チェーンソー伐木の極意
今年最後のブログ更新です。
本の紹介なんですが、一年の最後にこの本を紹介できてとても良かったです。
まったく凄い人がいたものです。
いや、正直最初は「ハスクのインストラクターなのかな?」ぐらいの。
ガンマークを使っての伐倒写真を見たので、北欧式の伐倒ってヤツを解説しているのだな、と。
甘い。オレ、甘いよ。
表紙はちょっとインパクト強いけど、中身は別の意味で衝撃です。
すばらしい。
全林協のサイトから内容を引用すると
著者・小田桐久一郎氏(林材業安全技能師範)は、昭和56(1981)年から現在まで、林業で働くプロ育成のための研修に講師として関わってきました。本書は、著者がこれまで30数年間の講師として実践してきた教えをまとめたものです。
長年の指導のエッセンス、チェーンソー上達のコツ、安全で効率的な伐木造材チェーンソーワークの技、伐木造材の技術の磨き方、実践的な安全対策、安全作業への思いなど、著者の伐木技術への熱い思いを伝えています。また、人材教育、経営者教育を通じて強く結びついた教え子たちとの技術交流(グリーンマイスター協議会)、世界伐木チャンピオンシップへの出場など、現場で働くチェーンソーマンへの著者の熱い思いを伝えています。
これからチェーンソー作業を始めようとする皆さんの技術上達にはもちろんのこと、現場作業の指導的な立場にいらっしゃる方や、長く業界に関わっている皆さんにも、きっと著者の言葉が響いてくるはずです。
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えーと、私事から言うとですね、最近、自分の伐木に対してきちんと見直す必要があると思ってまして。
これまでの10年以上の経験でだいたい木を伐れるようになってきた、と。
でも、全然基礎がない状態で、自分の勉強だけでここまで来たような感触があって、これではいけないと去年くらいからモンモンとしていたわけです。
そこにこの本はバキッと突っ込んできましたね。
「生まれた時から一緒に育ってきた木が伐られようとしたとき、残された木が<まだ行かないで>って掴むかもしれない。倒れる木も、<私まだ倒れたくない>って掴むかもしれない。それが、かかり木なんですよ」
「あんたの練習のために、伐られちゃったよ。お礼を言った方がいいんじゃない」
「木は切り倒すもんじゃなくて、寝てもらうもんだからね。静かに寝かせてよね。彼らに気づかれないように静かに寝てもらう」
「木は切り倒すという感覚のものではないです。静かに寝てもらうもの」
「チェーンソーが切るんじゃなくて、人が切るんだからね」
「チェーンソーマンは森林整備のデザイナー」
「木は最後は折るもんなんですよ。どこを折るかというとツルを折るんですよ」
「ツルがどうだとか、受け口の角度がどうだとかって話し方で持って行くと、その話は分かっているよと思われてしまう。それじゃ、ダメなんだよね。<折るもの>と、言葉を換えるだけで新鮮」
「同じミスを繰り返す内に、ミスだと感じなくなって、仕事の仕方として常にミスを一つくらい持って歩いていても大丈夫というようなやり方になります」
「一つのミスが、たくさんの人の命に関わるから。相手にケガをさせるかもしれない。場合によっては、殺しちゃうかもしれない」
いかがでしょうか。
技術的な「この角度はどれくらいで、ここは水平に・・・」とかそういう事が書いてある本ではありません。
そういうのは以前紹介した「ジェフ本」や「石垣本」で良いと思います。
この本に書いてあるのは、心得というかチェンソーを扱う上で、当然最初に肝に銘じておくべき事です。
ここには「本物」にしか書けない言葉があります。
この著者の講義を受けてみたい、心からそう思いますね。
年末、お世話になったチェンソーの掃除でもしようかな。
「私は、講習会の時、いつもピカピカの状態で持って行くんです。たとえ前日、夜遅くなってても、必ずピッカピカにします。汚くしたままでいるのもミスなんですよね」
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コメント
生まれた時から〜のくだりを読んで僕は不覚にも泣いてしまいました。それ位畏怖の念や慈しみをもって、祖先の植え育ててくれた檜をこれからは一本一本丁寧に間伐して行きたいと思いました。
家の祖父さんの詠んだ「間引く木に 辛がんなよと 言い聞かせ 幹を摩りて 斧入れにけり」が僕の教訓です。
投稿: おくやま | 2012/12/31 13:04
“ツルを折る”っていうのは解っている様で忘れがちなんですよね~、受け口の下切りが水平でなくとも追い口が水平でなくとも“ツルを折る”っていう感覚を持っていると必然的に木はそっちに倒れるんですよね!ボクは師匠の仕事を見てそれを学びました。あとそれぞれの木の繊維の特性を学ぶのも必須ですよねっ!
ともあれ来年も宜しくお願い致しますっ!
投稿: 林 | 2012/12/31 22:14
あけましておめでとうございます
大晦日に僕もチェーンソーの掃除しました。
でも、細かい所まで掃除出来ないんですよね
コンプレッサーを購入しないとね
仕事の技術=心得みたいな所もあるんですかね?
仕事が出来る人は道具の手入れもきちんとしている気がします。
ミスが日常的になるって事も良くわかりますね
新しい年を迎えた事だし、心機一転仕事に励みたいと思います。
投稿: ゲチェナ | 2013/01/01 17:16
おくやまさん、素晴らしい教訓をお持ちですね。
僕もIターンしてきた当初はこういう気持ちを持っていたはずなんですが、最近はただただ木を伐ることばかりで。
この本の一番最初にこういうことが書いてあるのはわざとだと思うんですよね。
本当に素晴らしい本、素晴らしい著者だと思います。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
投稿: でき杉 | 2013/01/04 18:38
林さん、僕はツルを折るなんて考えた事もなかったです。
こういう見方をした事がなかったので、これからはこういう視点でも伐倒をもう一度考えてみようと思います。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
投稿: でき杉 | 2013/01/04 18:40
ゲチェナくん、あけましておめでとう!
コンプレッサーは捗るよ!
1万5000円くらいのだとちょっとうるさいけど、それでも十分だよね。
アレで本気を出せば、すぐに買えるでしょ。
今年もよろしくね!
投稿: でき杉 | 2013/01/04 18:43
読んで頂きましてありがとうございます。
たくさんの方からありがたいコメントを頂きまして
とても感謝です。
森林(もり)を愛する気持ち、道具を大切にすること、準備は周到に、自然と一体になって仕事が出来ることへの感謝など、これからも持ち続けて参りたいと思っております。これからもよろしくお願いします。
投稿: 小田桐 | 2013/01/10 13:46
いや、まさかのご本人のコメントにたいへん驚いております。
まずはこのような大変素晴らしい本を上梓して頂けた事にお礼を申し上げたいです。
本当にありがとうございました。
チェンソーがなければ20センチの木でも倒すのに難儀するのに、すっかり林業ボケしていた僕の頭にボカンとゲンコツをくらったようでした。
これからも折に触れて読み返したいと思います。
投稿: でき杉 | 2013/01/10 22:34
遅くなりましたが、
ご無沙汰しています。今年もよろしくお願いいたします。
タイミングと時間をみて(読み切ってから)でき杉さん
リンク了解をとってブログ更新しようかとと思っていま
したが。。。遅くなってお恥ずかしい次第です。
是非こちら経由でご案内させてくださいね。
投稿: 青い森の菅岡 | 2013/01/12 07:19
菅岡さん、コメントありがとうございます。
僕も積ん読状態の本を引っ張りだしては読み進めている状況ですよ。
とにかく小田桐さんの本は素晴らしいので、多くの人に読んでもらいたいと思ってます!
投稿: でき杉 | 2013/01/14 15:50