チェーンソー目立て後の確認ポイント
吉野チェンソーアートスクールで毎回口を酸っぱくして言っているのが、「目立てをして下さい!!」ってこと。
で、皆さん目立てをしているのだけれど、それでも実際はあまり切れない人が少なからずいるんですね。
もちろん、チェンソーは月に一度このスクールで使うだけという人たちばかりだから、仕方ない面もあるんですが、せっかく目立てしているのに切れないのではもったいない!
なので、目立てをした後、きちんと研げているか、のチェックポイントを書きたいと思います。
試し切りすればイイじゃん!っていうのはそうなんだけど、やってみて切れなかった場合、どこかいけないのか分からないといけないので。
まず、大前提として刃(カッター)の各部分の名称を、以前いただいたyamaさんのコメントから引用します。
■刃の大事な4つの角度
・刃先角:とがった部分の角度
・逃げ角:刃の上、または刃の横に定規をあてた時に、とがった部分の後方に出来る隙間の角度
・切削角:刃先角プラス逃げ角の事
・すくい角:90度マイナス切削角の事では「目立て角」とは・・・・
これは、関係ありません{ナント強引な解説ヽ( )`ε´( )ノ ブーブー}
つまり、横刃の切削角を得る(決める)ために、上刃目立て角が決まっているというだけです。
丸棒ヤスリ使用なら、上刃の切削角はやすりの深さで決まります。(チェーンソーの目立てを試したより)
分かってもらえたでしょうか。
では、次に目立て後にどこを見てチェックするかです。
(オレゴン25AP、21BP、95VPなどの場合の角度。それ以外は→オレゴンチェンの種類と目立て)
1、上刃切削角が60度(逃げ角が5度ですので、刃先角は55度)になっているか
2、横刃目立て角が85度(ちょっとだけフック型)になっているか
3、カッターを前からみて刃先がきちんと尖っているか。もしくは指で刃先を触ってみて「あんまり素手で触ったらヤバイな」と感じるくらいツンツンに尖っているか
(刃先については→続・チェーンソーの目立ての写真もみて下さい)
以上です。
角度は大体でいいと思います。
僕がスクールで感じている目立てのよくある失敗例は、
◯一生懸命研いでいるのに、ヤスリが刃先に当たっておらず刃先が丸いまま
◯「手元を10度さげて研ぐ」ことに意識が行き過ぎてしまい、手元が下がりすぎ横刃目立て角が90度以上になる(つまりバックスロープ型)
◯丸ヤスリを刃に押し付ける(チェンソー側)よりも下側に力を入れてしまい横刃目立て角がフック型になってしまう
◯右手で研ぎやすい左カッターばかり減って左右のカッターの大きさが違う
◯すれなくなったヤスリで力を入れて研ぐためにどうしても手がぶれてしまい真っ直ぐに研げない
といったところです。
スクールでもいうのですが、チェンソーはまずなによりも刃物なんです。
めんどくさいと感じる人もいるかもしれませんが、きちんとやればヤスリを動かす回数はカッター一つに2回くらいで(本当は1回でも)十分です。
とびきりの切れ味はなくとも、身体に負担のかからない程度に切れるチェンソーに仕上げてみて下さいね!
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コメント
「目立て」が入門者にとってすごいハードル
としてありますね・・・
大工道具など研がなくて良い替え刃式が多いですが、
構造上ソーチェンは難しいのでスクール限定で
ソーチェン下取り・新品刃格安提供・目立て代行
略して「買えば式」
なんてのはどうでしょうか・・・
投稿: 祝い杉 | 2009/03/30 23:08
ハハ、ナイスアイディア!
でも実際、研がないで限界まで使って取り替える人は結構多いと思う。
研いでも切れないから交換ってね。
目立てってやっぱり難しいんだな〜。
投稿: でき杉 | 2009/03/31 17:33
あらら、サイトオーナー様に引用されてしまいました。嬉しいけど、恥ずかしかったりもするねぇ(=´Д`=)ゞ
> めんどくさいと感じる人もいるかもしれませんが、きちんとやればヤスリを動かす回数はカッター一つに2回くらいで
まったく同感です。切れ味が悪くなったら即目立て!
「燃料代がもったいない」「早く玉切れないとイライラする」という人々の方が、目立ての上達は早いと思いますよ。
山仕事で使っていると、石を挽いてしまう事が多いので、切れ止んでの目立てより、刃先損傷での目立ての頻度が、相当高くなります。(現場にもよりけり)
山仕事では、1日に2回~多い日には、十数回目立てする事もありますね。
私は、数え切れない位、目立てをして来ていますから、目隠ししても目立てが出来ます。ウソです。笹刃なら出来るけどチェーンソーじゃ、カッタが小さいから無理だよ~。
別にウソが書きたかったわけではなく、目立ては、
「コツをつかんで、体に定着するまで頻繁に練習する」のが大事という主張だったんですが。( ̄▽ ̄)
> チェンソーは月に一度このスクールで使うだけという人たちばかりだから、仕方ない面もある
ですから、練習。切れ味の悪くなったヤスリをわざと錆びさせて、“ただの丸棒”なみにしてですね、カッタの研ぎ面にですね、油性マジックを塗ってですね、練習するってアイデアどう?
当たり具合が確認できるでしょう。Σ(・∀・)
というわけで、この練習に利用するカッタは、きちんと目立てが出来たものがいいですよねー。
出来杉さん、スクールの終業時に、左右一枚ずつ「模範カッタ」を研ぎ上げてさしあげたらいかがですか?
しっかり目立てが出来ないと「恥ずかしカッタ」り・・・いや、恥ずかしいと思いましょうよ、その方が上手くなると思いますよ。
投稿: yama | 2009/03/31 19:25
yamaさん、勝手に引用してすみません。
やっぱり良いものは記事に残しておきたくて。
>「コツをつかんで、体に定着するまで頻繁に練習する」のが大事という主張だったんですが。
そうそう!ホントに!
だから僕は最初はガイド(何でもいい)を使って角度や力の入れ方をしっかり身につけてもらうようにしています。
いきなりフリーハンドでも出来る人はその方が上達が早いのでしょうが、やはり大半の人はまずガイドでしっかり研げるようになった方がイイと思ってます。
素振りと一緒で、反復練習を繰り返しフォームを固めることが大事ですね!
>カッタの研ぎ面にですね、油性マジックを塗ってですね、練習するってアイデアどう?
面白い!
これならいくらでも練習出来ますもんね!
>出来杉さん、スクールの終業時に、左右一枚ずつ「模範カッタ」を研ぎ上げてさしあげたらいかがですか?
これは果たして喜ばれるのか、それとも困った顔をされるのか???
投稿: でき杉 | 2009/04/01 18:47
模範カッタは僕もやります。やっぱり目指すかたちがイメージ出来るのが重要なので。
スッテンテンのヤスリで練習するのは良し悪しかな?と思います。切れるヤスリの感触も大事にしたいです。ヤスリもまた刃物です。
投稿: だん | 2009/04/01 22:25
だんさん、おはよう!
>模範カッタは僕もやります。
そうですか〜。
希望者にはちょっとだけやってみようかな。
>ヤスリもまた刃物です。
おお〜。
そうか〜、これは思った事がなかった。
使わせてもらいます!
投稿: でき杉 | 2009/04/02 05:30
「のっぺら棒」じゃ、やっぱりダメかな~(。・w・。 )
でね、ちょっと思ったんですが・・・・
「模範カッタ」をビギナーさんのチェーンに研いでさしあげるとしたら「すそ野落とし」はした方がいいやら、しない方がいいやら、どっちなんでしょうね。
それと、ガイドを使う方々には、同じガイドを使って「模範カッタ」を設定しないと、ダメなのかな~。
小さいモノを話題にしているだけに、話が細かくなってきましたね。ベテランさんは「切れれば何でも良いんだよ」って笑ってるだろうなぁ。
定年退職されたベテランさんには、お世話になりましたよ。
ビギナーの頃は、目立てがグチャグチャになると「すいませーん!目立て見て下さい」と言って、全カッタの修正目立てをお願いしてましたからね。
一度まともなカッタにしてもらった方が、その後、目立てしやすくなるでしょう。
目立ての丸投げばかりじゃ、まずいですが、ハマリモードに入っちゃうと、なかなか上手く研げないものです。
制限時間なしの作業終了後に、シコシコと徹底目立てをしてみたり・・・翌日、石を挽かない様に祈る事は言うまでもありません。
ビギナーさんに目立てを教えたりすると、いつもハマっていた頃の自分を思い出します。
投稿: yama | 2009/04/02 15:30
yamaさん、おはようございます。
今日は現場が近いので、時間ギリギリまでコメントを。
>「すそ野落とし」はした方がいいやら、しない方がいいやら、どっちなんでしょうね。
僕ならしないです。
とことん追求した目立てではなく、教科書通りの目立てを分かってもらいたいからです。
>それと、ガイドを使う方々には、同じガイドを使って「模範カッタ」を設定しないと、ダメなのかな~。
やっぱりそうでしょうね。
その人に上手になってもらいたいので、そのガイドの使い方のコツなんかも分かってもらわないと。
あくまで僕個人の意見ですけれど。
>ベテランさんは「切れれば何でも良いんだよ」って笑ってるだろうなぁ。
たしかに(*^-^)
>一度まともなカッタにしてもらった方が、その後、目立てしやすくなるでしょう。
これはいえてるなあ。
修正が一番大変ですからね。
そうだ!
今度はどうやって修正するかもエントリーにまとめてみようかな。
投稿: でき杉 | 2009/04/03 07:25
目立てガイドを使ってもどんどんバックスロープになる
両方のローラーが回り、角度もあってるはずなんですが…
投稿: | 2020/11/27 20:17
バックスロープになってしまうとのこと。
使っているのはハスクのゲージですよね。
まず、そのカッターにあった正しいサイズの製品を使っていますか?
次に、ゲージの向き(方向)は合っていますか?
そもそもヤスリのサイズは合っていますか
このいずれかでもない場合、ちょっと原因がわかりません。
申し訳ない
投稿: でき杉 | 2020/11/27 22:38