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2016/02/05

吉野杉って

最近、またまた取材の打診を受けているんですね。
リサーチ段階なんですが、その時にディレクターさんから聞かれたんです。
「吉野杉って何が違うんですか?」


そう、吉野の杉って一体何がどう違うのか。
僕はこう答えました。
「地質的に良質な杉が育ちやすいというももちろんだけど、一番は人が丁寧に育ててきた結果だと思います。密植、多間伐、長伐期と言って他の地域よりも苗を密に植えて、少量の間伐を何度も繰り返すことでより引き締まった材にします。そしてそれを100年、200年育て上げる。結果として柔らかい木でありながら強い木に育ちます」

簡単にまとめるとこんな感じ。
あとは、赤身が薄紅色でキレイだったり、節がなくて整った木目が美しいとかいろいろあるんだけど、そういうのも自然になったんじゃなくて、人が手を加えることでそういう杉に仕立ててるんだよね。
それも10年、20年じゃなくて、100年単位で。
これもう普通に考えてヤバイ!


そういう吉野杉なんだけど、俺はすっごい危機感を持ってて。
だっていま、密植、多間伐、長伐期なんてやってないもの。
吉野に来た18年前はそういう風にしてたけど、ここ6、7年はもう密植はしてなくて。個人的にはね。
もちろんまだ密植、多間伐している人はいるだろうけど、そもそも植林が減ってるし、間伐が遅れている山も非常に多い。


これまで500年続いてきた吉野の林業の歴史があって、その中で吉野杉というものが生まれた。
これから500年の吉野杉を考えないといけなくて。
吉野杉に対する需要が減っている今、どうしていったらいいのか。
そもそも吉野杉とは何なのか。

吉野杉は品種なのか、人為的なものなのか。
吉野の施業方法を取り入れたら吉野杉になるのか。


まあ、僕は現場で働くだけのイチ労働者だけど、やっぱりこの仕事が好きだからね。
吉野というブランドには光り輝いていてほしいんだなあ。


なんか、取材の話とは全然違うところに行ってしまった〜

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でき杉」カテゴリの記事

コメント

吉野がこれまでどうあったかという見方よりも
吉野にこうしてほしいという需要の歴史があったと思うんです。
そこのところがキモで
500年前の状況が今なのかな~って (´◉◞౪◟◉)

投稿: ’e’ | 2016/02/05 23:48

僕の伐ってる木なんかほとんどが手遅れ林の木ばかりですからね。

で、今ほとんどの森林が戦後に植林された50〜60年生の物ばかりで植林なんてほとんどされていない状態ですからね…
皆伐か更新伐してどんどん植林しないと未来に繋がらない危機的状態ですよ。
CLTとかに使うなら短伐期でどんどん更新して行く方法も有りかと思いますが、吉野の様に昔から受け継いできた林業はやはり残すべきですよ!

投稿: ゲチェナ | 2016/02/06 00:29

良いテーマですね〜‼️
商売上の虚構と言ってしまえば それまでなんでしょうけど
商標登録上 吉野郡で生産された木 ではなかっでしょうか?

投稿: 祝杉 | 2016/02/09 05:37

eさん、さすがです!
需要の歴史かー
樽丸にせよ、化粧材にせよ、本当にその通り。
今はヒノキは寺社仏閣狙いだろうけど、杉は、、、

いずれにせよ、山手の人間だけでワーワー言っててもダメですね。
ある意味面白い時代になってきたのでしょう!

投稿: でき杉 | 2016/02/09 21:59

ゲチェ、元気に登ってる?

俺たちだって作業道付けてる山はそういう山がほとんどだよ。
ヘリで出すような材を触るのは年に数回だね。

地域、それぞれの特性があっていいと思うんだけど、それを守ることすら難しくなってるというのが現状だね。。

投稿: でき杉 | 2016/02/09 22:02

祝ちゃん、おつです。
朝、はやいなー

この話題はテレビの内容とは関係ないんだけどね。。
でも、やっぱり普通の人は、「何が違うの?」って思うんだと思います!

投稿: でき杉 | 2016/02/09 22:03

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