フンボルトフェイスカット、フンボルトノッチ
伐倒、伐採の受け口についてまとめた文章を書いてるんですが、これが書き始めたら思いのほか話題が広がってしまいかえってまとまらず。
なので、とりあえずフンボルトフェイスカットについて書いてみようかと。
フンボルトっていうのはこういうやつね。
逆さ受け口っていうのかな?
普段現場で日常的に使っている人っているのかな?
僕はほとんど使わないんだけど。
足場の関係で通常の受けが作りづらいときにフンボルトにするのが一番多いかな。
アメリカ(西海岸)、カナダでよく用いられる受け口のようです。
主に大径木や急な斜面で使う受け口と説明されています。
これの利点として挙げられているのが、
◯大径木の場合、受け口の破片の除去が大き過ぎて困難なため、フンボルトにすると受け口から落ちやすい
◯材が少し長く取れる
◯木が倒れる過程で地面に落ちるため、勢いを一度殺す事になり幹の破損を防ぎやすくなる。
以上、ざっと挙げるとこんな感じでしょうか。
他にも利点や逆に欠点などがあれば教えてください。
俺はいつもフンボルトを使ってるよ、という人がいると思うんだけどな〜
また、追い口の高さは通常の受け口と同じように水平線よりも少し高くします。
オープンフェイスでも僕は少し高くしてて。
受け口の種類に関係なく、伐倒後も木が切り株に乗ったまま(乗りそうな)の時に支えになるようにするためです。
跳ね返りを防いだりとか。
というか、もう手クセで高くしちゃうんだけど。
もちろん追いの段差が木に悪さをするようであれば、同じ高さにする事もあります。
たとえば、横倒しで、木が回って落ちていくようなとき段差にひっかかって材が割れたりしそうな時とか。
まあ、追いの高さはここではいいか。
受け口の使い分けなんかについてまとめたときに触れてみたいと思います。
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コメント
状況によって使います。
急斜面の上方伐倒で切り株の上に材をとどめておきたい時、フリーフォールのトップカットで飛ばし気味に落としたい時などですね。
受け口が閉じてツルが破断する瞬間、ベクトルが材の先端に向かうので、少しですが飛ばし効果があります。
上方伐倒は斜め切りを斜面にあわせて、ツルが破断しないようにします。そのまま枝を払ってからツルを切り離すまたはツルの上で玉切っておくと、集材するまで切り株の上にイイコで居ます。
投稿: だん | 2012/01/26 22:43
The Fundamentals of General Tree Work (G.F.Beranek)
P278 に解説がありますね
"Its because the negative slope of the cut greatly improves the tendency of the butt of the tree to slip off the stump during the tree's fall,particularly when the tree is felled to the sidehill or downhill. "
そして
"On uphill lays, the Humboldt provides more stump shot to hold a tree from shooting back." (shot: 千切れ部)
後半の解説がダンさんのコメントに符合するみたいですね。
投稿: 木挽屋次郎 | 2012/01/27 22:34
をっと失礼、ダンさんのコメントの前半部のトップカットでの利用、気がついてなかったです。
確かに位置エネルギーの効果的な利用って面が期待できそうです。 今度の白樫除伐で使って勉強してみよう~♪
投稿: 木挽屋次郎 | 2012/01/27 22:46
だんさん、ありがと〜
上方伐倒の際は、より「下駄を履かす」ことで「イイコ」にさせてました。
今度フンボルトも試してみよう!
投稿: でき杉 | 2012/01/29 21:42
木挽屋さんもありがとうございます。
や〜、やっぱりベラネク氏は抜け目ないですね。
ワーキングクライマーでも(2かな?)やたらフンボルトを使っていて、これはその方が受けを作りやすいからだと理解してたんですが、もしかしたらだんさんのいうような意味も含まれているかもしれないですね。
英語が聞き取れないからなんともわからないのですが。。。
投稿: でき杉 | 2012/01/29 21:44