チェンソーのプッシュバック
現在積雪15cmほどかな、モーレツに降り続いてるし人里でこれだと年明け現場に入れるのはちょっと先になりそう。。
僕は昨日まで仕事をしておりまして、間伐なんだけど、最近間伐仕事はチェンに21LPXをつけておりまして。
で、ヤスリはhotsawのチャンプが使っているバローベの台形ヤスリにしてます(記事はこちら)。
で、角ヤスリで目立てした21LPXは良く切れるんだけど、プッシュバックが気になっています。
プッシュバックっていう言葉で良いのかちょっと分からないけど、キックバックはガイドバー先端上部に当たると発生しますよね。
プッシュバックはガイドバーの上側のチェンに強い力がかかることでチェンソーが押し戻される現象です。
僕は以下の二つの場合に起こりました。
例1)
斜め伐りした後に切り株を低くするため、水平にチェンソーを入れて切り終えた瞬間に伐った上部がガイドバー上側のチェンに乗り、チェンソーが押し戻される。
僕はこれでチャップスを切りました。
例2)
低い位置で(膝くらい)斜め伐りした時にやはり伐った上部がチェンに乗り、プッシュバック。
これで足を切りかけました。
いずれも完全なルーチンワークになっており、これらの動作にはあまり意識を払っていません。
なので、この現象が起きてハッと気づくんです。
原因としては考えられるのは、
◯ガイドバー先端付近を使っていた
◯例2は斜めの角度が悪かった。
◯ガイドバーの使い方が悪かった
◯21LPX(フックにはしていなし、デプスゲージもノーマル。25APを使っていた時は強烈なプッシュバックはなかったように思うから)
と、ここで注意が必要ですが、斜め伐りは林業の世界では原則禁止です。
ただし、現場では必須の技術ですので、僕の身に起こった事を書き記しておこうと思います。
上記いずれも事故にはいたっておらず、千本以上伐って数回起きたことなんですが、ヒヤリハットはすでに「事故」なので、恥ずかしながら自戒の意もこめて記事にしました。
今後も十分に注意して作業して行こうと思います。
斜め伐りに関してはバーを横や縦に滑らせたり、バーに乗せて飛ばしたり、バーを振り抜くようにしたり、バーには乗せずに飛ばしたり、また伐り始める高さなどいろいろな要素があって、ネットで簡単に書く事ができないのはもう皆さんならご承知ですね。
って書いちゃったけど。
この技術が文章化されているのは、これだけかな。
いずれにせよ、今年一年無事に大晦日を迎える事ができました。
身体が資本の仕事。
ケガをしてしまった人もいるかもしれませんが、それはそれとして、また万全の状態でがんばりましょう!
それでは皆さん、よいお年を。
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コメント
出来杉さま
こんばんは。
クリスマス過ぎてからグッと寒くなってきましたね。
身体を動かしていると特に気にならないんですが、朝一番とか、昼休み終わっての仕事のかかりがかなりキツイように感じます・・・
こんなときは身体も自分の思ったように動かないことがあり、事故につながる様に思うのでいつも以上に気をつけています。
僕は現在林産班で仕事をしているのですが、丸太の玉切でも、たまに同じようにプッシュバックが起こります。
起こるのはだいたい両端が地面に接していて(作業道上の作業ですので、上は作業道上部の法面の端、下は作業道の一番端っこに接しています)、荷重は下にかかっています。切る場所の太さはだいたい20cm以上でしょうか。高さは腰高かそれ以上の時に起こります。
丸太が切り離された瞬間にチェン上部がちょうど挟まれる格好になると起こります。自分のほうにまっすぐ押されるのでチャップスが切れることはまずないですが、太ももに直撃するとしばらく唸ります・・・・
どの状態が危険かは最近だいたい予想がつくようになってきたので、かなり注意して作業を行い、かなり危険と判断した場合はグラップルでつかんで作業をしています。
切り離す位置を変えてみたりして、起こらない状態を作り出せるようにがんばって見ます。
そうそう、使用チェンは21BPで、フックではありません。
出来杉さんをはじめ、皆様も今年の仕事はすでに終わられたことと思います。
来年もケガのない、楽しい林業ライフを送ることができる一年でありますことをお祈りします。
また来年もよろしくおねがいします!!!
追伸:お子様の誕生、おめでとうございます!!!
お互いに林業を担う親として、がんばりましょう。(すでに出来杉さんはがんばりすぎるほど頑張っているとはおもいますが・・)
投稿: パイナップル頭 | 2010/12/31 17:59
お子さんの誕生、おめでとうございます。
さて。プッシュバックですか。
造材では経験ありますけど、伐捨てではまずないですね~。
この場合のプッシュバックはソーチェーンがバイスで挟んだみたいに固定されるのが原因ですから、
目立ては激フックでなければあまり関係なく、チェンソーの持って行き方とかその時の姿勢、
アクセルワークで回避するべきなのかな?と思います。
僕は斜め伐りは多用しないのですが、切り終わりはアクセルOFFにしています。
都合により太めの木を斜め切りするときは、カットを終えてから約2秒後に木が落ちるやり方も使います。
挟まれませんし逃げる時間がアリマス。
玉切りのときは、切り離す前に上からクサビを入れておくと防ぐことができますよ。
投稿: だん | 2010/12/31 21:48
パイナップル頭さん、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
プッシュバックって結構起こる現象なのに、いうほど広まっていないようにも感じてます。
危険な状況になりにくいからかな〜
キックバックは一般的ですが、プルインプッシュバックもチェンソーの使い方によっては起こるということがもうちょっと世間的に知られて良いように思ってます。
それでは今年もゼロ災で行こう!ヨシ!
投稿: でき杉 | 2011/01/01 14:54
だんさん、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
プッシュバックに付いてはこれまで起きても全然気にしてなかったんですが、LPXで仕事するようになってガツンとくることがありまして。
>カットを終えてから約2秒後に木が落ちるやり方も使います。
おぉ〜、また出会ったときに教えてください!
T6かな〜
それでは今年もお互いゼロ災でがんばりましょう!
投稿: でき杉 | 2011/01/01 15:03
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくです。
仮説ですが21チェンは25や95に比べて大きいので、挟まれたときにバーを一緒に挟んでくれない。なので、プッシュバックを起こしやすいんではないでしょうか。
チェンソーのパワーがある(バーを短くする)とプッシュバックは大きくなり、チゼルになると角がより食い込むので更に激しくなるのでは?
だとすれば刃が小さくなってくれば鋸道も小さくなるので起こしにくくなるかも。
僕もパイナップル頭さん同様21BPで造材時にたまに太もも、股間に喰らって唸ってます。
対策は圧縮の力が働いてる側からバーを入れて切り離す時に十分注意するってことくらいかなー。
これは来るな、って時はあらかじめ足を避けておくってのも大事ですね。
投稿: オバタ | 2011/01/03 22:44
あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。
「斜め伐り(切り落とし)」は危ないです。
冬場は林床が凍結し、元口が斜面を滑り落ちることがあります。木の倒れ込むスピードは高速です。俊敏な退避動作が出来る人でも、逃げ切れないケースがあります。
滑落木にしない事が第一です。
だんさん御紹介の「たたみ伐り」で、元口は等高線方向の左右どちらかに振るといいでしょう。
あるいは、元口が引っかかる(止まる)ように、元口着地地点の下部に玉木でストッパーを渡しておくとか、必ず止められる対策でもいいです。
また、高い切り位置での「斜め伐り」も危険です。元口の着地位置はもとより、元口の動きも確実には予測できません。
そもそも、受け口を切っても少し傾くだけで倒せないから「斜め伐り」を実施するわけですよね。
混み合っているという事は、隣木が「枝がらみ」で、対象木の素直な着地を邪魔をする可能性もあるという事です。
「大概は大丈夫さ。今までだって、稀にはそういうこともあったけど」
と、仰いますか?
でもね、元口がブラ~ンとなってズサッと落ちて、大腿直撃したら・・・・痛いよ~。
その高い位置でバーが食われたら、どうするぅ~?
だから、私は高い位置の斜め伐りは封印してしまいました。直径にもよらず、もう何年もやってません。
「滑落木かぁ。斜め伐りで、斜面上側に落として元口を止めりゃいいじゃん」
実際に、小径木ではそういうテクを使う人も居ます。でも、私はやらない。
乗り物は、完全にコントローラブルなら200Km/hでも恐怖ではありませんが、制御不能なら20Km/hでも恐いでしょ。
寒気が入り、あちこちで大雪が降っているみたいですが、クルマの運転も林業の作業もお気をつけ下さいまし。
今年も一年、ゼロ災で行こう、ヨシ!
投稿: yama | 2011/01/04 21:21
オバタさん、改めてあけましておめでとうございます。
賀状では失礼しました。。
仮説についてなんですが、25APの時にはプッシュバックはあっても自分の足まで飛んで来るなんて事は何万本と伐ってきてなかったんですね。
バーは13インチと15インチを使ってるんですが、15でもズン!と来る事はあります。
13との比較はちょっとよくわからなけど、同じくらいの力かな〜
角が食い込むというのはあるような気がします。
BPよりも切削する範囲が広いので、その分反動も強いのかなと思ってます。
僕は造材の経験は少ないけど、これからは頭の中にいれて作業するようにしたいと思います。
それでは、今年もよろしくお願いします。
投稿: でき杉 | 2011/01/05 21:27
yamaさん、あらためましてあけましておめでとうございます。
僕のエントリーではやはり大事な点がごっそり抜けていますね。。
「ななめ伐りは注意してやってよ!分かってるよね」
なんて口で言うのは簡単ですからね。
やはりyamaさんのコメントのようにその注意すべき点をしっかりと書かないといけないですね。
いろんな人が見てますから。
あとで、もうちょっと詳しく補足しておきます。
このエントリーもプッシュバックと斜め伐りの両方に触れているので、斜め伐りについて改めて書いてもいいかもしれないですね。
それでは今年もお手数おかけしますが、よろしくおねがいいたします。
投稿: でき杉 | 2011/01/05 21:35
初めまして、北海道で造林業をやっています村人と申します。
私はプッシュバックほとんど経験した事がないのですが樹種の違いでしょうか。
主にトドマツ・カラマツ・エゾマツの間伐です。
私の所も斜め切りは必要な技術で、通常の受けを入れて倒せる物なら倒してみろ、という様な所ばかりです。
なので、これが出来ないと仕事になりません。
作業時間に対してお金が出るのではなく、面積に対して幾らという受注なので仕方ないですね。
危険と言われる方法でいかに怪我をしないで仕事をするかというのもプロの技かと思います。
危険作業禁止と言いながら、それをやらないと仕事にならないのは、昔東京都が土木工事でダンプカーの過積載を前提に仕事を発注して問題になったのと同様の事と思います。
間伐で事故が起こった時に、我々は安全講習も行って危険作業は禁止している居ると言うのがお役人様ですが、それは単に自分たちの責任逃れの逃げ道でしかないのが事実です。
話は斜め切りになりますが、
30Cm位有る太い木でも斜め切りしないとどうしようもない場合があります。
そのような一発で切り抜けない場合は切り口が見やすい位置に最初の切り口を入れ、木が傾き始める直前まで切ったら逆側から切るわけです。
その時、反対側からの切り口は最初の切り口より少し縦にする事で切り抜いて木が落ちたときにも挟まれず、そのまま滑っていった時にもチェンソーを持って行かれる事がありません。
最初の切り口の角度が足りないと切り抜いた時に木が落ちずさらに危険な状態になるので最後に木が滑り落ちる角度に切る口を入れる事が必要です。
投稿: 村人 | 2011/01/12 04:21
はじめまして、村人さん。
村人さんが仰りたいことは、よく分ります。
だいぶ前に、私も元玉切りについては、投稿させていただいた事があります。
『ちょっとお休みします』の中ほどにその記事があります。(2008/2/17だったかな。主の留守に勝手に荒らしてた私)
で、もしや本当に仰りたいことは、元玉の方じゃないですか?
私も斜め切りはやってますよ。
ろくに傾きもしない立木に受けを切る意味は無いですから(裏技は別)
但し低位置です。Jの字になった根曲がり木でもなければ、高く切った伐根の切りなおしは、ほとんど実施したことは無いです。
倒すテクではなく、次の元玉抜きをスムーズに行うための、プラットフォームとして考えているからでしょうか。
ではでは、みなさんもおやりになってる事を正直に投稿して下さいね。
じゃ、私からね。能書きも含めて書いてみますよ。
先に反対側に切れ目を入れて、そこに合わせて追っていく技を「合わせ」というところが多かろうと思います。「受け口の斜め省略切り」とは多分、どこも呼んでないでしょうね。
これの追い側を急勾配にするのは、造園屋さんが得意みたいですね。平地の伐採後地でよく見かけますよ、トンガリ伐根。
私も、もちろん“やってる”
鋸道が閉じるまではツルが作用しているカンジになります。また、重心方向の反対側なら、バーが食われる心配もありません。先に切る側を逆勾配にして(切り下げ)にしておけば、元口を伐根の上に残して止める事も可能です。
「さあ、上手く立ったから元玉だー。Go!!Go!!」
元を横に振って落とす限り、滑落木のウラで“お面~ん、一本”をもらう事はありませんので、わりと安全です。
私は、たまに“やってる”
「yamaは元玉が好きなんだろ~」
は~い!大当たり。だから、カラマツの間伐は大好きです。全部等高線に並べてくれようぞ。
私は、いつも元玉を“切ってる”
利用間伐でなければ、いつも“やってる”
いけない事だとは“全く思っていない”
投稿: yama | 2011/01/13 22:15
村人さん、初めまして。コメントありがとう!
プッシュバックに関しては樹種は関係ないです。
これは間違いないですね。
村人さんがそういう状況にならないようにチェンソーを扱っているのだと思います。
>危険と言われる方法でいかに怪我をしないで仕事をするかというのもプロの技かと思います。
村人さんのコメントよく分かります。
全国の山いき、山子は同じように考えているのではないでしょうか?
僕は斜め伐り(切り落とし)はいつまでも隠れた技にしてないで、オープンにして「技術」としてボランティアさんでもできるように研究、研鑽されるべきだと思ってます。
>30Cm位有る太い木でも斜め切りしないとどうしようもない場合があります。
僕も村人さんが書かれたようなやり方をすることがたま〜にあります。
yamaさんが書かれた「合わせ」を斜めにして行うんですよね。
でも、僕は30センチもあったら通常の受けを作る位置で水平の「合わせ」を行います。
そして、周りの立木にかかって立たせて、そこから元玉きりですね。
30センチあるような木は、切り落としても一発ではおそらく倒れませんから、低い位置で「合わせ」を行っても結局は能率は変わらないと言うのが僕の経験上からの意見です。
村人さんが書いてくれたコメントは本当に大切な事なんですよね。
作業員も、職員も、エライさんにもみんなに読んでもらいたいです。
投稿: でき杉 | 2011/01/16 00:43
yamaさん、ここでは一つだけ。
>先に切る側を逆勾配にして(切り下げ)にしておけば、元口を伐根の上に残して止める事も可能です。
これはやったことがありませんでした。
どうして気づかなかったんだろうって感じです。
以前から考えていた自分なりの伐倒が、この技術で実を結びそうです。
こんどやってみますね!
投稿: でき杉 | 2011/01/16 00:46