こんなヨキを使ってます
今は間伐をしているんですが、なぜかヨキの話題を。
使っているヨキは西山商会の「宗石」と「清武」と「A」の3種類。
重さは500g〜600g。
「清武」は最初から薄いので、使えるように仕立てるのが楽ですね。
杉を打つのに使ってます。
「A」は厚みがあるので、檜の大きな木を打つときに使ってます。
その形状から研ぎにくいのが難点。
あ、写真なくてごめんなさいです。
普通の人はわからないね。。
「宗石」が一番出番が多いかな。
檜を打つときに使ってます。
形状が研ぎやすいのがいいです。
で、その「宗石」の新品と僕の使っているものとの比較写真を撮ったんです。
上が新品。下が僕の。
左が新品ね。
やっぱりヨキは刃の「はまぐり」状態を直さないと使いにくいと僕は思ってます。
はまぐり状のふくらみを平らにするということね。
僕たちは「ツラを落とす」とか言うんだけど。
平らにするには、僕はスピード調整のできるディスクグラインダに刃物砥石(ディスク)をつけて落としてます。(もちろん最低速で)
電動回転砥石を使う人もいますね。
平らにしてから、荒砥、中砥、仕上砥で仕上げて行く訳だけど、定期的に「ツラ」は落とすようにしてます。
んで、ずっと使って行くと、
左右とも「宗石」550g
右が今使っているやつで、左が引退したもの。たまに復活するけど。
現役と引退を重ねるとこんな感じ。
あ、あと「はまぐり」を直すのに加えて、こんなこともします。
刃の尖っている部分で突いてしまわないようにここも平らに落としてます。
ついでに言うと、
柄も少しだけカットして短くしてます。
純正のままだとヨキを振ったときに他の枝に干渉してしまって、打つ軌道がずれることがあるので、バランスが崩れない程度に短くしてます。
ま、こんなことしてんの俺だけだけど。
ヨキの話題は昔から書こうと思ってたんだけど、いまは鋸で枝打ちするのが普通だし、需要はないかと書いてませんでした。
でも、ま、わが組合に電動回転砥石が入ったので、その記念として書いてみましたとさ。
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コメント
>「はまぐり」をなおす。
と言うのは当地では「鉈のはらを砥げ」と言うのと同じなのかな。
鉈の刃先ではなく、刃先と背の間を砥げという事なのですが。
鉈もヨキも一緒でしょう。
いまどきヨキで枝打ちとは古風でよいですね。
普通、手鋸かスピード重視ならトップハンドルチェーンソウでしょうに。
ヨキの方が職人ぽくっていいですね。
何年生の木を、何メーターまで落としているのでしょうか?
わたしの私見では、杉桧とも15年~20年生ぐらいの時点で、2メータまで落としてやれば、
この時かずらを外して成長点を護ってやれば。
それ以上の枝打ちに「育林」としての効果はないように思います。
ムブシ材を作るとかいうならばまた別ですが、20年30年生の木を6メータや12メーターも枝打ちしても「育林」効果はない。
林床が暗ければ間伐して空間を空けてやる方がずっとよいのでは。
まあ「育林」効果のほかに「ホジョキン」効果と言うのもあるし、そっちの方が重要だったりするし。
全てはわたしの私見「ヘンケン」なのかもですけどね。
(◎´∀`)ノ
投稿: gotoれす | 2010/05/03 15:05
> 右が今使っているやつで、左が引退したもの。
引退させてあげる目安ってなんですか?
ヨキは、その重量が武器になりますから、重さかな~(鉈より100~150gくらい重いですよね。柄が長いので両手打ちする時は重宝します。もちろん地上で作業する場合ですね)
振り下ろせども振り下ろせども、その切断部分(ミクロ的視点でね)に加わる力は、ツラに奪われ減少させらせてしまうので、ヨキ打ち・鉈打ちは、見た目以上にハードです。
出来杉さんが「ツラ落とし」したがる理由は、よーく分ります。(知らない人には「腹」って言った方がいいのかな~「腰落とし」って言ったりもするよね。要はアールの一番高いところです)
初心者はやらない方がいいです。西山さんとこの厚手の刃物は青鋼が割り込まれている事が多く、話題のヨキもおそらく青でしょう。
うっかりコジってしまうと、刃が欠けてしまいますよね。腕が上がって、その心配がなくなれば、それはもう、お好きにどうぞ。
> 柄も少しだけカットして短くしてます。
さすがですね。わずか1cmの差でも作業性は異なりますからね。
> ま、わが組合に電動回転砥石が入ったので
水を入れて、砥石が水を含むまで待たなくっちゃならないんでしょうか、それとも、水は張りっ放しなんでしょうか。
こういう道具を買ってくれる組合も、さすがだわ~( ̄▽ ̄)
gotoれすさんのコメントから
> まあ「育林」効果のほかに「ホジョキン」効果と言うのもあるし、そっちの方が重要だったりするし。
そうでしたよねー。
なぜだか過去形。だってね、最近は滅多に出ないんだもん、枝打ち。山の手入れで一番金がかかりますからね~、枝打ち。
ところで、「かずら」ってなんですか?
かずら・・・かぶら・・・かぶと・・・かしら・・・先端?ん、芯を外しちゃったら箒(ホウキ)みたいな木になっちゃいますよね。
想像してても分んないので、おせーて下さい。
「だめだ、だめだー!鋸なんかで打ったんじゃ、巻き込みが遅くて仕方ね~だろ」とは、既に引退した超ベテランに言われた言葉。
そんなに気になるなら、下端2m打つ時に、登って4mまでの力枝(鬼枝)も打ってこんかーい、とは私が心の中で叫んだ言葉。
2番玉の無節を狙っているのか、中目材で2間モノを狙っているんだか知りませんが、一応コチラの方では4mまでは打ちますね。
投稿: yama | 2010/05/05 01:28
gotoさん、おはようです!
僕の現場はなんてたって吉野ですから。
8mまで打つのが基本です。
人によっては10mまで打ってくれということもありました。
何年生くらいまでだろう?
30年くらいかな。
もっとも檜の枝が枯れるのを通り越してぼろぼろになっている現場もあったりするから、そういうのはもっと行ってますね。
下から枝があるのに、6mのはしごに上ってやっとまともな枯れ枝が打てるみたいな。
まあ、密植ですから。
ほんと枝打ちは時間がかかって、儲からない仕事です。。
投稿: でき杉 | 2010/05/05 04:42
yamaさん、おはようございます。
引退させるのは、やっぱりヨキの切れ味が落ちてくるからなんです。
どんどん厚みがましてきて、使える状態にするのに時間がかかるので。
>うっかりコジってしまうと、刃が欠けてしまいますよね。
調子に乗って落としすぎると、コジらなくても欠けてしまうようになるんです。
僕が去年、何回かエントリに書きましたが。
「かずら」は<つる>のことですよね
>gotoさん
こちら吉野でも鋸なんかで枝切りしてたら、「あいつ何やってんだ?」です。
ましてやチェンソーなんて!
投稿: でき杉 | 2010/05/05 04:49
どうも余計な口は挟まないほうが良いのかも知れませんがね・・・
口伝レベルでなくてデータの裏づけのある枝打ちに関する資料って、探すとあまりみつからないんですが、こういう論文があります
→ http://www.ffpri.affrc.go.jp/labs/kanko/No382-1takeuchi.pdf
道具による違いではなく残枝長によるという現実のように読み取れるんですが、私の読み方は間違っているんでしょうか。
何やってんだ? って言われるほどの事なのかどうか、林業技術の奥の深さには毎度のことながら戸惑うばかりですが()。
投稿: 月光仮免 | 2010/05/05 14:57
>8mまで打つのが基本です。
やはり吉野ブランド!、ムブシ「無節」の高品質材を作ろうと言う施行なのですね。
わたしはそんな高級な仕事したことないです。
ヽ(´▽`)/
>yamaさん
かずら「葛」は、でき杉さんの言う、「つる」の意です。
わたしは高級な専門用語や隠語の類を、可能な限り使わないようにしています。
隠語を使うと玄人っぽく見えますが、普通の人にはわからないし、なんだかイヤミに見える事あるでしょう。
\(;゚∇゚)/
そうそう枝打ちロボットと言うのもありますが、
じつはあれは担いで林地を移動するのに物凄く大変で。
(50k以上あるか?)
あまり省力化にならないのです。
やはり伝統的職人仕事の方が、現実的かな。
投稿: gotoれす | 2010/05/05 16:08
月光仮免さん、おはようございます!
なんでも気軽にコメントしてくださいね。
んと、このデータ以前木挽屋にありましたよね。
(ちがったかな)
似たようなデータは各県とっていると思います。
たしか三重県のもネットに転がっていたような。
結局枝打ちの巻き込みを重視するか、変色を重視するかなんですが、ウチの村は磨き丸太で我が世の春を謳歌したおっちゃんらがいま重鎮ですので、ヨキで打ってないと・・・ていう感じです。
昔はスギなんて枝打ちしなかったそうですから。
密植で全部枯れ上がるので、伐採のときに折れてきれいになるという。
投稿: でき杉 | 2010/05/06 05:19
gotoさん、おはよう!
こちら腐っても吉野ですからね〜。
>そうそう枝打ちロボットと言うのもありますが、
こちらでは結構普及してますよ。
杉打ちに使うんですが、どこまでも上がるから、長伐期大径木狙いのこちらにぴったりです。
だから省力化というよりも人の手で打てないところまで打つという意味も大きいです。
確かに現場に運ぶのが大変なんですが(二人で担ぐ)、現場までいったらその後は仕事が早い!
たまに曲がり木があるとチェンソーでぼろぼろに傷つけてますけどね。。。
投稿: でき杉 | 2010/05/06 05:25
やっぱり、素直に「つる」で良かったの~。
深~い別の意味があるのかと思っちゃいましたよ。
> やはり吉野ブランド!、ムブシ「無節」の高品質材を作ろうと言う施行なのですね。
無節材の需要は、一般住宅では減少すると思います。
和室が無い家もあるくらいですもん。それに、ワンルーム風の大部屋の一角に畳を敷いて、和の空間だけ演出できればいいという施主さんもいらっしゃいます。
今、この景気ですから、住宅の値段は下がる一方です。信じられない位に安価になりました。
で、安かろう悪かろうでないかぎり「値段分それ相応の最低限の機能で良い」という時代になりつつありますから、高品質材は排除されてしまいますよね、当然の事ながら。
一方、店舗ではけっこう使われてますね、磨きもシボリも、そして無節も。外食産業が青色吐息の中、大繁盛のお店に行ってみましたが、気合の入った造り込みにビックリしました。ほとんど国産材だと思われます。
という事で、需要はどこかにしらありますから、産地のブランド化で頑張るみなさんは、とことん頑張って下さい。
並材をより低価格でという産地のみなさんも、それは時代のニーズに合ってますから、頑張って下さい。
「何が言いたいんだかわかんねー」
そう来ましたか、来ますよね。私もわかんないんですよ~。
投稿: yama | 2010/05/06 23:47
yamaさん、おはようございます。
吉野では吉野杉の特徴を生かしたものに特化しているところが多いのですが、やはりそれがいま需要がなくて。
新しい商品、販売経路の開拓が必要で、それはどの産業も一緒ですね。
吉野も学ぶべきところは学んで、この時代生き残って行かなければなりません。
投稿: でき杉 | 2010/05/07 08:52