アーボリカルチャー研修会(レベル1)
信州から帰ってきました。
天気もなんとか持ち、大変充実した3日間となりました。
参加者は10名。
林業関係だけでなく、造園業の人もいました。
日吉町森林組合からも精鋭3名が参加しており、さすがは湯浅さん視野が広いです。
(というか、湯浅さんの後押しで今回の研修会が決まったそうです)
それでは僕自身の復習もかねての報告です!
初日、最初の約1時間はオリジナルテキストを使っての講義。
このテキストが良くまとまっていて、良いものを頂きました。
講義が終わると、外に出てクライミングの基礎となるロープワークを教わり、あとは昼食までひたすらスローラインを投げまくり。
僕はとにかくスローがへたくそなので、講師の吉見さんからいろいろとアドバイスをもらい、なんとかましにはなりました。
<メモ>
・スローラインとパウチの結びは引き解けのクローブヒッチ(巻き結び)で。
(クローブヒッチはリングの上から巻こう)
ガースヒッチ(ひばり結び)+ダブルハーフヒッチでも。
・投げるときバッグは前方の遠いほうがラインが絡まりにくい
・シングルで投げるときは肘を曲げてラインを持った高さにトリガー(スリップノット)を
・振り子の後ろの高さを意識する事
・投げないで放す
・高く遠くに投げるときは力を入れるのではなく、振りを大きくする
昼食後は、実際に樹に登ります。
DRT(ダブルロープテクニック)を教わりました。
オープンクライミングシステムと呼ばれるもので、主にレクリエーションに使われます。
非常にシンプルな基本のシステムです。
これを使ってひたすら登る練習。
<メモ>
・スローラインとクライミングラインの結びはパイルヒッチ+クローブヒッチ
・枝の股にきちんとかからなかった場合は、ウェーブをかける
・アタッチメントノットがカラビナと直線上にならないときは結びを移動させる
・フリクションヒッチはブレイクスかタウトライン
一日目の夜は、ロークワークと翌日クローズクライミングシステムで使うプルージックコードを自作しました。
これはtenexを使用。
2日目はクローズクライミングシステムで樹に登る練習からスタート。
ビッグショットの使い方を教わったり、
プルージックコードとスプリットテイルの違いを確認。
フリクションヒッチにはディスティルとミチョーカンを教わりました。
<メモ>
・ビッグショットの狙い目は目標よりもちょい上
・プルージックコードを使うとブリッジが短くなるためフェアリードをすぐに上げてくれる
・ディステルは結びが固くなる。ブリッジが長いと緩みやすい
・ミチョーカンはマーティーンさんが結んでいたがマーティーン結びではなんなので、出身地の名前にした
・クライミングラインと結びに使うロープには相性がある
強風の中でのリムウォークは怖さが先立ってしまい、枝先のポイントまでたどり着けなかった。
徐々に身体の使い方は分かって来たので、場数を踏んで練習したいですね。
2日目夜はテキストを使った講義と質疑応答。
3日目は朝からSRT(シングルロープテクニック)、クライミングスパーによる登高を教わる。
SRTで登る時に使う道具
カラビナでバックアップをとったランニングボーライン
スパー使用時はフリクションセーバーを使ったDRTとランヤードを使い、両手で一緒に上げながら登る
次にダブルクロッチ、レディレクトを教わり実践。
午後からは、終了検定として枝先のポイントまで到達し戻ってくるのを制限時間内に行う。
これは全員がクリアでした(おそらく)。
と、このように充実した3日間を送ったのでした。
さあ、練習練習!
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コメント
でき杉さん、お帰りなさい。
良い研修会だったようですね。 レベル1という事ですが、クライミングの範囲で必要なことはほぼすべて網羅しているようにお見受けしました。
ミチョーカンはこちらのブログで教わったんですが、あれは4-1ブレークスをクローズしたものとして組めば間違いなくてよさそうですね。 私もよく使うようになりました。
この後のレベル2、3となるとレスキューやリギングが入るのでしょうか?
日本でこういう講習を実施する本当に実力のある組織ってほとんど無いと思っていたので、私は近いうちにオーストラリアに行こうかと考えていました。
実際、太い樫などの除伐をやっていると痛感するのですが、エアリアルでのリギングを正確できないとグラウンドワーカーがギックリ腰揃いになってしまいます。
ただ、適用可能な状況がかなり限定されるので現場ごとの工夫が欠かせませんね。
歳とってるヒマがなくなります ♪
投稿: 月光仮免 | 2009/11/04 22:27
月光仮免さん、ありがとうございます!
クライミング講習レベル1、2
リギング講習レベル1、2
という感じにする予定のようです。
この上伊那で教わった人達が各地でお仕事をしているようで、人は育って来ているみたいですね。
確か、月光仮免さんと一緒にイベントをした事のある人もオブザーバーとして参加していました。
いままた、月光仮免さんのブログを読み返しているところです。
以前よりは、内容が頭に入るようになってきました。
これからもどんどん突っ走ってください!!
ついていけるかどうかわかりませんが。。
とにかく月光仮免さん、スゴイです!
投稿: でき杉 | 2009/11/04 22:57
出来杉さん、いっぱい勉強してきた様子ですね。
今、出来杉さんの報告を読んで 想像力をたくましくしているところです。
参加者10名ですか。やっぱり キッチリ教えるにはその位がいいんでしょうね きっと。
せっかくITMで出来杉さんからオブザーバー情報をもらったのに 都合がつかず結局いけずじまいでした。無宿も参加したかったなー。うーむ、羨ましい限りです。
でもね、今、急斜面のヒノキ林の間伐で(特に林縁部で)体力を消耗している無宿としては、 出来杉さんのロープ投げや足縄技術・・・こっちの方が実は関心が高いんです、ハイ。
投稿: 無宿 | 2009/11/05 23:58
無宿さん、こんばんは。
10名はちょうど良い人数でした。
みな真剣な人たちばかりだったので、進行もスムーズに僕も学びたい事をしっかり学ぶ事が出来ました。
次回講習は来年のようです。
今回同様情報が広く流れる事はないと思うので、一度吉見さんに問い合わせてみて下さい。
今、桧の間伐というと僕たちと同じですね!
40年生くらいの山20町歩弱をやっています。
間伐の仕事風景も動画に撮って公開できたらいろいろと参考にしてもらえると思うのですが、ま〜これがなかなか。
う〜む。
投稿: でき杉 | 2009/11/06 22:01