは地上まで戻れるシステムを作る。


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・ブロックやランヤードの順番は?
プーリーセーバーはリギングラインに当たらないようにブロックの位置に取り付ける。
ランヤードはブロックよりも上に。
下の場合、ブロックに衝撃荷重がかかりズレてしまったらランヤードが外せなくなるかもしれないから。
ブロックの下にクライミング(プーリーセーバー)をつけてるとブロックが下にズレたときに良くないという人もいる。それもそうだと思う。

・自分のパターンを決めて、それを守るのが大事。


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・トップカットでバックカットしたら両手はどうする?
両手を幹について衝撃に備えよう。
グラウンドを信頼していたら両手を離していてもいいけどね(笑)
慌てて受け口に手を置いたりしたら手が挟まれてしまうかもしれない。

(Paulさん)衝撃が予想される場合は膝を曲げて衝撃を吸収しよう。
足元もリギングロープが絡まないように反対側にいよう。


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・反対側になっても問題ないが、自分の方に材が落ちてくる可能性がある。
ぶら下がる状態から戻る時はランヤードをチョークして、それを頼りに戻るようにする。
チョークすると大きなチェンソー使う時も安定して使える。
ただし折り曲げる形になるのでワイヤーコアやカラビナは傷みやすい。
そうしたらまた買えばいい。道具の痛みよりも自分の身体が楽な方を選ぼう。

・フットロックをやり過ぎると腰にダメージがあると言われてるけど、スパーを悪く使うと、もっとダメージがあると思う。
便利で有効な道具だけど正しく使おう。


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・受け口に対してハーフヒッチはできるだけ下に付けた方がいいのか。
それともブロックを上げた方がいいのか。どちらが遊びが少ないのか。
ハーフヒッチの位置を変えてもロープの長さは変わらない。
ブロックを上につけるとロープが短くなる。
ハーフヒッチを下げると落下の衝撃でズレて外れる可能性もある。
ハーフヒッチは受けからなるべく離す。
ブロックはなるべく近くにするのが理想的。

グラウンドワーカーもクライマーをチェックして、クライマーもグラウンドに確認してもらうことが大切。

続く

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