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2011/01/16

速水林業に行ってきた

なんてたって、初速水である。
この世界に入ってからずっと憧れてきた。
テレビの特集番組は今も保存してある。
ま、「美味しんぼ」は読み逃したけど。


まずはその速水林業の森を。
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上木は100年生で下木は9年生とのこと。
「100年生を伐るときに下の木を痛めるのではないか」との質問には、「気にすんな。目的を間違えてはいけない」との答えでした。
Img_0147 100年生の森。空が適度に見えます
Img_0152 上の写真の下はこんな感じ。


基本、100年生近い山はすべてのこんな感じの下層状態でした。
正直、現場作業員目線だと、「こんだけ生え込んでると、仕事しづらいな」と思い、速水さんに尋ねてみると「間伐の調査の時はこのまま、実際に伐る時はその周りだけを植生を伐る」とのことでした。

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広葉樹(カシ)の植林もしてありました。
他にもミズナラもありましたね。


次に、では速水林業はどんな材なのかというと。
スギ
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ヒノキ
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Img_0163 FSCの印が入ってる物もありました
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これはヤバイ。
速水さんが売りたくないと言っていたのがよくわかる。


材を見て思ったのは、吉野と比べて特に変わりはない、と。
ただ、その連携のとれた売り方というかマネジメントというか、それが優れていると。
吉野というか僕の周りだと、個人事業主さんたちがそれぞれ優れたやり方をしているんだけど、それが単発で終わっている感じで。
速水林業は優れたシステムを持っているという感じですね。


もちろんそのシステムと言うのは、人に支えられているわけで、速水林業の売り上げを左右する造材師、西村さんのお話と仕事っぷりを見せてもらいました。
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西村さん、とんでもない人でした。
自分の仕事に対する強いこだわりがあるのですが、それはわがままじゃなくて会社のためなんです。
速水社長の目の前で「親方に言われた通りにしていたら、進歩はない」と言い切ってました。

<造材前の心がけ>
「自分で山を見に行く」
「お客さんに声かけをして、注文を取る」

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リフトで材を移動させますが、その時も一本づつ移動させます。
リフトでいっぺんにすくうことはできるのですが、落としてしまったり、下ろしたときに傷がついたりといったリスクをなくすためです。
また、材を移動設置させる時も、ただやるだけではなく、わざと転がしたりして丸太に傷がないかチェックしながら行います。


実際の造材です。
西村さんは、注文材や市場がどんな材を欲しているか、また土場にある丸太がどれくらいの価値があるかすべて把握しているので、それにそって木取りをしていきます。

<造材の心がけ>
「高く売れる造材をする」
「お客様に損をさせない造材をする」

使用チェンソーは
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357XP、チェンは91VXL、バーは18インチスプロケットノーズ。
オイルはおそらくヤナセの「トリプルE」(オレゴンだったらごめんなさい)。
わざわざスチールのバーにしているのは050、3/8の18インチが簡単に手に入ったのがスチールだったのかな、と。
加工はちょっと面倒だと思うのですが、推測です。
91VXLには理由があって木口面がきれいになるからだそうです。
一発で磨いたように仕上げるのが、西村さんのこだわりです。

木口をきれいに、短時間で一発で仕上げるように考えてこの切り方になったそうです。
教科書的なガイドバー上側で丸太の下を切ることはしませんでした。
「チェンソーの先がどこを切っているか、1ミリ単位で分かる」
「バーが挟まれることはない。それには目立てが大事」

とにかく目立ての重要性を説いてました。
とにかく目立て、目立て、目立て。
目立ての際は、ハスクのヤスリホルダー(ローラータイプ)を使っているようでした。


造材を見学した後は、苗畑を見に行きます。

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挿し木苗です。

セラミック筒を使った物やホースを使ったものなど工夫をしていました。
苗は一日500本植え。
最終的には一日1000本植えを考えているそうです。

速水林業も経営的には大変ということでしたが、やはり会社としてのブレがなくて、従業員さんもそれがよく分かってるんですね。

やっぱり速水林業は凄かった。

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林業(四方山話)」カテゴリの記事

コメント

 Wa~!何だか責任の重さと申しますか、切る(伐る)のに緊張してしまいそうな良い木ですね。

ズル剥けになるから、尺取り玉切り機械はお使いにならないんですね。それで機械君に負けないような、直角&平滑な鋸断面にチャレンジし続け、玉切りの達人になられたというわけですね。
お客さんは喜びますよ、買う側も売る側も・・・って売主は山主だから、速水さんですか?
じゃぁ「親方に言われた通りにしていたら、進歩はない」と言われても、ほくそ笑んで見てるしかないですねconfident

ここで雑学。「客」という言葉は本来、尊敬語だから、昔は「御」も「様」もつけてはいなかったらしい。ところが三波春夫がそれを舞台で言うもんだから、やがて広まっちゃったという事です。恐るべし大衆歌謡のチカラ。
んでも、大切なのは言葉よりも、おもてなしの心。
「お客さんに声かけをして、注文を取る」という事ですが、速水さんのところは接遇応対のトレーニングも実施なさってそうでコワイな~coldsweats01

 ところで、林産より造林メインの出来杉さんだってミリ単位で攻めてらっしゃるんじゃな~い。
伐倒時のツル幅、そして、元玉抜く時のツル幅(これも一応ツルと呼んじゃおうね)
元玉、元玉とタブーの話をしてると「yamaの様な不良と付き合ってるからダメ!」って、NHKから次の出演依頼が来なくなっちゃうかなー。
一般の方々には分らないから、ま、いいですかね。

投稿: yama | 2011/01/16 23:24

 西村さん口では1本ずつすくうって言っていたものの
木が長い時は話どおりに1本ずつフォークですくっていたんだけど
玉伐った後は、重心位置を合わせ直して2本すくったりもしてましたよ
(ただし皮を剥かないように2本離れた状態で下ろす時もそっと1本ずつ)

 片持ち状態の時は、浮いている側の下に木っ端をつめて両持ちの状態にして裂けにくい処理をしてましたね。
他所ですが刃が小さい奴の方が、木口がきれいなんで25APを使っているって話を聞いたことがあります。

 けど、357のパワーがあるとはいえ、一度も抜かずに伐ってしまうとは思わなかった。


> 「お客様に損をさせない造材をする」

これは、山主だけでなく買い手側にも損が出ないように提案するということでしたね。

 チェーンソーの切れ味を持続させるために尺当てする時に、石をかんでそうな皮は手斧ではつっていたりしてましたね

検尺には、1mの目盛だけでなく細かい注文に対応するためか30センチ(約一尺)刻みも付いてましたね。


投稿: 服部@近畿 | 2011/01/17 21:02

yamaさん、こんばんは〜

プロセッサは使ってないのかな、ちょっとそのあたり不明です。
西村さん個人は使ってほしくないと思うのですが。


>林産より造林メインの出来杉さんだってミリ単位で攻めてらっしゃるんじゃな~い。

いえいえ、この玉切りの時のバーの先の感覚は僕だとせいぜいセンチレベルですから。


>元玉、元玉とタブーの話をしてると

このブログでそのタブーをタブーじゃなくするつもりです。
タブーなんて言ってる方がおかしいというくらいまで押し切ります。
ただ、言葉による限界がありますから、それが難しい。。。


それにしても改めて三波春夫は凄い人ですね〜

投稿: でき杉 | 2011/01/17 22:18

服部さん、大変お疲れさまでした。
痛みなど増していなければよいのですが。

>玉伐った後は、重心位置を合わせ直して2本すくったりもしてましたよ

これ、僕もブログで1本にするか1、2本と書くか迷ったんですが、1本にした経緯があったりします。
さすが服部さん鋭いな〜、とコメントを読みました。


>木口がきれいなんで25APを使っているって話を聞いたことがあります

カービング界では仕上げに25Fを使う人もいるんですね。
細かい刃で、それが多い方が良いという考えからだと思います。
僕も25F使ってましたが、初めての目立てでカッターを5つほど仕上げたところであきらめました。。。
数が多スギてやってられません。
で、いまは手放しました。サヨナラ〜

>チェーンソーの切れ味を持続させるために尺当てする時に、石をかんでそうな皮は手斧ではつっていたりしてましたね

そうそう、これも西村さんのこだわりでしたね。
これは結構メジャーかな、と思いブログにかかなかったんですが、いかがでしょう。


>30センチ(約一尺)刻みも付いてましたね。

そうですね。
これ、写真撮っておけば良かったなあ。
たしかにこれは珍しいかも。


投稿: でき杉 | 2011/01/17 22:30

やばい、売りたくない という材、年輪の目がよく揃って詰まってて何かの器に挽いてみたい材ですね。 その気になって値段聞いてみたら本当にやばかったりしてcoldsweats02

 でき杉さんたちが発信していかないと 本当に いつまで経ってもタブーで済ませてしまう林業界の技術伝承構造になってる感じがします。
 関東でもNHKでの放映予告がありました。 けれど日付が覚えられんかった。gawk このでき杉さんのブログを見てればちゃんと関東エリアの告知もしてくれるのかな~note

投稿: 月光仮免 | 2011/01/17 22:55

 ですね、そうですね。細かい歯の方が断面はきれいになるでしょうね。

さらに、新品バーに新品ソーチェーンを付けて、いきなりカッタ長が短くなるまで磨り落として、チェーンソーの防震機構(スプリング・あるいはゴム)を外してリジットにし、バーの面に重心が来る様にバランスウエイトを装着して玉切れば、すばらしい断面が得られるでしょう。
鋸を難しくしているのはアサリと振れです。
こんな事、┐(´д`)┌絶対に誰もやらないと思うけど(あたりまえだー!)

さて、速水林業さんの作業基準がサイトにありましたよ。
http://www.re-forest.com/hayami/fm/index2.html
減らしても「5千本」と書かれていますが、以前はやっぱり、9千~1万本植えてらしたんですかね。それにしても、何でこの人数で地拵えが済んじゃうのでしょうか。全木収材?

 ○○県の林務部の皆さん!よ~くコレ見てよね。
こっちではこの1.5倍の枝打ちさせられて、この2倍の除間伐させられてるぞー!検査の時に、あんまり細かいコト言うのは遠慮しとくれ。
「玉切りが長い」とか文句言ってるお前だよ、お前punch 私が入ったとこは、ほとんど長いに決まってるよ~。空中に浮いてない限り切らない主義さ。
横にしか倒さないから、細かくして並べ直す必要が無いの!だから長いの!!その方が安全だし、手間がかからずに能率が上がるのangry

 ということで、私が入った箇所に検査が入ると、手直しになる事があります。班長に文句言われるけど、気にしないもんね。
現場は直しても、やり方は直しません。
しかし、ビジョンやコンセプトに納得すれば、すぐにでも直します。私はそういう人。

投稿: yama | 2011/01/18 21:54

月光仮免さん、とりあえず番組に関してはブログに書いておきました。
枝下しはまだまだ未熟で恥ずかしいんですが、仕方ないですね、事実だから。

林業のタブーについては届く人には届くように既成事実化して書き進めて行こうと思います。
まあ、安全が完璧に確保されてないと思われているからタブーなんで、その辺りは難しいんですが。
がんばります!


投稿: でき杉 | 2011/01/19 22:33

yamaさん、こんばんは〜

>鋸を難しくしているのはアサリと振れです。

ふむふむ、また一つ勉強になりました。

>以前はやっぱり、9千~1万本植えてらしたんですかね。

8000本だそうです。


>何でこの人数で地拵えが済んじゃうのでしょうか。全木収材?

そーなんですよ。
地拵えについては、僕の感覚とまったく違うので、ちょっと混乱しました。
集材は全幹ということでしたが、う〜む。


>「玉切りが長い」とか

僕も、これ嫌いです。
でも、こういう風に整理するような仕事って僕たちはまずないんですよ。
基本切りっぱなし。
だからだいぶ助かってます。
でも、たまに手直しを言われると、まったくヤル気がでませんね(´・ω・`)ショボーン

投稿: でき杉 | 2011/01/19 22:41

 すばやいRes.ありがとうございます。
出来杉さんには、すぐに「勉強になりました」って書かれちゃうからなー、ちょっと弱りますcoldsweats01

私は集材を収材と書いちゃうオッチョコチョイですよ、普通に変換される語なのに。
速水林業のみなさんも見てくれてたらコメント欲しいな~。土場まで枝が運ばれない全幹集材で、この人数で済むのは、やっぱり不思議です。

 えー、さて、ウチの方でも以前は、保安林整備事業も受託間伐も「伐りっ放し。交差部だけ切って着地させよ」という指示でした。
隣県の細かい指示、きれいな仕上げに倣っちゃったんだろなぁ。税金の無駄遣いだ、と言われたりしないんでしょうかね~moneybag

 ところで、この期に及んで何たる国民意識なんだ、と私は嘆きたい。
相変わらず政治へ期待することは
「福祉・医療の充実。持続可能な社会保障制度」
そして「景気対策。経済力の回復」なんでしょ。
私は絶対に優先順位が間違っていると思います。
その根拠は、上記はいずれも金を遣う事だから。

今必要な政策は、増税にむけた地拵えです。
国民が「そこまでやったんなら増税もいたしかたあるまい」と納得できるまで税金の使い道を断つ事です。すると弱者にもしわ寄せが来ます。
その時に、個人のタイガーマスクのみならず、企業タイガーマスクが立ち上がる様な土壌をマスコミがつくっておくことが大切です。
マスコミにはそれだけのチカラがあるはずです。

また、ワークシェアリングは絶対に必要。
椅子取りゲームの様な正規雇用(正社員)争いは止めて、椅子の数を増やすのがスジでしょう。
テキトーに働いて、生活保護で生活費の不足分をおぎなって生活されるのと、普通に働いて税金を納めてもらうのでは天地の差ですよ。
「新卒者に仕事を与えない」なんていう事態は最悪。一生懸命子育てしてきた親御さん達、そして一生懸命勉強してきた子供達(別に一生懸命遊んできたでも構いませんが)への裏切り行為に他なりません。

 政治・行政に携わる人々、特にお偉いさんは土いじりや林業をかじってみた方がいいんじゃないですか~catface
行く先を見据えた今の舵取りと、適時的確な管理がどれだけ大切かが分るでしょう。

 おっ、今TVで予告が流れたよー。出来杉さんと同僚さんが樹上で歓談してるぞー。いいカンジの予告で、そそりますね(TV見ながらコメント書いてるのがバレバレ)
クドイと言われそうだからこの位にしとこーっと。

投稿: yama | 2011/01/20 23:02

たしか、集材の方法は全木ではなかったでしょうか?

 はっきりと、現場を確認できていないから怪しいのですが
地拵えが要らない様に、山に残してこないと言う話を聞いたように思うし、
枝等を、立ち木の根元に置いてくると肥料になって木の成長が良いという話を聞いたように思います。

 よって、山土場のある道までは全木で寄せて、そこで枝を払い、
全幹でか、車に積める長さで伐って西村さんの待つ土場まで出しでいたんじゃないですか?

プロセッサーは、持っているような話を速水さんはしてましたが、
 上部が旋回する機械は嫌いだともおしゃってましたよ。
後で話されていた理由は、横に向いたときに転倒しやすいからとか。

この辺は、好みの問題だと思うのですが。

 

投稿: 服部@近畿 | 2011/01/21 22:00

yamaさんのような博識の人がコメントをくれているから、出来杉計画を見ている人も多いと思うのです。
僕なんて話題を振るだけで精一杯ですから。


さて、仕分け人でもあった速水さんは税金の使い道についてもきつ〜くかましてました。
一つ一つは正しいけれど、全体から見るとおかしい、と。
まさに木を見て森を見ずですよね。


こんなめちゃくちゃな僕たちの業界にも税金は注ぎ込まれているわけで、せめてもう少し夢のあるような方向になっていかないといけないなと思う訳です。
僕は政治のことはさっぱりなんですが。


一次産業が弱い国は、結局は国力も弱いのだと思います。
その事を政治の中の人達ももっと認識して道筋をしっかりつけて欲しいですね〜


あ、テレビ予告は見てないのですが、いろんなシーンを撮ったので「樹上で歓談」がどんなものか全然覚えてなかったりします。。。
レポーターの人といろいろ話したのは覚えているんですが。

いや〜、どんな放送になってるんだろう(≧∇≦)

投稿: でき杉 | 2011/01/22 00:34

服部さん、こんばんは〜

>たしか、集材の方法は全木ではなかったでしょうか?

全木と全幹と話が二通りあったように思うんですよね。
ちがったっけな。

>山土場のある道までは全木で寄せて、そこで枝を払い、
全幹でか、車に積める長さで伐って西村さんの待つ土場まで出しでいたんじゃないですか?

これが確かに一番現実的ですね。


>上部が旋回する機械は嫌いだともおしゃってましたよ。

とにかく速水さんは嫌いなものが多くて、とても面白かったです。
嫌いな物は嫌いだから、なんとか他の方法を考えるという。
普通の人は嫌いでも仕方なくやったりするんでしょうけどね、やっぱりそこが他とは違うんですよね。

とにかく僕には速水さんのキャラクターがとても良かったです!

投稿: でき杉 | 2011/01/22 00:42

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