長勝鋸と竹内快速鋸を使ってみた
このエントリーで書いた通り、長勝鋸と竹内鋸を使ってみました。
上から長勝剪定鋸(4枚抜き)、竹内快速鋸名刀、切れ味世界一。
で、どんな現場で使ったというと、僕たちの枝打ち現場。
ちょっと特殊かな。
で、まず竹内快速鋸から。
「名刀」普通に切れる。
「切れ味世界一」世界一じゃない。
世界一じゃないけど、「名刀」よりは切れる。
以上!
ていうか、特にホント言うべき事がない鋸だった。。
普通に切れるんです。
「名刀」は挽きが重いかな。ザクザク切れる。
「世界一」は少し挽きが軽くて、ザクザク切れる。
でも、「世界一」ってことはないな。。
で、長勝鋸。
ドキドキしながら、挽いてみた。
で、窓にひっかかる。
力を抜いて挽いてみた。ひっかかる。挽く。ひっかかる。
えーい、なんや!
おかしい。。
というわけで考えた。
枝が細すぎて鋸に合ってないのだ。
なので、窓のないところでシャッと挽けばいいのだ。
で、うまく挽けると、
長勝鋸は異次元の切れ味。
良く切れるっていうか、挽く感触がこれまでのどんな鋸とも違うのよ。
まったくの別物。異次元、異世界。
手に残る感触は窓の部分のカリカリカリだけ。
あとはスルッスルッ。なにこれ?
切れるスピードがべらぼうに早いっていうことじゃなくて。
切れ「味」がまったく違う。
とにかく力が要らない。力を拒否する鋸。
試しに間伐もしてみた。
断面はスベスベのツルツル。
節なんかあったのわからないくらい、なんの抵抗もなくサラサラ挽ける。
手に残るのは窓の感触のみ。
ザクザクしないから、逆に変な感じだよ。
この使用感を長津さんご本人に伝えてみた。
力を拒否する鋸の切れ味と窓がひっかかって枝を挽く事が出来ない事を。
すると、「失礼ですが、梶谷さんはまだまだ未熟だということです」と。
長津さん曰く、この剪定窓鋸を使って割り箸が挽けると。
!
悔しいので山でさっそく細い枝を挽いてみたが、やっぱり難しい。
枝打ちは枝を見上げるような状態で切って行くので、要らぬ力が入ってしまう気がする。
ただコツとしては写真のように荒皮を一緒に挽いて行くようにすると窓にかかりにくいことがわかった。
ホントはもうちょっと残枝長を短く打ちたいね。
僕のこの現場の状況を話した時に、長津さんが新開発した鋸を送ってくれたんです。
ヒシカと長勝鋸のコラボレーションッ
上が新開発のピッチを細かくした窓鋸。
これで細い枝を挽いてみてくれとのことだったので、さっそくやってみた。
でね、結論としてはやっぱり難しい。。
なんだろう、小さいから無意識に力が入ってしまうのかなあ。
窓がひっかかるんだ。
普通の剪定鋸の方がうまく挽ける。
ただね、こんな小さい鋸なのにうまく挽けたときの鋸の下がりといったらハンパないよ。
スッゲー切れる。
ワンストロークでこんなに!って。
<結論>
長勝鋸は僕の現場では枝が細くてまだうまく使いこなせない。
ただ、用途にあうと、これまでの鋸のようなザクザクとか力を入れて挽くような感触が全くない、スルスル、サラサラと鋸を挽く事ができ、それで切れて行く。
切る対象の直径は太い方が良いと思う。
「林業界よ、これがノコギリだ」って感じかな。
ただ、やっぱり誰にでもどんな風にでも使える鋸でないことは確か。
使う人を選ぶと思う。
それくらい個性の強い鋸。
長勝鋸を使ってみたい人や相談したい人はこちらから連絡を取ってみて。
「出来杉計画を見た」「梶谷さんから聞いた」と言ってもらえれば、話はすぐに通ると思うよ。
長勝鋸についての詳細は「道具と技」vol.10にも書いてあるんで、興味のある人はそっちも読んでみて。
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コメント
出来杉さん ご無沙汰しております。
長勝鋸 引っかかりますか!
私も始めはひっかかりまくりましたよ。慣れれば、使えるようになります、
細い枝でも切れますよ、林業の枝打ちで作業効率が良い悪いは別にして、
試しに枝の下側から切ってみて下さい、(樹木剪定などで、枝を裂かないために、使う技法ですが)
引っかかりがましになると思います。
先日 女性の庭師の方に長勝鋸を教えてあげると、あっさり使われていましたよ。
山いきの男性は力があるので、どうしても今までの鋸の様に力が入ってしまうようです。
これは私ども造園業でも同様です。力の弱い女性の方が取っつき易いのかもしれませんね。
でも出来杉さんならすぐに慣れると思いますので、頑張らずに、引いてみて下さい。
もう一つ私の感想は鋸を引くときのビビリが、一般的な鋸より格段に少ないですよ。
投稿: あきら | 2014/03/08 19:47
あきらさん、ありがとー
この前の長勝鋸フェス行けなくて残念でした。。
いや、長勝さんにも言われたんですよ。
「使用状の注意」まで送ってもらいました。。
でもやっぱり既存の鋸と使い方が違い過ぎて難しいです。
あきらさんもヒシカの180mm使いましたか?
僕にはこっちの方が難しいです。
小さいからどうしても力が入ってしまうんですよ。
剪定鋸は持ち手も本体も大きいから重さを利用する感覚が掴めるんだけど、180mmは軽くて力がどうしても入ってしまいますね。。
投稿: でき杉 | 2014/03/08 23:49
出来杉さん
長勝鋸フェスで会えるかと期待してましたが、残念でしたね。
極端な持ち方かもしれませんが、いっそのことグリップを握らずに
柄の付け根のあたり(刃側)を親指と人差し指で摘んで引いてみては如何ですか?
ヒシカの180mmは自前の物を以前に窓鋸に改良してもらいましたが、
今回のより目が粗い目なので、慣れるのに苦労しました。
そんな結果から今回の180mmはピッチが細かくなったようです。
私は始めはヒシカのエルフィを普通の長勝研ぎにしてもらって感動しましたが、
ひょっとすると出来杉さんの現場では、普通研ぎの方が、良いかもしれませんね、
でも慣れれば、窓鋸の方が、仕事は早いですよ。
投稿: | 2014/03/09 00:17
出来杉さん、はじめまして。
林業現場人の記事や、ブログをよく拝見させていただいております。
今回、私も長勝鋸を枝打ちで使用していたので、コメントさせていただきます。
最初は、出来杉さんと同じような感想を持ちました。異次元の切れ味(カッターナイフで紙を切るみたいな感覚で、一つ一つの刃が木の繊維を切っている)だけど、針葉樹の、特に、細い枝の枝打ちには向かないのかな?って。(窓が引っかかるから)
しかし、いやこれは、自分の使い方に問題があると、色々試しながら続けて使い続けているうちに何だか、コツが掴めてきて、枝の太さに関係なくスルスル切れるようになってきました。杉の幹から刃だけちょんちょん出ている葉だけのモノのでさえ、引きちぎる事無く、カッターで切るかのようにスパって切れます。
私が思うに、林業現場人vol.4で段木さんが記者に指示していたように「チェンソーの重みで切るのではなく、ごくわずかにチェンソーを持ち上げ気味にして切る」感覚で使ってみるのがいいのかもしれません。
軽い力であっても木に押しあてる必要はないのだと思います。なぜなら、鋸が勝手に下っていくからだと感じます。
長勝鋸は本当に「THE 刃物」だと感じますねぇ。
投稿: ike | 2014/03/09 15:11
あきらさん、ありがとー
長津さんにもコツを教えてもらって、あとは練習なんですが、なにぶんたくさんの鋸をチェックしながら使っているので、長勝鋸に習熟する所までいかないんですよ。
でも、皆さんの意見を参考に練習してみます。
投稿: でき杉 | 2014/03/11 23:41
ikeさん、初めまして。
コメントありがとうございます!
カッターのようですか!
凄いなー
僕も力の加減や使い方を試していて、うまく行くこともあるんですが、なかなかコツをつかむまでは行ってません。
うーむ、使いこなすまでに枝打ちシーズンが終わってしまうな。。
投稿: でき杉 | 2014/03/11 23:46
長勝鋸、1尺が今日届きました。
小生も使いこなせるのは、まだ先のようです。
投稿: 本多和彦 | 2021/10/13 17:53
本多さん、コツが掴めると違うみたいですけど、僕もなかなか上手くなりません。。
投稿: でき杉 | 2021/10/18 20:55