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2016/02/21

スイス森林管理有識者交流会に参加してきた

去年参加した時の記事はこちらにまとめてありますので、よろしかったらどぞー。


で、今年は上級フォレスターのヴァルター・マルティさんのワークショップとなりました。
Img_8275

去年は現場でしっかりと考えるとても良いワークショップでしたが、今年はより大きな俯瞰的な立場で考えるものでした。
最初は物足りなく感じていたのですが、後からジワジワと言葉が染み込んできて、非常に深いワークショップとなりました。


では、恒例のワークショップのベタ打ちを。
大事なところが打てなかったこともあったんですが、後ほど県からまとめが出るはず。
それまで、とりあえず雰囲気だけでも伝わればいいかなと。

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森をなんとかするには道を作ること。

Img_8276
(間伐後の山を見て)恒続林をつくる場合の間伐はやりかたがある。
6mぐらいの間隔で、育成木を見つけてそのライバルを見つけてそれを伐るやり方。

もちろんそれによって光をいれて天然下種更新するわけだけど、母樹も必要。

どうなるかは、しっかりと観察してみないとわからない。

もし、架線集材でやろうすると上か下に道がないとダメ。

それぞれの林家の人が自分のためだけの道にすると、凄く長くなるし、森を痛める。

300m600mの架線で引いてこようと思うと、チェンソーなどの手作業が必要で1立米あたり3600円になる。
架線を設置してバラす。それが4200円くらい。

ヘリだと立米20000円を超えることになるでしょう。
スイスでは人件費が高いので、ヘリだと必ず赤字になる。

スイスにヘリ集材がないわけではない。
通行止めできないときなど、お金がかかってもやることはある。

架線は4人で作業します。
下で切ってトンかけする人(1)
?(2)
上では玉切りする人(3)と仕分けする人(4)

架線集材、1日で細い木で50立米くらい。
太いと80、90立米くらい切り出します。
架線集材用の機械は150日くらいでペイ。
年間10000立米くらい使わないといけない。

スイスではまず自分の担当地区を確認して、傾斜の緩い所はウインチ集材、急な所は道をいれずに架線集材というマップを作ります。

州の補助金を配る役目をしていた。
申請があると経済的に適しているか判断していた。
例えばここで500mの森があったとします。
5ヘクタールで100mの道。
つまり、ここは架線の方が補助金や道を作るコストが減る。
経済的だ。

GISのマップがあるので、これを色わけして、適切な整備をする。

1982年に始めた頃は人力で下に落としていた。
そしてどれくらいの集材コストをかけたか。
83年は1立米あたり4時間かけてた。
今は0.8時間まで落とすことができた。
つまり、コストを下げれたのは架線集材にしたから。

架線を3000m作る場合には2000mの道をつくって、それから架線を使う。

現場フォレスターと所有者が一緒になって、コストを落とせるか検討します。
Img_8278
(間伐されていない山を見て)サッカースタジアムの観客席に子供が混じっている状態だ。
(子供=抑圧されている木は)見えない。枯れてしまう。
経済的な問題だけではなくて、エコロジーの問題もある。
下層植生がない。

育成木施行は上を見ることが多い。あまり下はみないと。
例えば枯れた細い木。放置するとコストがかからない。切らなくていいから。
でも、ここはそういうわけにはいかない。細い木がたくさんある。まず最初に伐って下さい。
作業員の危険要因だから。折れたりして。

もう一つは約6m感覚で育成木をみつけて、ライバルを伐る。

例えば、これは育成木としてふさわしいけどライバルがいない。
育成木1本につき、2本くらいあるかな?
必ず2本くらい伐るということではなくて、その生育を妨げるものを伐ってやる。

最後は6m感覚で木が生えてる。
1haあたり300本になる。
1万本植えるのか。経済的な損失になるのではないか。
最後の300本で儲ける。
できるだけ途中のコストを下げてやる。そのだめにはどうしたらいいか。

密林はバイオマスの蓄積量が増える。
我々は成長量を増やしたい。価値を増やしたい。
そういうのは光が差し込む森だ
1回で160立米くらい間伐する。

お金になりそうな木に成長量を集中させてやろう。
そういう施行方法。

問題は山主がそういう施行に移行するかどうか。賛成するかどうか。

スイスでは1956?年から皆伐が禁止されている。

間伐2回目からはギャップを開ける。直径20mくらいの穴を。
haあたり2か3つ。

まず、パイロットプロジェクトとして実験してみる。
一つは何もしない。
もう一つは欲しい樹種をグループで植える。
3つ目は植えないで柵をして囲ってやる。

時間ともにどうなるかは記録として残しておく。
長い年月がかかります。
次の世代の人たちがそのノウハウを使える。
成功か失敗かにこだわる必要がない。

どこに何をしたのかわかるようにしておく。
次の世代には森だけではなくて、その書類も一緒に渡す。
これはお金はかからない。けど、貴重な財産になる。

大面積はやらないこと。ダメになった時に損害になるから。
架線集材はどこでも使えますが、パイロットプロジェクトは大面積でやらない。これが重要。

ここの所有者ならギャップを開けれないか検討する。

どちらにしても道は必要。架線にしてもウインチでも、高性能林業機械でも。

Q.労働災害を減らすためには
スイスでは林業する人の教育を進めている。
スイスでも事故はあるけど、プロの事故は減っている。
だからプロを現場にもっと入れることが大事だとわかった。
だから教育してプロを増やそうとしている。

保険をかけている。3年間事故がないと掛け金が下がっていくから、事故をなくすモチベーションになる。

事故の多いアマチュアをどうするか。
自伐でも伐採する木はフォレスターがマーキングしないといけないから、その時点で危険性を除去する。
機械化も大事。

最後にお話したいのは、スイス人がどいう経験をしたのか。
機械化?を放棄した時があった。そこからどうなったか。その経験をお話した。
私は日本のことは山のことも行政のこともわかりません。
大事なのは皆が話しあうこと。森づくり、収穫方法、教育も。
新しいことは試験的にやってみることをお勧めしたい。

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そして、ワークショップ終了後、参加者数名とお茶をすることに。
Img_8281

ここで僕は助走もつけずにいきなり暴走。

吉野林業、吉野杉はどうなってしまうのか、と。
かわかみ社中もその危機感の中でできたとは思うけど、吉野林業の中心となるせめて3村(川上、黒滝、東吉野)がもっと連携して取り組んでいくべきではないのかと。
吉野杉を「撫育」するのは僕らの世代で終わるだろう。
100年後にはどうなってしまうのか。
今ある吉野杉、高齢木をどうするのか。どう売るのか。
寺社仏閣狙い、それだけでいいのかどうか。
密植、多間伐、長伐期ではない、普通のスギヒノキが吉野でも大量に溢れてくるとき、他の産地との差別化をどうするべきなのか。


と、こんな感じで気がつけば、ピリオドの向こうまで暴走してたわけなんです。。。


でね、皆さんのお話を聞いていて、我にかえりまして。
俺はただの森林組合のイチ作業員じゃないか、と。
勘違いも甚だしい。
俺は俺のやり方があるじゃないかと。
これまで目指してたところは同じだけど、別の道を見つけてしまったというか。
やれるようにやればいいというか。


スイスフォレスターにもいろんな考え方を持った人がいるって言ってたし、本当そういうことなんだよね。
というわけで、今回の報告を終わります。

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林業(四方山話)」カテゴリの記事

コメント

吉野林業ってつかみどころが無い
というのが 最近の認識です。
それぞれ 1つのパーツで語って
しまうので、それじゃうまく機能
しないんじゃないかと思います。
これは 吉野スギにも言えること
だと思います。
いろんな役割の方をうまく調整
して、共通認識を作る人が必要だと
思うのですが、そういう人が
現場から生まれてくる仕組みが
必要なんだろうと感じてます。
おそらく実現すると ヤバい くらい
の出来杉田計画を構想してます
ので、ご協力ください。
たぶん 既成概念がひっくり返る
と思います(笑)

投稿: 祝杉 | 2016/02/22 06:16

その計画が実現したら、お「祝い」しないとな!

投稿: でき杉 | 2016/02/24 20:27

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