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2013/03/19

鋸のケース、鞘を比較する

枝打ちに適した鋸を比較する記事の前編後編は読んでもらえたでしょうか。


引き続いて今回はケース、鞘の比較です。

Dscn0477
左から
玉鳥Lシリーズ
サムライ チャレンジ
サムライ 一番
ゼット 剪定こま目
ヒシカ 徒長枝切り
天寿
ゴム太郎(黒、赤)
ツルギ
(西山小鋸は鞘を購入しませんでした。別買いするほどでもないから)


というわけなんですが、鋸ケースも結構メーカーによって違うもので。
まずは何から見て行こうかな。


◯入れやすさ、出しやすさ

これはやっぱり開口部が大きいものが入れやすいですね。
慣れてきたらケースの場所を意識せずともカチャッとしまえます。

この点、ゼットとヒシカは開口部が普通に鋸の厚みしかないので、どうしてもしまいにくいです。

ただ、しまいやすいものはゴミも入りやすいんです。
特に枝打ち作業は木皮や枯葉、木屑などが入りやすいんですよね。
Dscn0478
となると、この写真ではサムライの一番がちょっと工夫されてますね。
ちなみにチャレンジにこの窓はついてません。どうして?

玉鳥のLシリーズの窓(隙間)の意味はわかりません。
ゴミも抜けないし、換気かな!


Dscn0480
下から見ると、ツルギが秀逸ですね。
パイプ形状なのでゴミがそのまま抜けてくれます。

玉鳥はまずまずでしょうか。

ゼット、ヒシカ、天寿は入り口が狭いから、出口が狭くてもそれほど強く言えないな。

サムライの一番は底からゴミが抜けるとは思えないスリットだけど、横の窓で救われてるか。
チャレンジは厳しい。
このサイズはゴミ抜きじゃなくて水抜きだな。

そして、シルキーのゴム太郎シリーズもな〜
玉鳥やチャンレジみたいにせめて底は全開にすればいいのに。
なんでくり抜いてあるんだろう。
というわけで、僕はシルキーの鋸を購入したら真っ先にこうします。
Dscn0234
ゴム太郎もズバットも、スゴイもすべてケースの底をカットしてます。


メーカー各社、もっとゴミが抜けるようにできると思うのですが、いかがでしょうか。
一番の窓だってそのまま下まで切っていても問題ないと思うけど。
刃が危ないなら「背」側の窓をしっかりあけるとか。
誰もが同じ向きで鋸をしまうとは限らないけど。


んで、出しやすさなんだけど、これはどの鋸も特に問題ないかな。
Dscn0260
ただ、これは左からシルキーズバット、サムライシリーズ、ゴム太郎なんだけど、ゴム太郎だけケースの動く「方向」が違うでしょ。
言ってる意味わかるかなあ。

これがね、鋸を取り出すときに、
Dscn0276_2
こうやってケースが鋸の引き上げについて来てしまうことがあるんだよね。
ま、こうなっても鋸をカチャカチャ揺すれば出せるんだけど。


◯ケースから鋸が落ちないか

腰鋸はよく落としたな〜(遠い目)
というわけで、いつのまにかなくなっているのが鋸なんですが、そのあたりメーカーもしっかり対策を練ってくれています!


これはね、ゴム太郎2段切りがいい。
普通にカチャッとしまうだけで、もう大丈夫ですから。

でもね、ゴム太郎細目は前編に書いた通りグリップが小さいから止まらずに落ちちゃうんですよ。
ゴム太郎はケースが共通だから、こういうことになるみたい。

玉鳥Lシリーズとサムライシリーズはちょっと押し込まないと止まってくれない。

ツルギはグイっと押し込まないと止まってくれない。

ゼットの剪定こま目と天寿は、止まる気配すらない。
そりゃボタンで鋸を止めるようになってるけど、正直、いちいち誰も止めないでしょ。
(止めている人がいたらゴメンナサイ)
Dscn0466_2
なので、僕は青矢印のようにテープを張って厚みを作り、微妙にひっかかるように
しています。
これでスコスコ状態が改善されます。


で、最後にヒシカなんだけど、これにはほんとビックリした!
Dscn0431
青矢印部分がえぐれていて、

Dscn0433
うまいことハマるようになってる

Dscn0435
で、落ちないと。
これは(*^ー゚)bグッジョブ!!


◯ベルトに通す部分について

これは一番工夫されていると思ったのは玉鳥のLシリーズかな。
Dscn0349
穴、ひっかけ、通すという3通りいけるわけで、これ以上ないという感じ。

Dscn0231
シルキーのゴム太郎も面白い。
これは肉抜きなのかな。
穴も使えるし、ベルトに通せるし、なかなか良いと思う。


ヒシカ、ゼット、天寿はベルトに通す部分は合成皮革のようで弱そうです。
すぐにビニテなどでの補強が必要になりそう。


最後にケースについてざっと眺めてみると、やはりシルキー、サムライ、玉鳥がおおむね、考えられたケースを作っているように思いました。
加えて、ヒシカも意外(失礼!)にケースにもしっかり配慮していて好感が持てました。


あと、シルキーのことしか知らないんだけど、ケースが少しずつ進化しているんですよね。
ゴム太郎の穴だったり、ツルギは近未来的デザインの中に刃を傷つけないよう工夫してあるし、N-1にはエントリーしてないけどスゴイも僕が持っている3年前のものと今のケースは微妙に違います。
考えてみたら2段切りの赤いケースも斬新です。
その分、ケースの底穴が狭いのは改善して欲しいですね。


では、最後の最後に番外編としてお手入れについて。

目立てはまたいずれ考えるとして、やっぱりヤニ。

Dscn0395
こんなのはヤニがついてるうちに入りませんが。

このヤニをとるのは、やっぱり基本はガソリンですかね。
でも、こびりついているヤツはなかなかとれないんですよ。

僕は現場ではヨキを研ぐ砥石があるので、それでとってます。
Dscn0547
砥石だと、刃にこびりついたヤニがとれないのが問題。


で、帰宅後、
Dscn0398 Dscn0400
ヤニクリーンはほんと凄くて、ガチガチにこびりついていても、泡が消えるまで5分程度放置してから拭き取ればきれいになります。
Dscn0402


んで、きれいになった鋸には仕上げのおまじない。
Dscn0403_2
適当なシリコンスプレーを吹いておきます。
これでスベスベ、切れ味が上がったような気分になります!

おしまい!!

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林業(枝打、ノコギリ)」カテゴリの記事

コメント

出来杉さん今晩は。
以前N-1グランプリで書き込みさせていただいた あきら です。
とても興味深く拝見しております。
今回の鞘(ケース)面白いですね。
ヒシカに限ってですが、良くできているのですが、いかんせん雨に弱いのが欠点です。
雨に濡れると、鞘が割れてきますし、濡れた鞘が乾いてくると反りが出てきて、鋸が抜けない、もしくは鋸がしまえなくなる事が良くあります。
ここはメーカーさんにも改善をお願いしているのですが、鞘の制作は別会社のようなので、なかなか直りませんね。

後、ヤニ取りは、私はマジックリンの泡スプレーで取ってますよ。
ヤニクリーンより安いので、ガンガン使えます。

投稿: | 2013/03/19 23:45

お久しぶりです

僕は腰鋸にゴム太郎の根切り240を使ってるんですが、鞘のゴミ詰まりに悩んでました。
特に冬は中で凍ってしまうんですよ(T_T)

鞘の底をカット!

その手があったかぁー

流石、でき杉さん!

投稿: ゲチェナ | 2013/03/20 18:44

出来杉さんこんにちは初めてのコメントさせていただきます
私は以前手鋸、ビーバー丸鋸、リモコンロボットを使ってえだうちをしていました。
このところ枝打ち時期の林がないで休止中です。
さて先日セイレイの枝打ちロボット「えだうちやまびこ」のメンテナンスを兼ねて映像も撮り直しました。
参考にあるいは話のタネにご覧ください。
http://youtu.be/eZdZTOxiR6s

投稿: 板倉 | 2013/03/20 22:31

でき杉さん、おはようございます。
このN-1グランプリのおかげでいろんな鋸の事が分かって非常に参考になりました。
それと枝打ちという林業の仕事もどんな感じか分かりましたよ。
番外編ででてきたスゴイはやっぱりすごかったんですね、。僕も物置に眠らせておかないで使ってみようかなとすこし思ってます。

以前、鞘に磁石が付いていて鋸が落ちなくなってるのをホームセンターで見かけたんですが、鋸が磁気化して砂鉄が付いてダメだったのか、、分かりませんがなくなってしまいました。気になる仕組みではあります。

投稿: よし | 2013/03/21 07:03

久しぶりの超大作!これぞ出来杉計画ですね。
とても参考になりました。やってみたくてもなかなできないことです。おかげで僕もあらためてノコギリについていろいろ考えてみるいい機会となりました。ありがとうございます!

投稿: オバタ | 2013/03/21 22:33

あきらさん、コメントありがとうございます。

>いかんせん雨に弱いのが欠点です。

ヒシカというか木で作ってある鞘は、こういうことがありますね。

個人的には木の鞘は補修ができるというか、接着剤で止めたりテープや針金を巻く、また削ったりしてどうにかこうにか使うのが苦にならないのでそうしてます。
こうするうちに愛着がわくんですよね。


>マジックリンの泡スプレー

これは知らなかった!
ヤニクリーンの在庫がなくなったら試してみます。
マジックリンてロングセラーだけあって万能ですね

投稿: でき杉 | 2013/03/23 21:01

ゲチェナくん、どうもです!

ゴム太郎根切りいいよね。
僕も持ってます。

鞘の底を切ったら多少マシだけど、解決するわけじゃないから、メーカーにがんばってほしいですね。
シルキーさんならやってくれるでしょう!

投稿: でき杉 | 2013/03/23 21:03

板倉さん、情報ありがとうございます。

こちらではロボットはヒノキにはあまり使わないんです。
滑りやすいし、枝の粘りでうまく打てないことがあるんで。

このロボットを知らない人にとってはとても良い動画だと思います!

投稿: でき杉 | 2013/03/23 21:05

よしさん、どうもです!

僕もいろんな鋸を使ってきたけど、一度に比べたことはなかったから、ホント勉強になったよ。

スゴイはやっぱり適所に使うと凄いよ。
こまめに目立てする必要があるけど、ばっちりキマルとほんと切れる。
ま、これはどの鋸も同じだけど、やっぱりカーブソーはいいね。


>鞘に磁石が付いていて

これまでこういう所を注意して見てなかったんで、これからはいろんなメーカーの工夫をチェックしようと思います!

投稿: でき杉 | 2013/03/23 21:10

オバタさん、ありがと〜

いや、でもね、このあとにもとんでもないヤツが控えてるんで、待っててください。

僕の一ヶ月の給料すべてつぎ込んでますんで。。

投稿: でき杉 | 2013/03/23 21:12

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