振動障害防止!
今年からチェンソー取扱作業指導員というのをやってます。
労働局から任命されるんだけど、つまりチェンソー等による振動障害を防止するために置かれるわけです。
で、指導員の立場からこれは書いてはいけないのかもしれないけれど、チェンソーの使用時間は連続10分以内、一日2時間以内となっているんです。
なっているんだけど、これ仕事で実際守ってる人いないでしょう。
(このくだりは読み終えたら脳内から消してね!)
伐倒の際、半日で伐り役と引っぱり役が交代しても2時間以内というのを守るのは難しい。
間伐ならなおさら。
ということは、この10分以内、2時間以内という決まり(法的拘束力はないと思う)の方がちょっと厳しスギるのではないかな〜なんて。
今のチェンソーは振動対策が十分にとられているし、この基準も見直す必要があるのではないでしょうか???
振動障害には使用時間だけではなく、いろいろな複合的な要素が絡んでくるわけですし、やはりこの使用時間はちょっと有名無実と化しているような。。。
これからはチェンソーよりも刈払機の振動対策の方が問題視されるべきのような気がします。
チェンソーアートをしているとよく振動病について問われます。
使用時間は超えてしまいますが、チェンソーはできるだけ新型を使いよく手入れをし、安全装備をきちんとして疲労がたまらないようにしているので、振動障害の検査に行ってもどこもひっかかりません。
指導員としては、使用時間が超えてしまうようなら、他の作業と組み合わせるよう指導するだけではなく、できるだけ新しい機械を使うようにも声かけしていきたいと思っています。
ちょっと書くと、チェンソーアートは安全対策が十分になされないまま、広がっていると思うので、この辺りメーカーさんや協会(あ、ないか)がきちんとした指導を行っていく必要があるでしょうね。
各地で開かれている大会でアピールするのが一番かな?
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コメント
> 2時間以内というのを守るのは難しい。
困難!弩困難!! 絶対に不可能です。それじゃ食べていけません。標準施工単価(いわゆるブガカリ)を見直して頂けない限り無理でしょう。
林業労働安全衛生各機関と、各自治体林務部がもっと話し合い、情報交換をする場を持つべきです。
私は声を大にして言いたい!
「労働安全衛生各機関と県林務部は連携して林業現場の労働改善に努めるべきだ」
> チェーンソーよりも刈払機の振動対策の方が問題視されるべきのような気がします。
おおせの通りです。下刈りデビューした年は、ワンシーズン毎朝、指のコキコキ病に悩まされます(個人差はありますが)
ところが機械を売る側は「目立てが悪いと刈刃も振動発生源になるから」などと逃げており、振動対策に対するモチベーションが低かろうと判断せざるをえません。
基本的に単気筒エンジンは“バイブレター”と一緒です。クランクシャフト回転と逆に回るバランサーを装備しなければ、理論的にも振動は低減できません。
手持ち機械ですので、軽量化が優先される為、その装備は現実的ではありません。
と、なれば、すなわち緩衝装置(スプリングやゴムクッションによるアレね)しかありません。低周波振動にはスプリングが有利、高周波振動にはゴムが有利と言われていますが、メーカーはこれを真に受けすぎている感じがいたします。
高回転型エンジンなので高周波と解釈し、防震ゴム頼み。しかし、現実はどうでしょう。H社チェーンソーは「ハンドル振動:ケース振動」比率がおそらく最低ではないでしょうか?(振動発生源は烈震。手持ち部分は弱震という事)
常日頃使用している者なら皆が感じているこの現実を鑑みても、刈払機はもとより、チェーンソーにおいても、スプリング・ゴム併用のハイブリッド防震や制振合金の採用を実施して欲しいものです。
減衰装置の採用も不可能ではないはずです。それほど、日本の微細化技術は進歩しています。
エア・サス、ジェル・サス、何でも“楽チン作業”になれば大歓迎。耐久性がどうのこうのと言う前に試作機を作って見せてくれ~!
投稿: yama | 2008/03/21 20:38
何となくしか知らないですが(笑)
机上では
チェンソーを2時間しか使えない
能率が悪くて日数がかかる
補助金の単価が上がる
ではないの?
伝説ではあまりにも能率が悪く高くつくので
「斧伐採」というカテゴリーが
あったそうですよ・・・
投稿: 祝い杉 | 2008/03/22 00:05
yamaさん、「指のコキコキ病」と書かれてますが、僕は結局手術しましたよ。
こっちに来て3年目だったかな〜。
最終的に手を握ると指(右手中指)が開かなくなりまして。
同僚に相談しても「みんなコキコキなるよ」とのことでほっといたのが原因でした。
振動障害というと「はくろう」だったので、対策がちょっとずれてきているような印象はありますね。
投稿: でき杉 | 2008/03/22 23:00
祝い先生、政治って怖いですね。
日雇いのおっさんが口を挟む世界ではなかったのかもしれません((;゚Д゚)ガクガク
投稿: でき杉 | 2008/03/22 23:04
Woodsman Workshopのみずのです。
チェーンソーの振動って、ベンチテストの値しか出てませんよね?
肝心なのは実使用時の振動です。
振動の世界では「手腕への暴露」って言うらしいです。
まぁ、行政的な取り決めは、
時代錯誤だったりすることが多いですよ。
2時間/日なんて、冗談にもなりません。
生涯、その業務に携わることのない人たちが決めることですから・・・
林業改善資金で、移動用車両を買う場合は、
暖房装置(ただのヒーター)がついていることが条件の一つだったり、
チェーンソー1台の価格設定が20万だったりしてます。
いつの時代じゃ!と思います。
チェーンソー使用時の振動は、
本体の構造、整備状況、目立ての良し悪し、切る対象、使い方etc、
いろんな要素が影響します。
今の振動対策の考え方からはそれらが欠落しがちな気がしてます。
ハスク346のニューエディションは振動加速度値が素晴しく低いですが、
使い方によっては、簡単に激震マシンに変身しますよ。
コキコキ病?
バネ指ですね。
私もなりました。
下刈り1年目でなって、2年目くらいでなくなりました。
関節が痛くて、茶碗が持てない時もありました。
あれも、振動障害の一つと考えていいんでしょうか?
それと、振動障害は個人差が大きく影響しませんか。
体質です。
経験と想像ですが、
「しもやけ」になりやすい方は、振動障害になりやすいような気がします。
まとまりませんが・・・
投稿: みずの | 2008/03/23 01:48
水野さま、いろいろとありがとうございます。
僕はいつも思うのですが、行政の中(なか)の人は賢い人が多いんだから、「決められた事をそつなくこなす」とかじゃなくて、もっと現場のために頭を使って欲しいです。
って、話がずれそうですね。
確かに振動対策には整備をきちんとする事、身体を冷やさないことも含まれています。
振動病の検査では指先の血行を調べるので、冷えは大敵でしょう。
僕は冷え性ですが。。。
ばね指は結構新規就林者の多くが経験するのかもしれないですね。
近いうちにブログにまとめたいと思います。
投稿: でき杉 | 2008/03/23 08:09
就業当初、2年くらいは重傷ではないもののバネ指でした。
バネ指は腱鞘炎の一種で、腱鞘は書いて字のごとく腱を包む筒状の鞘。その中を腱が動いています。
それが炎症を起こすために痛みが生じたり、慢性化すると腱自体が膨らんでうまく鞘を通り抜けられなくて、無理矢理通るときにコキッとなる状態です。
無理にコキッとやればやるほど治りにくくなって、結局手術することになります。
振動とは直接関係なくて、強く握りすぎているんだと思います。作業中、常に意識して力まないようにしていたら何ともなくなりました。
力まずに切れる刃、無理、無駄な動作をしない、できるだけ軽い機械を使う、などですかね。
結果、コキコキしてた頃より疲れないし、汗もあまりかかなくなりました。
こういうことを新人の頃に教えてほしかったです。
→こういうことも新人に教えていきたいです。
投稿: だん | 2008/03/23 14:45
また登場、yamaです。
> チェーンソーの振動って、ベンチテストの値しか出てませんよね?
肝心なのは実使用時の振動です。----[みずのさんのコメント]
その通りだと思います。私もこの古い振動測定方式に疑問を持ち、林野庁に問い合わせた事があります。何だかワケがわからない御役所的な返信を頂きました。
皆さんもどうぞメールしてみて下さい。宛先は林野庁ならどこでも大丈夫です。担当セクションに回して下さいます。(返信もくれない某研究所より良心的です)
> 経験と想像ですが、
「しもやけ」になりやすい方は、振動障害になりやすいような気がします。
身に覚え有り、でございます。1~2年目のみならず、ハードワークの後は、一種の振動障害っぽい異常が手指に現れますね。今度はコキコキ病ではない方ね。
> 振動病の検査では指先の血行を調べるので、冷えは大敵でしょう。
僕は冷え性ですが。。。---[出来杉さんのコメント]
私も同様に冷え易い体質です。冬季は、裏起毛の様な内張り付きゴム手袋の下に綿手袋を使用し、汗で濡れたら交換ですね。スリーシーズンは背抜きゴム張りかな~。なるべくソフトなモノを使用したいと思っています。
皮手袋は最悪。振動が吸収されないので、軍手の方がまだ良いくらい。
今の様に若い人が就く仕事じゃなかった頃の林業は、“隠居仕事”として、元土木建設業などの御年配者が就業していました。(コチラではその様な状態でした)
ですから、せいぜい十年以内の就業(コレ、つまり振動暴露時間)というワケでして、振動障害の問題も表面ざたにはならなかったんだと思います。
しかし、30年超のベテランの中には、障害の様子がチラホラ見受けられる方々がいらっしゃいます。そして、恐ろしい言葉を発せられたりするんですよね。
「昔は、こんな戦争みたいな、猛烈な仕事はしてなかったぞ!その比率で考えたら、倍くらい給料をもらっても良いくらいだ。おいおい、若い衆。そんなムキになってやっちゃーいけね~よ。30年もたねーからな」
(ぞわ~っ。暢気にやってても、その手になっちゃったんですね)
今の機械に比べれば昔の機械は、かなり酷い振動マシンだったと思います。だから手指障害をまねきやすいとも言えます。
しかし、ハードワーク化している事や、機械で済ます比率が高まっている現状を考慮に入れますと、もっと振動対策や、だんさんがお書きになられてます通り、軽量化をすすめていかなければならないでしょう。
投稿: yama | 2008/03/23 20:13
ホント、だんさんの言う通りこういうことはちゃんと新人さんに教えていかないとダメですよね。
緑の雇用などで新規に入る人も多いのだから、せめてネットで検索したらヒットするようにバネ指の記事をまとめたいと思います。
皆さんのコメントを参考にしたらうまく書けそうです。
あと、yamaさんの書いてくれた
>冬季は、裏起毛の様な内張り付きゴム手袋の下に綿手袋を使用し、汗で濡れたら交換ですね。
これは今度試してみます。
僕は指先を使うような仕事でなければ、スキーグローブを使ってます。
そういえば、仕事をはじめた時に地元のベテランが「身体がエラくなるから、月の半分働いたらいい」といってたな〜。
そのおっちゃんは75ほどになるけど、いまだに普通に山で仕事してます。
投稿: でき杉 | 2008/03/25 05:32