続・チェーンソーの目立て
(08年11月30日追記)
検索してこの記事に飛んで来た皆様へ。
目立ては掘り下げれば深いものです。
目立てのカテゴリーがあり、記事もどんどん追加しております。
他のエントリーにも目を通して頂き、またかならずコメント欄も読んで下さいね。エントリー以上にヒントになることが多く書いてあると思いますよ。
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今日は悩ましきチェンソーの目立てについて書きたいと思います!
まずは、前回目立て講習を受けて来たときの記事をご覧下さい。
→ チェーンソーの目立て
見てもらえましたか?
では、まず僕が目立てをするときの道具とその準備を見て下さい。
ハンドルはハスクバーナのものを使っています。
チェンのがたつきを押さえるために木の枝を挟み込みます。
目立てガイドとしてハスクバーナのガイド(赤いやつね)を使っています。
あと、チェンをマジックで塗っているのは、どこから始めたかの目印です。
ここで、一つ。
僕は目立てガイドは使った方がいいと思っています。
ここで紹介した以外にもいろんなタイプがありますので、どれでもいいと思います。
なぜ使った方がいいのかというと、その正しい角度を身体に覚えさせるためです。
ガイドを使っていると、そのうちなくても正確に研げるようになります。
ガイドなしで研げるようになるよりも早く上達出来ると思うんですけどね。
あと、僕のハスクのガイドですが、これは消耗品と考えて下さい。
ローラーの部分がすり減ってきますので、その時点で交換です。
もちろん、ヤスリも消耗品ですよ!!
早めの交換が吉です。
僕は写真のようにバーを固定しないので、ヤスリは片手で押しています。
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(09年5月1日追記)
ここで紹介したガイドやヤスリハンドルなどはお近くの森林組合や林業資材店に置いてあると思います。
ただ、近くにない場合や、足を運びづらいという人はネットショップ自然大好き!ニッチ・リッチ・キャッチのカテゴリー「パワーツール」から「アクセサリー」をみて下さい。
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刃を研いだらチェンを上や横から見て角度を確認する以外にも前からも見てみます。
わかりますか。上刃の先が白くなっているのが。
きちんと研いだつもりでも、よく見てみるとこのようにきちんとヤスリが刃先に当たってないことがあります。
この上刃の先は白くなっていないでしょう。
目立てがきちんと出来ているかは、角度うんぬんよりもまずこの刃先がきちんと研げているかが重要です。
でも少しだけ端の方が白いかな。
(だって研いでから使った後の刃なんだもの。や、マジで)
さて、チェンが研げたら次はデプスです。
デプスの研ぎ方はこうします。
「山」に対してナナメに擦ります。
まっすぐにするとギギギって引っかかるでしょ。
ナナメにするとその抵抗が減りますよ。
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(2010/3/2追記)
右カッターには写真のような方向から、左カッターは逆方向から擦るのが基本です。
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んで、デプスなんですが、僕は新品のチェンでもいきなりデプスを落とします。
といっても、軽く一回から二回擦るだけです。
常にデプスはチェンに対して落とし気味にしています。
理由はもちろんその方が切れるからです。
チェンも研げた! デプスも落とした! その後は、、、
よーく見て下さい。わかりますか?
カッターの後ろです。
ナナメに落としてあるの、わかります?
(こうして写真で見ると、もっと落としてもいいかも)
これは平ヤスリで落としているのですが、理由は突っ込み切りのときの抵抗を減らすためです。
つまり、のようにカッターが先端に来た時の抵抗を少しでも減らすということですね!
(この目立ては香亜奈工房の栗田さんに教えて頂きました)
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(2010/3/2追記)
現在はグラインダに刃物用の砥石を付けて落としています。
カッターの上刃目立て角30度と同じように後ろも30度の角度をつけてナナメに落とすようにしています。
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この後ろを落とすのは、あくまでもチェンの目立てが出来てからですよ!!
これで、大体のことは書いたかな?
この内容は随時訂正更新していこうとおもっていますので、皆さんのご意見をきかせてくださいね!
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コメント
この“後ろを落とす”のは私も複数の人から聞いていて、今年の千葉大会で現物を見てきました。
刃がちびてくると抵抗が少なくなるのと同じ理屈なのかなと思ってます。
外人のカーバーの中には25APのソーチェーンは“どうせ刃の寿命よりリンクが先に逝っちゃうから・・”との理由から刃の後ろ側を抉ってる人もいると聞いてます。
突っ込み切りにも有効との事ですが、鋸屑の排出も良いようですね。
目立ては本当に奥が深いです。
切れる刃で切るのは気持ち良いですよね~
投稿: 佐藤 | 2006/12/21 22:17
でき杉さん
さすが、情報たっぷりで読み応えあります。(俺のと大違い)
カッターの後ろを落とすのは外国選手がやります。
今年の東栄でも全員やってましたよね。
サンダーを使うと楽ですよ。
投稿: | 2006/12/21 22:25
でき杉さん、こんあちは!
カッターの後ろを落とす目立ては知りませんでした。
なるほど「突っ込み」が楽しみです。
・・でも人間は「ボケ」の方です。(笑)
投稿: マインドカーバー | 2006/12/22 00:26
世の中には長い曲がり道だけど確実で平坦な道を行く人と、地図には真っ直ぐに書いてあるけど危険で山あり谷ありの道を行く人とがいます。
「私は後者」と言いたいところでしたが、山あり谷ありでハッと気付いて前者の道に戻ろうと獣道を息を切らしながらゼエゼエ言ってる派?(←最悪~)
今日、昼休みにN氏も使っている今まで「あ、面倒そう…」と手を出さなかった目立てゲージを、投げられた枝を拾ってくる犬っころの様に全開バリバリで買ってきたのは何を言おうこの私だ!
ははははは…
チェーンを無駄に減らしながらも目立てしなおす位なら目立てに時間を存分にかけた方が良いのだっ!そうに決まってる!(もう、ただ単に失敗目立てに懲り懲りしている)だって、成功すんのせいぜい50%だもん。チェーンが勿体ないっす。
んでも、全くの無駄では無かったですよ。(と、言いたいだけ)
フックになりすぎる理由も持たない刃になるのもフリーで削ると良くわかります!というかわかってきたので目立てゲージ買ってきたのですが、、、
要は出来杉さんのおっしゃるとおり「減っていた」んです。それをずぶの素人はゲージをいつまでも信頼して使っており、上手くできないのは腕のせいと思ってました。
今後は削る高さも調整できるし、なによりしっかり固定できる物なんで期待大ですね。
これに懲りずに今度はもっと手間を惜しまずやって行こうかと思います。やっぱ俺アホだわ!
投稿: 音やん | 2006/12/22 01:28
そんなん知らんかった!
驚きじゃわい。(刃の後ろを擦るの)
今度やってみよ。
林業新知識もうでてるんですね!
事務所いってみよ。
投稿: 木霊 | 2006/12/22 06:20
今年の千葉エコフェスタでちっかぁびっかぁ工房さんがこれやってましたね。 ただ、これ内緒ですよといわれていたのでWEBで書くのは遠慮してたんですが、でき杉さんのBLOGでもう解禁ですね(笑) あの時は宮城の佐藤さんと一緒に見学したのですが、落とし方はもっとずっと極端でした。
ちっかぁびっかぁの若いお二人さん、もう挙式も済んだんでしょうね。 まだBLOGが更新されていないみたいなので忙しいのかな(←何をして忙しい?って突っ込みは無しにしてね)
そういえばでき杉さんの所もそろそろ二世の話などが・・・ 来年の干支は猪で、うちのかぁーちゃんもとうとう愛でたく還暦です。 イノシシの気性ってホントウに有るかどうか知らないけれど、確かに最近になってかぁーちゃんの気が強くなってきたような気がします。
さて、私もそろそろイノシシを彫ってみるべえか。
投稿: 成瀬 | 2006/12/22 10:23
>成瀬さん
アキちゃんブログやってるんですか?
じえんじぇんしらんかった・・
URLおせーてください。
刃の後ろを削るのはやってますが、実際のところ劇的な変化はない気がしてます。(出来すぎさんの言うとおりまずはしっかり目立て出来るようになることが重要)
以前ブライアン師にきいたところアメリカでは常識だとか。
あと突っ込みだけでなく通常の胴を使ったカットのときにも効果があるそうです。
以前このブログで玉切りの際には刃の出ている0.65ミリしか関係しないというカキコありましたが、切ってるときの刃の動きはもっと複雑のような気がします。
そこらへんはやはりアメリカのほうが進んでいて確かカービングの本にも書いてあったと思いますが英語が読めないもんで(涙
日本でももっと科学的な分析が進めばいいですね。
”切れる切れない”は体感的な印象でブレるので、近いうちに色んな人のソーチェンの刃先を100倍の顕微鏡で覗こうと思います。
投稿: 塚っち | 2006/12/22 11:47
塚っちさん、なんだか他人のBLOGでチャットの雰囲気(汗)
ごめんなさい → 出来杉さん
私の知っているURLは
こっちなのですが→ http://www.chikkua-bikkua.jp/
まだじぇんじぇん更新していないよーな気がします。 違っていたらおせーてください。
カッターの後ろを落とすやり方について千葉会場で話題になったとき、これ秘密のアッコちゃんと言われて私は異議申し立てをしなかったので個人的に彼と秘密を守る約束をしたことになります。
幸い塚っちさんからもこの技は秘密ぢゃないよと助言を戴いたので、この黙約は解けたってことにしますね(笑)
チェンソーアート以上に木工旋盤で(比較するのは可笑しいけれど)刃物の切れ具合って大きい意味を持ちます。
先日もHSS55材を炭で焼いて叩いて和式刃物の製作実技を受講したところなのですが、砥ぎ方ひとつ取り上げても乾式グラインダや湿式トルメックのような方法、千差万別ですし研ぐ方向も正反対のやりかたが共存しています。
砥いだ状態の観察は私も工具顕微鏡でよく見るのですが、結局は真上からそっと指の腹で刃を押してみてそっと上げたときの吸い付くような感触に尽きるのではないかと思ったりしますです。
目立て・砥ぎの奥の深さってのは材の性質の奥の深さも含んでいるのかもしれませんね。
来年の予定、なんとかログハウス講習を受けたいと思うのですが
今まだ四苦八苦して調整中です。 ちょっと無理っぽいかも(泣)
投稿: 成瀬 | 2006/12/22 12:56
>塚っちさん、なんだか他人のBLOGでチャットの雰囲気(汗)
あーっと失礼しました!
出来杉計画さんとってもフレンドリーなブログなんでうっかり八べぇがハメをはずしてしました。
でき杉さんみなさん申し訳ごさいません。
成瀬さんが紹介してくれたURLは以前こちらでも紹介してたものですね。
更新されてないってのは本業が忙しいくて良いことかも。
>今まだ四苦八苦して調整中です。 ちょっと無理っぽいかも(泣)
無理っぽいというか、フツー無理でしょう!(笑
あ・・またチャットになってしまう。
投稿: 塚っち | 2006/12/22 13:18
いや~本当に勉強になります。
高取で教えていただいた事を基礎に日々精進しております。
でも目立ては難しいですね。チェンソーを扱っている者の永遠のテーマというか一生背負う十字架みたいもんですね。
あっ!それとメールありがとうございます。『あの顔』を想像してみました。きょ、恐怖(滝汗)。ヘビに睨まれたカエル状態だったんでしょうね。
あのネタは封印しましょう。でも負けずにガンバレ!カエル君(笑)。
投稿: サワダラ | 2006/12/22 15:22
ななし投稿は私、与作でした。
すみません。
投稿: よさく | 2006/12/22 21:10
やー、皆様いっぱいコメントうれしいです!!
チャットどんどんして下さい!!
僕も勉強になるし、記事を書いてよかったです。
んで、カッターの後ろを落とすやり方なんですが、これ秘密だったのでしょうか?
そーいえば栗田さんが「内緒だよ」と言っていたようないないような。
問題あるようであれば、もう遅いけど消去しようと思います。
その時は皆様忘れて下さい。よろスギ。
投稿: でき杉 | 2006/12/22 21:14
電子顕微鏡がありますよ!!塚っちさん!!1000以上可能です。
撮影も可能かも?
でき杉さん高取で聞いたときはそんな感じじゃ・・・?どうだったかな?
でき杉さん、おいらはすべてのマシ-ン(仕事用も)についても、バックカットしました。グラインダ-でジャンジャン!!
投稿: げっ珍 | 2006/12/23 21:23
げっ珍さん、こんばんは!
「内緒」だったか、そうじゃなかったか。どーでしたっけねえ、ホントに。
僕はグラインダー持ってなかったんで、平やすりで落としてましたが、実は今日買って来てしまいました!
自分へのクリスマスプレゼント!!2980円!!
投稿: でき杉 | 2006/12/24 18:47
>「内緒」だったか、そうじゃなかったか。どーでしたっけねえ
なんだか切れ味の悪い終わり方だったので、時効になってから一言だけ追加しときます。
バンドソーでは帯状刃物の後ろ側を研磨してから使うのが常識になっています。 Mastering your bandsaw などでは実演つきで徹底する基礎知識という扱いですね。
これは糸鋸みたいにバンドソーで回し引きをするときに決定的な違いになってくるのですが、チェンソーを使う場合も似たような発想になると思います。
これで決着ってことにしていいかな?
投稿: 成瀬 | 2007/01/05 11:18
成瀬さん、気を使わせてしまってすみませんでした。
僕が思い浮かべるのは製材所の帯鋸なんですが、これもやはり「背」を磨くようですね。
木屑の付着を避けるためのようですが、上の方で塚っちさんが書いている「通常の胴を使ったカットのときにも効果があるそうです」というのは、つまりこういうことなのでしょうか?
目立てについては再度記事をまとめる予定ですので、またいろいろと教えて下さい!!
投稿: でき杉 | 2007/01/05 21:07