リッピングチェンで挽いてみた
今日のNHKの「カラフル」という番組「一人でもさびしくない」は過疎の村の親の立場としては、とても複雑だったわ。
んで、最近は物置小屋作りのための柱をチェンソーで挽きまくっているんですが、このあたりは先日記事にしました。
→チェンソーで製材してみた(1)、(2)
で、今回は治具の話題ではなくて、チェンソーのカッターの話。
オレゴン325ピッチの縦挽き用チェンとして95Rというのがあるんですが、95VPXを持っているのでコイツを自作。
ネットで調べた限りだとソーチェン自体は同じ物で上刃目立て角とデプスゲージが異なるだけのようなので自作可能と判断しました。
上刃目立て角を10度ぐらいにするのですが、さすがにヤスリでやるのはしんどいのでグラインダを使います。
あっという間に完成。上刃目立て角10度、上刃切削角55度。
横から見たら「R」にしてもあんまり変わらない。
で、このままだとカッタに微妙なばらつきがあるので丸ヤスリで整えて、デプスゲージもリッピング用に調整(通常よりもゲージを低くする)。
さっそく杉丸太を挽いてみる。
挽いた感触は正直、通常の目立てと変わらない。
良く切れるわけでもなく、切れ味が悪い訳でもない。
振動が抑えられる訳でもなかった。
ちなみにリッピング仕様でも丸太の玉切りはそれほど違和感なくできました。
切れ味が良いとはさすがにいえない。
リッピングの方がきれいに見えないこともないか。
そもそもリッピングチェンというのは木繊維に沿って切って行くために、上刃目立て角を10度ぐらいにして横刃の役割を弱くして、上刃の面積を小さくし効率よくカットするためのものと捕らえているんだけど、杉を60ccほどのチェンソーで挽く分にはわざわざリッピングにする利点はあまり見えないというのが正直なところ。
ま、もうちょっと自作の「タイプR」を使ってみて気づいた事があれば、このエントリに追加して行きますね。
余談(1)
オレゴンてアメリカだけで作ってるのかと思ってたらカナダもあるのね。
余談(2)
出来杉「タイプR95」を試しで使ってみたいという人がいましたら1コマ30円で作ります。(送料別)
来月6月中はネットをお休みしますので、5月中か7月以降にメールください。
| 固定リンク
「林業(チェンソー)」カテゴリの記事
- 令和6年度林業技能検定試験の合格率(2025.05.20)
- ハスクバーナもついにインジェクションチェーンソー登場!564XP(2025.05.06)
- 「林業技能検定試験」結果発表(2025.04.11)
- 林業技能検定試験の日程が発表されたぞ(2025.04.03)
- 伐木作業の実践マニュアル 公開されました!(2025.03.24)
コメント
吉野林業立身出世パターンというのを
ご存じか?
はじめ、どこかの次男坊として生まれ
ヤマイキになり、資金と人脈をつくり
4tトラックを買って運送の仕事もする
ようになる。原木だけではなく製材品
まで配送を任されるようになり、製材
品の配達先まで顔が利くようになる。
なんだかんだしているうちに山にはい
いかずに木材市場に顔を出しているだ
けで儲かるようになる。
なんて話しを市場にいたどっかの社長
から聞いたのですが
出来杉さんはすでに製材業にまで出世
ですねぇ〜(笑)
投稿: 祝い杉 | 2012/05/26 10:02
初めまして。いつも楽しく拝見いたしております。
縦挽き用の刃は木の断面から切るというよりは木の
側面から縦挽きするときのものだと思います。長い木クズが出る方向です。
クズ掃けが良くなると聞きました。
間違ってたらスミマセン。
投稿: RYO | 2012/05/26 18:00
上刃目立て角が10°というのは、製材だけではなく普通の使い方をするでも問題は無いのだと思います。
リッピングチェーンがそうなっているのは、刃が左右に振れるのを少なくする目的でそういう設定にしているのかもしれません。
今度は横刃目立て角を鋭角にしてみてはどうでしょうか?
横引きの場合は、たいした効果はないだろうな、とは思いますが、ちょっと試してみたい気はします。
それと、長時間切削し続けるので、私は今度上刃目立て角を鈍角にして試してみたいと思います。(ちょっと今のところ切削スピードが上がる見込みがないので、刃の持ちを良くしたいかな? と思います。笑)
投稿: 千田 | 2012/05/26 20:50
縦引きなのか、横引きなのか言葉が気になってちょっと調べました。
日本語には木の板を引く時の用語しか無いようなので、リッピングをそのまま訳して、「挽き割り」が良いのかもしれません。
投稿: 千田 | 2012/05/27 09:15
祝い杉くん、ども〜
出来杉計画のキャッチフレーズは「川上から川下まで杉づくし」だからね〜
ま、小笠原に行ったらアカギを倍プッシュなんだけど。。
投稿: でき杉 | 2012/05/29 08:52
RYOさん、初めまして。
確かにそうですよね。
僕も写真ではやってないけれど、カッタの後ろを落としてより鋸屑が抜けやすいようにしています。
リッピングの特徴としては木口からでも長い繊維がでる方向からでもカッターの当り方が異なるだけで結局同じことだと思います。
今度、長い繊維が出るようにカットして普通のチェンと比較してみますね!
投稿: でき杉 | 2012/05/29 08:56
千田さん、おはようございます!
確かに「挽き割り」の方が分かりやすいかも。
一般的と思われる縦挽きとしたのですが、次からは挽き割りも併用します。
>今度は横刃目立て角を鋭角にしてみてはどうでしょうか?
ということは丸ヤスリの径を小さくしたらいいのかな。
イメージではひっかかりが大きくなって振動しそうだけど、挽いてみたら全然違うこともありますからね。
今のチェンが小さくなったらやってみようかな。
投稿: でき杉 | 2012/05/29 09:00
丸ヤスリで、横刃目立て角を鋭角にするにはヤスリの経を大きくすればできますが、グーフィーで手元を下げないで、真横に研げばもっと鋭角(上刃切削角と同じ)になります。
昨日は、4.5mの丸太を半割にしてみました。
治具は、改良をしていますが、そこそこ良いところに行きそうです。
HPにupしてありますので、覗いて見て下さい。
投稿: 千田 | 2012/05/30 22:46
千田様の自作製材機を拝見
いい出来で関心しました。
特にバーの先端を固定しているところ
ぶれなくきれいに挽けるでしょう
こちらも単管でやってます。
以前は垂木でしたが、たわんでしまったので
ただ金属同士が擦れる音が耳障りです。
投稿: 木枯らし菊太郎 | 2012/05/31 05:29
千田さん、こんばんは〜
横刃目立て角は僕と千田さんの考えている箇所が違うのかな??
グーフィも僕の中では手元の上げ下げは関係ないはずなんです。
手元を変えても面は平行なので。
もちろんグーフィで狙う支点は変えないです。
ホームページ見ました!
どんどん進化しているのが凄いですが、何にびっくりしたかというと576xpの燃費の悪さ。。。
357xpなら40cmの4mでガス欠ということはないです。
まあ排気量の違いを考えても新型エンジンですし、もうちょっとがんばってほしいですね。
森林組合に576xpがあるので、今度使ってみようかな。
投稿: でき杉 | 2012/06/01 20:36
木枯らし菊太郎さん、横レスですが、僕の周りでも治具を使って挽く人が増えてきました!
こうして少しずつでも材の利用が増えていってほしいと思います。
投稿: でき杉 | 2012/06/01 20:38
先程、本永さんに「横刃目立て角ってどこ?」みたいなコラムを書かせて欲しいと言っていた所です。(笑)
yamaさんじゃないけど、解ったようで解らない所が結構あります。(yamaさん、元気ですか?)
たぶん、言葉が先で物の認識と一致しないんでしょうね。
横刃目立て角は、出来杉さんの認識とは違っているのかもしれません。(言葉で説明するのは、大変です...苦笑い)
それと、製材での576XPの燃費の話は、また別だと思います。
今日も、改造した治具で昨日の残りの 2m、35cm幅の杉の木を挽きに行きました。
半分の1mまでは順調にいったのですが、その後は全く進まなくなりました。
結局、刃がダメになったので、あきらめて帰って来て刃先を見たら先端が潰れていました。
たぶん、木の中の硬い節に当たって潰れたのだと思います。
製材は、普通の横引きや縦引きによる切り方とはとは違う要素があるように感じるので、単純には比較できないと思います。(でも、排気量が73ccもあるからなぁ~! 笑)
投稿: 千田 | 2012/06/01 21:54
千田さん、こんばんは〜
確かに挽いているといつの間にか刃先がダメになっている事があります。
負荷がかかっているんだな〜、って思ってました。
それにしても73ccとはウラヤマシイ。
あと、千田さんの目立て連載読みたいので、いろんな角度から書いてくださいね!
投稿: でき杉 | 2012/06/03 22:39
やっぱり、目立てですか!(苦笑い)
それは、本永さんとのバトルが終わってからにして下さい。(笑)
個別には、「ここがこうなったら、こうなる!」みたいなのは即座に回答できるのですが、「体系的にどうなの?」は、自分の頭の中で整理できていません。
原稿を書きながら整理したいと思います、。(苦笑い)
投稿: 千田 | 2012/06/05 20:57
僕も秋に目立て講師を依頼されているので、そのときに使うテキストをシンプルにまとめようと思ってネタを集めているのですが、いかんせん遅筆、というか移り気なためなかなか進んでいません。
僕も書きながら整理して行こうかな〜
投稿: でき杉 | 2012/06/05 23:24
はじめまして、ソーミルの製材レポート大変参考になりました。
ソーミルをずっと買うかどうか迷っていたのですが、おかげでソーミルを買い製材して主に現在は趣味で広葉樹を製材しています。
自分は宮城県で山の方暮らしております。
ブログで勉強させてもらっております。ありがとうございます。
投稿: 山口 仙台 | 2013/01/24 22:35
山口さん、はじめまして。
ソーミルいいですよね。
僕も目的の小屋づくりを終えたのに、今度は板塀を作ろうと思っています。
安全作業で楽しんで行きましょう!
投稿: でき杉 | 2013/01/25 06:50
ご無沙汰しております。
こちらは、雪のため作業が中断中です。(笑)
ところで、自分で作れる製材機の簡単な図面をアップしてみました。
費用は、数千円程度で作れます。
http://chidaten.web.fc2.com/maki/chanesaw/seizai/kaniseizaiki.html
ちょっと、覗いて見て下さい。(笑)
投稿: 千田 | 2013/01/28 14:18
千田さん、ご無沙汰しております。
今年は(も?)雪が多いようですね。
ぼくもすっかり引きこもりです。。
製材機見ましたよ。
図面も確認しました。
さすがは千田さんだと改めて思いました。
僕は板に挽きまくっていたら安物ガイドバーが歪んでしまったので、次はしっかりしたものを買わないと。
チェンソーの重みや縦挽きの負荷、いろいろ原因があったようです。
投稿: でき杉 | 2013/01/28 22:59
実演会もやってみましたので、ご覧下さい。
http://blogs.yahoo.co.jp/chidaten/62299286.html
はたして、どのくらいの人が挑戦してくれるかわかりませんが、色々と試行錯誤してもらえれば良いと思います。
投稿: 千田 | 2013/01/29 20:39
ブログのコメント欄に「現代農業他で」とありましたね。
これは本当に「現代農業」や「新知識」で紹介されたら反響を呼ぶかもしれません!
投稿: でき杉 | 2013/01/29 23:50