チェーンソーの目立て
予告通り、ITMで受けてきたチェンソーの目立てについて書きます。
ITMって何?って人は昨日のブログ 第7回林業Iターンミーティングを見てね。
今回の講師の先生はチェンソーの目立ての神様と言われた故・永戸太郎氏の愛弟子である林野庁林業機械化センターの主任機械化指導官である加利屋義広さん。
チェンソーの目立てについての基本的なことはコマツゼノアの安全講習WEB - チェンソーの安全講習から数ページを見てもらうとよくわかると思います。
はい、教科書的な理解はできましたか?
では、実際に講師の先生の研いだ刃を見てもらいます。(ピンぼけごめんなさい)
上刃は左右ともにまっすぐになるように研ぐのは当然ですが、先生は丸ヤスリをすごくゆっくり動かしてました。
それは、ヤスリを刃にしっかりと押し付けているからで、前に押す力は少しだからです。
あと、写真がなくて悪いのですが、とにかくチェンソーをしっかりと固定し、ソーチェンもピンと張った状態でさらにチェンブレーキをかけて、バーとチェンの間に木の枝を削ったものを挟み込んで固定していました。
次に横刃です。
僕はこれが気になっていたんです。
で、今回の講習で答えが分かりました。
先生のは、丸ヤスリで研いでるのに横刃がまっすぐにおりていますよね。
横刃の角度を教科書のように85度にしようと思うとたいていフック型になってしまいます。
それを直すために先生は横刃の下の部分、つまり立ち上がりの部分も丸ヤスリで擦っていました。
これ言ってる意味わかるかな〜。
これは永戸太郎氏が言っていた「富士の裾野を落とす」ということですね。
って、もっと意味分かんない人が大半でしょうが、先行きます。
手順としては、
まず普通に上刃の角度30度にして丸ヤスリが1/5程度上に出るようにして平行(もしくは10度手元を下げる)に擦ります。
次に横刃の立ち上がり部分を数回擦ります。
そして、最後にもう一度普通に擦って終了。
で、蛇足ですが、新品のチェンはフック気味になっているので直さないといけないとも言っていました。
どうでしょう。
参考になったでしょうか?
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コメント
ITMでは、いろいろと面白い(興味深い)お話をお聞かせいただいて有り難うございました。出来杉さんは、ここのお写真より、実際にお会いした方がイイ男ですね(好青年って感じかな!)
さて、私は「後半のみ参加」でしたので、この情報は、とても有り難いです。でね、チョット思ったのですが・・・・
横刃は玉切りの場合、アールになったチゼルポイントの、ほんの僅か下までしか実際のカッティングには役立っていませんよね。
(切り子の厚さ分だけ切れればそれでイイという意味)富士山の裾野を落とすと、いかなる効果が期待できるかな~と、私は思ってしまうのですが、いかがなモンでしょうか?(カービングにはとても大切だという事はよく分かります)
それと、揺らしたら落ちてしまいそうな「かかり木」の元抜きを上手く行う上では、食い付きの強い「フック気味」の方が俄然有利なので、私はその様に目立てする事の方が多いです。
勿論、ご紹介いただいた目立て角の方が「きれいに切れる」という事は承知しております。
本題と全然関係ないですけど、出来杉さんAB型なんですね。私もABですよ。それから、「身長155㎝」って本当?プロフィールの頁を訪ねたんですけどね。
投稿: yama | 2006/11/28 00:22
はーっ・・・
目からウロコです。
新品がフックなんで、フック型が正しいんだと思ってました。
いやいや、目立ても切る物や用途の変化に合わせてやるのは解りますが、裾野を落とすっていうのは初めて知りました。
今まで自信がないから、新品良かれとばかりに新品を参考に目立てしていたのは事実です。
対象物の硬さも関係するんでしょうが、今までカービングには向かない目立てをしていた可能性もあるのかな?
この次試してみますね。
まず、固定をしっかりやらなければいけないんですね。
基本だな基本!
yamaさん初めまして。
身長と血液型、多分ね杉さんのプロフィールですよ。
出来杉さんは、ちっちゃい者クラブの私からは羨ましい180センチはあるんじゃないかと思ってましたが、、、
あぁ、一度でいいからイイ男になりたかった。。。
投稿: 音やん | 2006/11/28 00:48
出来杉さん、皆さん、はじめまして。
音やんさん、こんあちは!
三河で薪拾って薪焚いて暮らすマインドカーバーです。
故・永戸太郎先生の目立て教本をチェンソーのバイブルとして数年経ちましたが文字と写真では理解できても動作がどうしても判らない場合がありました。
この出来杉さんの記事から確信できるものを感じました。
肉厚のあるガイドバーを使うと目立ての良否がすごくよく解る気がします。
目立てをもっともっと研究して安全作業を心がけます。ありがとうございました。
カーバー界きってのイイ男の身長は高かったです。
ますますね杉ちゃんはカワイイかったです。
東栄町の世界大会会場で黒七輪で秋刀魚焼いてヒンシュク買ったことをいまだに反省しておりますが・・
でも・・外国人カーバーには評判上々でブライアンさんは特に喜んでくれました。
投稿: マインドカーバー | 2006/11/28 12:39
でき杉さん、”チェーンソーの目立て”我らにとって永遠のテーマですよね!
どうです?
オレなんか林業の現場とカービングの目立ては全然別なものになっとんやけど。
山仕事の場合はとにかく早くそれなりに切れる刃を作る。
カービングは仕上がりがきれいな刃を作る。(仕上げチェーンソー重視やけど)
なんせなあ~
うちらの山の現場
ブル集材やけん。
地ベタ引っ張るけん!
夏の晴れと冬の極寒期以外は常に泥んこ状態。
ひどい現場なら一発チェーンソーいれたら
火花炸裂
クソもきれんくなる。
そのあとの目立てはひとつの刃に両手砥ぎ十数回。
これって北海道の林業事情です。(山土場の玉切り偏)
けどね!
切れる刃は常に心がけとるけん。
今度自信のある刃見せあいっこしょうや!
投稿: 木霊 | 2006/11/28 18:45
今日、熊の鳴声聞きながらデッキに灯油ストーブ持ち込んで↑の目立て法やってみました。
はじめ慣れずに刃一つにじっくり時間かけてやりましたが、254XPの目立て終える頃はちょっと慣れてきて良い感じに仕上がりました。
出来杉さん、本当にありがとうございます。
まだ、試し切りしてないんでわかりませんが、指先で触った感じが「切れる刃」でした。爪先を軽くスライドさせて、スッと刃が爪に入っていったので多分大丈夫でしょう!
ああ、早く彫りたいなぁ!
休み来ないと彫れないのはリーマンカーバーの悲しいところですね!
投稿: 音やん | 2006/11/28 23:05
マルチレスとなりますが、ご容赦下さい。
>yamaさん
後半参加のyamaさんでしたら、2日の夕食ご一緒した方でしょうか。
違っていたらすみません。
>ほんの僅か下までしか実際のカッティングには役立っていませんよ ね。
その通りだと思います。
となると「富士の裾野」は玉切った材の表面をキレイにするということかと思います。
ちなみに講師の先生のチェンソーで試し切りしましたが、振動もなく楽に切ることができましたが、(僕の基準において)よく切れるとは思いませんでした。
今の僕の目立てについての考えは、切削角を鋭くしてデプスも落とし気味にするということです。
あと、血液型と身長は音やんさん指摘の通り、妻の「ますますね杉」のことです。
>音やんさん
目立ては深いです。
yamaさんのレスにも書きましたが、「理論としてきっちり出来ている刃」と「よく切れる刃」はどうも別のような気がしています。
やっぱり切って確かめないとダメですね。
新品の刃はどうにもならないものもあるけれど、たまに凄く良く切れる刃もあるので、僕も参考にしていますよ。
>ああ、早く彫りたいなぁ!
分かる!!(笑)
>マインドカーバーさん
はじめまして、こんあちは!(僕も言ってみたかった)
僕も永戸さんの本に「富士の裾野」とあってその意味が分からなかったのですが、今回講習を受けてやっと分かりました。
今後ともよろしくおねがいします!
>木霊さん
目立てはほんと永遠のテーマですね。
今度僕のチェンカッターをブログに載せますので、ぜひコメント下さい!
僕は山とカービングと同じ研ぎですね。
ただ、道付けの仕事や丸太を山落としする仕事のときはカッターがすぐにダメになるので、もうやってらんないですよ。
あの、火花の散った瞬間。あ〜〜〜〜〜、くそ〜〜〜。
投稿: でき杉 | 2006/11/29 00:08
>yamaさん
私がAB型です♪身長は成長しませんが、体重と年齢は順調に。。。確実に。。。
>音やんさん
プロフィール欄も見て頂いてありがとうございます。あまり見てくれている方はいらっしゃいませんので、かなりの少数派!!!
>マインドカーバーさん こんあちは!
「カワイイ」かぁ。。。
そんな形容詞、夫の口から一度も聞いた事ありませんねぇ。(しみじみ)
「恐い、きつい、おそろしい」はよく聞こえてきますが。。。
投稿: ますますね杉 | 2006/11/29 08:10
こちらでははじめましてm(__)m
お忘れでしたらお許しいただきたく存じますが、
前回のITMご一緒させていただきましたOkadaです。
ずっとROMではありますが、
でき出来杉計画、いつも楽しく読ませていただいております。
私もあれから、いちど“山向こう”に居られるでき杉さんの所にお伺いする機会があればなと思っていたのですが、
果たせないまま関東に逆Uターンしてしまい、
しかし、日々悪戦苦闘しながらも懲りずに林業続けております。
今回もITM参加するつもりだったのですが、
月末検査の急ぎの仕事が入ってしまい、結局断念することとなりました。
しかし、皆々様の書き込みを読ませていただいて、
“あ゛~~~やはり参加したかった~~~!!!”
と、悔し紛れに思わずキーをたたいた次第であります。
今回もいろいろなイベントと、新たな出会いと、いろいろあったようですね。
やはり、私も行きたかった…!!と改めて感じるところです。
とにかく今は、機会がありましたらまた、でき杉さんとも皆々様とも語ることができるよう
仕事の研鑽に励んで行こうと期するところです。
先日仕事で丸太のベンチを作ったのですが、
こがるで丸太を延々と削っているうちに、その感触を面白く感じるようになり、
何だか私もチェーンソーカービングに開眼したような気になった今日この頃です。
延々と駄文乱文書き連ねて申し訳ありませんが、
改めてのご挨拶まで──
投稿: Y.Okada | 2006/12/03 11:05
Y.Okadaさん、お久しぶりです。
もちろん、覚えてますよ!
今回のITMでも群馬のOさんと「今年はOkadaさん来てないね」と話していたんです。
でも、林業続けておられるようで非常にうれしいです。
今回のITMは参加出来なかったようですけど、お仕事忙しいことはいいことですよね!
来年はぜひご一緒しましょう!!
そのときはチェンソーアートの話もぜひ!
投稿: でき杉 | 2006/12/03 21:24
誤爆しておりましたorz
にもかかわらずレスいただきありがとうございます!
覚えていただけていた事もあわせてたいへんうれしく思います。
Oさんにもご心配掛けさせてしまったようですが、
何とかがんばっております。
まずは取り急ぎご挨拶までm(__)m
ともあれ『林業新知識』年間購読してみます。
それでは、また!!
投稿: Y.Okada | 2006/12/09 18:12
出来杉さんキマルのチェーンソー目立て装置に付いての評価をお願いします。
キマルはチェーンソーの目立てで検索してください。
投稿: キマル | 2009/07/13 17:24
キマルさん、初めまして。
早速検索してみたのですが、「開発した」という記事はすぐに見つかりましたが、その「キマル」そのもののページが見つかりませんでした。
あればurlを書いてもらえると助かります。
どの目立て補助器具も僕は持っていて損はないと思ってますよ。
投稿: でき杉 | 2009/07/13 19:53
キマルは、そまびとたちの奮闘記で検索してください。
投稿: キマル | 2009/07/13 21:10
キマルさん、見ましたよ!
まず何より「ヤスる対象物」の固定が大事ですから、これはよい道具のように思います。
「キマル」はこれが最大の特徴ですね!
と、僕に言えるのはここまでです。
「評価」はさすがにネットでの情報だけではできないです。
投稿: でき杉 | 2009/07/14 05:50
ど~もです
最近目立ての仕方を色々と試してるんですが、横刃を垂直気味にした方が切れ味が良い気が…
で、色々調べてたら出来杉計画にこの記事が!
僕の周辺の人達は皆フック気味に仕上げてるんですよね。
バックスロープは気にするのにフックは余り気にしてないんですよ。(確かにフック気味の方が切れ味は良い)
何故?バックスロープが悪いのか説明は出来ないんですよね。
僕の勝手な想像ですが、バックスロープだと横刃の立ってる部分が短い為切り込みが浅くなってしまうのでは?(上手く説明が出来ない)
垂直気味だと切り込みが深い為切れ味が良い、フックも切り込みは深いが引っかかってしまう?
教えて! でき杉さん!(・∀・)
投稿: ゲチェナ | 2013/03/27 21:27
ゲチェナくん、どもです。
4月にまた「おでかけ」するので、準備におわれてます。
え〜っと、
>何故?バックスロープが悪いのか
ですが、これはバックスロープになるということは
上刃の切削角が90度くらいになるから、ということなんです。
上刃横刃の切削角は50〜60度がいいんです。
バックスロープってことは刃に対してヤスリが上がってるからなるわけで、つまりよく言われる丸ヤスリの頭1/5を出すところが2/5も2.5/5でてる状態なわけです。
フックは逆。
フックになると、横刃のRがきつくなって木の繊維を切る役目を果たしにくくなり、上刃だけがむしって行くような状態になるんです。
これでもチェンソーは勝手に切り下がってくれるので、このようにする人が多いと。
バックスロープの横刃は前にでていて働く気マンマンだけど、上刃が鈍角で削ぎ取っていってくれないのでチェンソーを押し付けないと切り下がってくれないわけです。
切削角とかそのへんは
http://www.deki-sugi.com/up/metate1.html
を読んでみて!
わかりにくかったら何でも聞いてね。
投稿: でき杉 | 2013/03/28 23:29
ありがとうございます。なるほど、重要なのは切削角なんですね。
「富士の裾野を落とす」って事も切削角には関係ないと言う事なんですね?
多分僕の周りでは切削角を意識して目立てしている人はほとんどいませんよ!
後一つ質問が…
上刃目立て角の確認は出来ますが、その他の角度の確認って(?_?;
デプスゲージに色々角度あるけど「あれ」ですか?
小笠原でもっと色々聞いておけば良かった…
薪のイベントがあるんですが、切れないチェーンソーの目立て頼まれる事あるんですよ、目立てしながら説明するんですが、「新品の刃を参考に」としか教えられません。フック気味に目立て勧める人もいますし、正しい知識で答えたいんですよね。
間違った事教えられないし…
投稿: ゲチェナ | 2013/03/29 21:04
「裾野」は意味がないことはなくて、バックスロープでその部分が残り過ぎてると、横刃の抵抗になるんです。
つまり玉切りした時に木口面に引っかかるようなイメージ。
裾野についてはここに書いてるので、読んでみて。
http://www.deki-sugi.com/up/2010/05/post-bbcf.html
>上刃目立て角の確認は出来ますが、その他の角度の確認って
上刃目立て角は30度とかいうヤツです。
横刃目立て角はスチールのデプスゲージのサイド部分にスリットが空いているので確認できます。
まあ、丸ヤスリで削ってるんだから、多少フックになるのが当たり前ぐらいで良いと思うよ。
ちなみに新品の刃(オレゴン)も種類によってか、工場か、ロットなのか、とにかく凄いフックだったり、そうでもなかったりとメチャクチャです。
知識もだけど、やっぱりやり方じゃない?
ぜんぜん切れないヤスリで、前後に凄い早さで押したり引いたりして、その度にチェンソーが動いたりして。
ゲチェくんは、凄く良いヤスリを使っててさすがだと思ったよ〜
オレ、あん時、思わずヤスリのブランド聞いたもんね。
投稿: でき杉 | 2013/03/29 22:13
毎度です。
僕はスチールの目立てホルダーを使っているんですが、ホルダーだけだとバックスロープっぽくなるので丸ヤスリだけで修正してるんですよ。
(修正の度合いでフック気味か垂直気味か調整)
ホルダーはデプスと上刃に当て使う(ほとんどの人は上刃に当ててるだけ)んですが、デプスが高くなるとバックスロープになりやすい気がします。
まー余り難しい事考えない事ですね(・∀・)
色々ありがとうございました。m(_ _)m
PS:お出かけってまさか…
例の場所ですか?
投稿: ゲチェナ | 2013/03/30 17:39
そうです。
別件で父に少しだけ。
んで、確かにスチールのホルダー使ってたもんね。
シンプルイズベスト!
デプスゲージにも乗せて使うのが正しいので、ゲージもたまにチェックして落とした方が吉です。
まあ、今年も出会えるでしょう!
続きはその時に。
投稿: でき杉 | 2013/03/30 19:18