Fさん、お疲れさまでした
先月末に開かれた愛知県でのチェンソーアート大会に吉野チェンソースクールの仲間が4人参加したんですね。
そのことは少し前のエントリーで触れた通りです。
→こちら
その仲間の一人が大会会場で息を引き取りました。
チェンソーアート中の事故によるものではありません。
その人(Fさん)は、まあ、押しの強い人でねえ。
もう5年ほど前になるのかな。
突然僕の自宅に押し掛けて来て、「チェンソーアートを教えてください!!」
定年後は、チェンソーアートをやると決めていたみたい。
それからは毎週、チェンソーアートをやるんだと言って、僕の作業場に来て一緒に練習していたんです。
もちろん平日は自分の練習場を作ってそこで練習してました。
その情熱たるや、こっちが引いてしまうほど。
少しして、僕は吉野チェンソーアートスクール立ち上げのため、休日はすべてそのために時間を費やすようになり、一緒に練習することはなくなりました。
スクールが立ち上がってからは講習を受けにきてくれることもあり、スクール初期を支えてくれた一人でありました。
やがて、Fさんは龍神チェンソーカービング倶楽部へ入り、毎月泊まりがけで練習するようになります。
Fさんは、僕の隣町の人なのですが、噂はすぐに広まり、地元ではかなりの有名人でした。
町にはFさんの作品が数多く残っていますが、チェンソーアートをやっているというだけで有名だったわけではないんです。
Fさんは作品を販売して、そのお金がたまったら車いすを購入して施設に寄付していたんです。
他にも作品の寄贈も多くありました。
まあ、びっくりしました。
チェンソーアートの腕云々ではなくて、「負けた〜」とホント思いました。
そのFさんが、あこがれの東栄町のチェンソーアート大会会場で永眠されました。
大会へ向けて、相当練習していたと聞いてました。
大会当日、仲間から連絡をもらった時は信じられなくて、信じられなくて。
関係各位に連絡をとり、どうやら間違いないと分かった時は、ショックでね〜。
Fさんとの出来事がいろいろと頭を巡りました。
Fさんはとても広く大きなカーバーでした。
ゆっくり休んでください。
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コメント
大事な仲間がお亡くなりになったんですね。
私も一年前に親友をガンで亡くしました。
大事な仲間がいなくなるってのはホントに辛いです。
Fさんの御冥福を心から祈ります。
投稿: チイチイ | 2010/06/08 09:35
私は、丁度3ヶ月前の今日(3月8日)、息子を失いかけました。病院到着が、あと1時間遅れていたら、危なかったと言われました。
通常なら、死に至る疾患ではありませんが、息子の場合は非常に稀なケースでした。
私が危うい事態を招いてしまったと言えます。しばらく様子をみてみようと判断してしまったのですから。
医者も救急車もレスキューも、どんどん利用しましょう。取り返しがつかなくなってからでは遅いのです。
林業の現場でも、しばらく様子をみてみようなどと言っていると危険が事がありますね。アナフィラキシー。
ご友人のFさんは、また生まれ変わってミドルワールドから帰ってらっしゃいますよ。
この世でやり残した事がお有りでしょうから。
生と死は長い旅の一つの過程に過ぎないという事です。図書館で借りたDVD(チベット死者の書だったかと思います)で見ました。
私は、生まれ変わる時には、子供を死なせない様に、もう少し賢い人間にして下さいと、神様仏様にお願いしたいと思っています。
投稿: yama | 2010/06/08 23:52
チイチイさん、こんにちは。
Fさんは、仲間というか僕よりも全然年齢も上ですし、とにかく立派な人でした。
あまりにも突然でして。
さっきまでしゃべっていて車でちょっと横になったら・・・
走り続けてきたのでしょうから、いまはゆっくりされていると思います。
投稿: でき杉 | 2010/06/09 18:03
yamaさん、そんなことがあったんですか。
僕もどちらかというと「大丈夫大丈夫」と言ってしまうタイプなので、気をつけないといけないです。
こうやって身の回りで起きていることを見逃さずに、自分に生かして行こうと思います。
Fさんは強烈な個性を持った人でしたから、ちょっと休んだら、またノシノシと動き出してくるに違いありません。
それにしても出来事というのはなんでも突然起こるものですが、やはり今回はいろいろと考えさせられました。
投稿: でき杉 | 2010/06/09 18:09
こんばんわ。
私は今回の東栄で初めてFさんにお会いしましたが、まさか翌朝こんな別れ方をするとは・・・
本当に素晴らしい方だったんですね。
亡くなられてからどんな方だったのかネットで色々と調べてみました。
カービングは技術はもちろんのこと、人間性も磨かなければ素晴らしい作品は生まれないと確信しています。
ですから辛いことも苦しいこともそして悲しいことも全てニュートラルに受け入れていかなければいけません。
惜しい仲間を失いました。
しかし、あの日のカーバー全ての心に刻まれたと思います。
彼の遣り残した事は我々が引き継いでカービングスピリットとともに生き続けることだと思います。
投稿: 音やん | 2010/06/12 00:30
音やんさん、おはようございます。
好きなことに打ち込んでいて、あこがれの場所で亡くなるなんて、言葉はまずいかもしれないけれど、本望、大往生ではないかと。
僕たちが「作品」を作っているのであれば、どうしても人間性、全人格がにじみ出てしまうもの。
その点、音やんさんは素晴らしい作品を創っていると思います。
東栄でもきちんとテーマに沿った作品を作った人がどれだけいたのか。
音やんさんはきっちりとテーマを解釈したよい作品だったと個人的には思ってますよ。
って、えらそうなこと言えた立場じゃないけど。
お互い心を磨いてカービングがんばりましょう!
投稿: でき杉 | 2010/06/12 07:11