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2008/08/25

チェンソーアート本の取材

日曜日、吉野のスクールだったんですが、そこにスクールとチェンソアート体験の取材が入りました。
年内出版予定のチェンソーアートの本の取材です。


Img_7149 スクールの様子。
今回は突っ込み切りの応酬で、見た目よりも作るのは難しく、皆さんちょっと苦戦してたかな。
時間的にも後半厳しかったので、僕の進め方にも工夫が必要だったように思ってます。


Img_7151 こちらは体験取材の様子。
福本校長直々の指導で、このイスとフクロウを仕上げました。
体験者のタフさには校長もビックリしてました。



編集の方がスクールの様子も取材を進めていましたが、その方の目にはどのように映ったのか本の出版が楽しみです。


スクールの翌日(つまり今日)は、スクールで使う材の川上から川下までの取材。
まずは山での伐採です。
Img_7176 これは福本校長が受けを作ってその方向をチェンソーを当てて確認している所です。
吉野ではこのように受け口に直角にチェンソーを当てて方向を確認する事が多いです。
綱は「オヤ殺し」して上に打ち上げ、滑車を噛ましてチルで引っ張ります。

この写真の後、もちろん寸分の狂いもなくバッチリ狙ったところに倒れました。



Img_7166_2 Img_7162伐採現場を下からと上から。
吉野ではこのように上方伐倒です。
写真を見てマニアの人は「ナナメ上伐倒じゃないか」と言う人もいるかもしれませんが、これには理由があって、この現場の上の山の管理をしている人(山守)が「こんなでかい木を倒されたら困る」と倒す事を認めなかったため、横(斜め上)の山守さんにお願いして倒す部分の木を購入しそこに集中して木を倒しているわけです。
ま、いろいろあるんですね。


ちなみにここの杉の木は120年生以上。
このまま3〜6ヶ月葉枯らし乾燥させてヘリで出して市場へ行きます。
取材はそこまで待ってられないので、このまま吉野材を扱う市場へ取材にいきました。


吉野のスクールは吉野材のPRの場というのも大きな目的なので、これからも吉野杉にこだわって楽しく安全にチェンソアートを楽しんでいきたいですね。
いつかスクールで伐採ツアーを組んでもいいかも!
参加したい人はいるかな〜。


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出来杉計画、メディア征服中!」カテゴリの記事

コメント

やっぱし林業ネタって好きです。 特に今回のような地境での伐採で地権者との関係に注意がまわっていると本物の肌触りがしてきますね。
 親殺しというロープのセッティングは、チョークにならないようにモヤイ(ボーリン)の輪を直接使うやり方なんでしょうか。
 途中の小枝を利用したセッティング高は私も似たようなものかと思いますが、なぜチョークしないようにするのか、よく判りませんが、それよりも どうやったらこういうロープ掛けになるのか、あまりピンときませんでした。
 機会があったら、そのあたりもおせーてくださいな。

投稿: 月光仮免 | 2008/08/28 05:31

「打ち上げる」というのは、手の届く高さに掛けたロープを斜面上方に立ってしゃくり上げ、徐々に高い位置にずらしていくやり方です。
僕が新知識3月号に掲載されたときの写真に、ちょうど打ち上げの瞬間をとらえたものがあります。

この場合幹を締めてしまうと動かないので、ダブルまたはオヤゴロシということになります。

スギのような直通で枝のない幹にロープを掛けるときに便利ですね。カラマツのように樹皮や枯れ枝が引っかかりやすい木は少々やりづらいです。
でも慣れれば30センチ長くらいの枯れ枝を越えることもできます。

投稿: だん | 2008/08/29 05:52

だんさん、無駄のない的確な解説ありがとうございます。
 打ち上げるときはいつもダブルで上げているので、この形がすぐにはイメージできませんでした。 
 親殺しで打ち上げる練習って、スポーツ的な要素としても面白いかも知れないですね。
 私も慣れて30cm(!)の枯れ枝を越えることができるという水準に到達できるといいのですが、どうしても現在のレベルで一番確実と思われるスローバッグ&スローラインでのロープ掛けという方法に傾きがちです。
 このままでは技術というより道具依存のままで推移してしまうかも と自分を戒めることがあります。
 カラマツの枝はなんとも頼りなく折れやすいという感じがします。 下手をすると伐採後の枝払いが不要になるかも(^^;とか (←冗談です)
 地境をチェックし、伐採ではみだす倒木域の立ち木を先んひ買ってから作業をするというのはいかにも土地柄と思いました。 地主さんが自分のヤマの境界を知らないって事がだんだん普通になってきてるみたいですし。

投稿: 月光仮免 | 2008/08/29 08:55

月光仮免さんとだんさんの会話についていけない(゚Д゚;)
ダブル? チョーク? スローライン????

ロープワークの勉強が必要なようです。


んと、この方法はだんさんが書いてくれた通りです。
30cmの枝を超えようと思ったらそのすぐ枝下から打ち上げるんじゃなくて、1m以上下からポーンと投げ上げれば超えやすいと思うんですが、それでも難しいですね。

>親殺しで打ち上げる練習って、スポーツ的な要素としても面白いかも知れないですね。

って月光仮免さんが書いてくれましたが、全日本そまびと選手権ではまさにその競技があって、結構これが盛り上がるんですよ!
いろいろとコツがあってその辺またいつか紹介出来たらいいなあ。


投稿: でき杉 | 2008/08/29 23:24

 あの~、プロのみなさんは、よく上に倒してらっしゃいますが、「チェーンソー講習」の講師の話によれば
「上方伐倒は出来なくはないが、困難であるため普通は行わない」
「退避は伐倒木より上に逃げろ」
と、いう事なんですが、上方倒しのメリットや退避についてご教授願えませんでしょうか。

 エヘふざけてるんじゃないも~ん。“一石二鳥”狙いだも~ん。
まず第一に、訪問者さんにビギナーや林業従事者以外の方々が意外に多いハズ。おそらく「専門的でわけわからん」と思われているんじゃな~い。
第二に、アクセスアップの為には、わかりやすい内容にして、一般の方々にご贔屓にして頂かなければ!

「専門色を濃くしているのは・・・」
え~っ、私
で、出来杉さんの回答コメを待つのでした。

投稿: yama | 2008/08/29 23:46

お〜っとyamaさん、こんばんは。

質問にお答えします。
あくまでも僕の考えなので、いろんな人の意見を待ってます!


まず上方伐倒は難しくないと思う。横倒しの方が難しいというか危険性が高いと思うけど。

次に、上方伐倒は葉枯らしのためですね。
葉枯らしはどこに倒しても乾燥するって意見もあるみたいだけど、吉野は上方伐倒です。


退避は横に逃げたらいいわけですね。
というか上方伐倒で牽引役の人は最初から滑車等を使って安全な位置から引くようにします。


意見がいろいろでたらエントリーにまとめてもいいかも。


投稿: でき杉 | 2008/08/30 00:05

僕も月光仮免さんにはついていくのがやっとこさで勉強させてもらってます。
解説は月光仮免さんにお願いしようかな。

上方伐倒、吉野のように大きい木は急斜面で下に向けると材の損傷が激しいでしょうね。切り株や岩に当てたらバラバラになってしまうでしょう。

僕らはカラマツの搬出間伐ですけど、けっこうな頻度で上に寝かします。主な理由は「集材の都合」です。
作業道より斜面上方の木を集材するときに、プロセッサが処理しやすいように元口を道に向けたい。
斜面下方では集材距離を短くしたい。
この二つは相反する面がありますが、総合的に手間のすくないと思われる方を選びます。

方法としては道脇ならグラップルで押し込む、ロープ&滑車、くさび。それで対応できないときは、下に向けます。下にも倒せない(したくない)ときはチルホールやウインチの出番となります。

投稿: だん | 2008/08/30 05:54

退避についてふれてなかったですね。
横です。できれば立木のかげ。
カラマツなどはどうしても枝が折れて落ちてきたり、地面についたときにも飛散します。斜め下くらいの方がかえって安全かもしれません。

投稿: だん | 2008/08/30 06:20

おっとぉ~ yamaさんからアチーブメントテストされちまった・・・って、ちょっと違うのかな
 上方伐倒、私にわかる範囲では これって傾斜度依存ではないかと思いますです。
 特に足場がガレている平均傾斜45度なんて現場では上に倒すとそのまま直滑降ではるか下界まで突っ込んでいってしまいそう。
 どうしても上に倒す時には滑落防止のロープを張るしかないんぢゃないかと思いますが、プロの見解はどんなもんでしょうか。
 そういう現場では株はかなり高くとっておいて倒し始めた材をなるべく早めに堰に積むように作業します。
 伐倒技術それ自体についても同じように現場の傾斜が緩やかなら上方・斜め上方大差なし。 ただし、15度以上の勾配になってきたら上方伐倒は受けと追いの姿勢差がかなり負担になってくるのでチョークでしっかりとマークを入れて切ることになると思います。 30度超えたら横にしか倒さない。 

投稿: 月光仮免 | 2008/08/30 17:00

結構いろんな意見が出ましたね!

「集材の都合」か〜、吉野ではプロセッサなんてないもんな〜。

あと、月光仮免さんが書かれていることなんですが、上方伐倒の際、切り株の上に乗ったままになるように伐るので下方に飛んでいくということはあまりないですね。
というか、飛んでいかないようにします。

もちろん時には株から外れてしまう事もありますけれど。

いや、伐ってから造材する際に飛んでいってしまうからというのであれば、たしかにロープで飛ばないようにしたりしますね。


伐る高さは山側の地面ギリギリにします。(曲がりがあったら別です)


なんだか伐倒のイメージが結構違うかも。
ほんと僕は吉野の一部のやり方しか知らないから、ITMでもビックリする事がありますし。


実際にいろんな現場を見て歩くというのは難しいけど、機会を見つけてしっかり勉強したいですね。

投稿: でき杉 | 2008/08/31 00:10

 遅Res.ご無礼o(_ _)oゴメンです。
色々なご意見ありがとうございました。

 ここでのチョークは白墨ではなく、滑り止めのチョークパウダーでもなく“締め”という事ですよね。スローバッグ&スローラインでのロープ掛けは、投げ縄ですよね。(違ってたらご教授くらさい)
 林業の現場でも、投げ縄こそしませんが、上げ縄みたいな事をやりませんか?小さく巻いて、竿の先に付け、木が股になった箇所を通して、ロープの一端を落とすという方法です。
(以前、同じ班にいた職場の釣り好きは、実際に使い古しの伸縮竿を持って来た事がありましたね)

 だんさん、さすが林産の人です。後の事も熟慮し、効率性、安全性も併せて考えねばならないシビアな世界が林産ですものね~。材価が材価だから(ρ_;)

> どうしても上に倒す時には滑落防止のロープを張るしかないんぢゃないかと思います

 これも、実際に必要になる時がありますよね。
そこで、さらに質問ですが、滑落を起こしテンション(張力)がかかった状態では、ストッパーに用いたロープは、ほどき難いです。
そこで、どんな結び方をされていますか?
また、ワイヤーを用いると、更に困難かも知れませんが、このケースでは、やはりワイヤーはタブーでしょうか?

 アチーブメントテスト!(・oノ)ノ 全然そんな意図はございません。逆に私がテストされそうです~(°°;)))オロオロ(((;°°)~

投稿: yama | 2008/09/04 23:08

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