出来杉計画とは

(記、2013年4月30日)
現在、人工林や花粉症などなどなにかと印象の悪い「杉」。
でも、古来からその扱いやすさで日本人とともに歩んできたのも事実。

そんな杉をなんとかしよう!

杉のために出来る事をスギスギ(次々)やって行く計画」を開始します!

<出来杉計画活動の柱>
○林業の話題は
山仕事、林業の話題 
○チェンソーアートの話題は
チェーンソーアートの話題
チェーンソーアートの作品
○杉の葉染めの話題は
杉の葉染めの話

杉の学名は「Cryptomeria japonica(隠れた日本の財産)」。
いつまでも隠しておくのはもったいない!

|

2025/02/09

黒滝村森林組合、モンベルストア始めます!

以前、モンベルの情報誌に僕と辰野会長の対談が掲載されたことを書きました。

モンベルの情報誌に載ったよ

ここでこのように書いたんですが、

この対談の中で「黒滝村の道の駅にモンベルストアを開設できるよう取り組んでいる」と話しているところがあるのですが、これ決定しました!

黒滝村森林組合がモンベルストアを始めてしまいます!

 

年が明けていよいよ本格的に始動し始めました

Img_5508

まずは、モンベルと黒滝村が包括連携協定を結び協力体制を作ります。

その上で具体的に店舗の改装準備や、Tシャツやボトルのオリジナルデザインの制作に取り掛かりました。

モンベルの社員、パートさんの募集、それにともなう事務手続きのもろもろなど、まあやらなければならないことが山積みで。

 

まあ、ようやくトンネルの向こうに灯りが見えてきたという感じです。

僕は特に何かをしているわけではないのですが、モンベルとは繋がりがあるので事務方さんの補佐をする形でいろいろとあれこれしている感じです。

 

オープンはなんとかGW前に間に合わせたいと思っています。

いまの店舗の様子はこんな感じなんだけどね。

Img_8281

Img_8279

施工業者さんも決まってあとはいつ工事に取り掛かるかという段階。

やー、まじで間に合うのかなあ 汗

 

店舗は森林組合が経営するモンベルストアらしく個性的なものにしていきたいと思ってます!

これから逐一報告するので、楽しみに待っててください

| | コメント (0)

2025/01/22

visonで恒例の干支のカービング巳年編

Img_8116

三重県のVISONでお正月に毎年やっている干支のカービング実演

ヘビは普段まったく彫らないので、彫ったのは前回の干支以来かしら。

次もまた12年後かな。。

 

当日の様子は読売新聞の記事でどうぞ〜

Img_8114

Img_8115

| | コメント (0)

2025/01/21

樹上に登ってしまった猫を助けた話

Img_7996

知り合いから木に登って1週間も降りてこられなくなってしまった猫がいるから助けて欲しい、という連絡をもらいすぐに現場へ。

なんでも飲まず食わずで1週間ということで、かなり衰弱しているはず。

レスキューにもきてもらったそうだが、どうすることもできなかったと。

飼い主さんの声掛けには反応する時もあれば、そうでない時も。

これはかなり心配だ。。

 

「これまでこういうことしたことあるの」と飼い主さん。

「いえ、初めてです。でもドローンは何回も取りに行ったことがあるから大丈夫ですよ」

そう、この時点では衰弱した猫ちゃんとドローンを同様に考えていたのです。

 

猫が登ってしまったのは、近所の神社のクスノキの巨樹。

樹高は20mほどだけど、幹は幾つにも分かれて樹冠の幅は30m近くある。

ここに登ってしまい降りれなくなってしまったのだ。

 

まずは地上から飼い主さんと一緒に猫のいる場所を特定する。

とにかく木々(西日本の典型的な照葉樹林)や葉っぱ(クスノキは常緑樹)が生い茂っていて、鳴き声はすれどどこにいるかよくわからないのだ。

場所を特定して、そこに僕が辿り着いて救助できるようなクライミングのシステムを組まないといけないから、この段取りはとても大切なのだ。

30分ほど四方八方から探したが姿を見ることはできないので、とりあえず検討をつけて登り始めることに。

 

登ってみると、すぐに姿を発見。

地上から推測していた場所とは違う枝の上でじっとしていた。

登ってくる僕の姿を凝視する猫ちゃん。

「1週間飲まず食わずでよく頑張ったね、いま助けてあげるからね」

飼い主さんも安堵の声。

猫ちゃんまであと数mまで迫った時、

Img_7998

あれ、いない。

移動! 猫ちゃん、めっちゃ警戒して逃げてしまった!

まじか、オマエ〜!

 

そう、ドローンは引っかかって動かないけれど、猫ちゃんは動くのだ。

1週間飲まず食わずでも全然元気に樹冠を逃げ回るのだ!

いつも食べているお気に入りのご飯(缶詰)をいつものようにカンカンと鳴らしながら近づいてもまったくダメ。

とにかく警戒されて逃げ回る。

 

逃げるたびにクライミングのアンカーを動かし、システムを作り、どう動いて捕まえるかをシミュレーション。

そんなこんなで樹上で猫と人間の格闘が続くこと3時間。。

徐々に日も落ち始め、これが最後だと決め猫ちゃんを枝先に追い詰める。

もしかしたら猫が飛び降りるかもしないから(高さ10m)、その時は飼い主さんキャッチしてください!と。

枝を歩いて近づいていくと足の間からすり抜けられる可能性があるので、枝の上にまたがってジリジリと追い詰める。

手には缶詰と捕獲用の手提げカゴ。

お腹が空いてるはずなのに、僕を警戒して、近づく僕と飼い主さんのいる地上を交互に見ている。

互いの距離が残り1.5mほどになったとき、意を決して猫ちゃんは僕の方へ猛然とダッシュ!

僕は慌ててそれを捕まえる。

猫はそれを嫌がり、爪を立てて枝にしがみつく。

飲まず食わずとは思えないほどの力で。

それでもなんとか引き剥がしてカゴへ入れるけど、すぐに出てきてしまう。

こっちも必死だけど、向こうも捕まらないように必死。そりゃ助けてにきてくれているなんてわからないからね。

とにかくニャーニャー叫んで逃げようとするから腕で抱き抱えて片方の前脚を握り込む。

それでも3本の脚で必死に逃れようと動き回る。

「大丈夫だから。大丈夫だから。」何度もニンゲンの言葉で語りかける。

 

Img_8007

何はともあれ地上まで降りてきて、飼い主さんに引き渡すことができた。

 

樹上で伐採を始めて15年くらいになるけど、ここまで疲れたのは記憶にないよ 笑

このあと猫ちゃんは病院で診てもらい、なんともなかったそうです。

それが一番良かった😊

| | コメント (0)

2025/01/16

ウロジロガシにカワラタケ

Img_7986

道路ぎわに立っている樹齢100年をゆうに超えるウラジロガシが衰弱しているので伐って欲しいという依頼がありました。

Img_7868

根本はしっかり空洞です。。。

 

Img_7873

Img_7876

地上からも見えていましたが、近くで見ると本当に恐怖しかありません。

このキノコはカワラタケと言って、樹木を白色腐朽させる代表的なキノコなんです。

白色腐朽というのは木を分解してスポンジ状にしてしまうので、キノコが生えているところを何度もしっかり叩いて強度を確認しながら作業を進めていきました。

キノコがびっちり生えているところも直径50センチほどありましたので、完全には腐朽しておらずまだなんとか作業を進めることが出来ました。

まあ、でも神経を使う現場でしたね。。

| | コメント (0)

グリーンウッドワーク指導者養成講座修了!

これまで2回にわたって、スプーンづくり我谷盆を作ってきたわけですが、今回はスツールです!

Img_7893

会場に並べられていたイスなんだけど、これ生木から手道具だけで作られたとは思えないですよね。

グリーンウッドワークの凄さって同じ生木を扱ってもブッシュクラフトとは違った魅力があることなんですよね。

 

というわけで5日間のスツールづくり修行が始まりました。

Img_7894

オノやクサビ、万力を使って割ったクリ材をセンで削って貫を作ってます

Img_7901

これは脚を削っているところ

Img_7914

センで形を出したら次は南京鉋で削っていきます。

Img_7916

左側が仕上がったもの

んで脚にハンドドリルで穴を開け、貫はテノンカッターでホゾを作りました

Img_7906

生木なので乾燥のコントロールが非常に大事です!

 

Img_7919

Img_7920

組み上がるとこんな感じ

ここまで4日間。

Img_7933

Img_7934

最後、ペーパーコードで座面を編み込んで完成!

5日前は丸太だったものが、こんなふうに仕上がりました。

満足度はかなりありますが、個人的にはホゾの角度が悪く最後に組み上げた時に脚が歪んでしまったのが非常に悔しいです。

 

あと、5日間という日程ですが、これはかなり余裕を持ったスケジュールでした。

早い人は2脚目を作りほとんど作り終える人もいたくらい。

僕はスッキリとシャープな感じのスツールにしたかったので、カンナがけに特に時間をかけてゆっくり作りました。

今度の人生において、これほど時間をかけてスツールを作ることはないと思ったので。

 

でも、一脚作るとまた作りたくなってくるから不思議ですね!

仕事柄ヒノキならいくらでも手に入るから、次はヒノキでチャレンジしてみたいと思っています。

それもスツールではなく、チェアにしたいなあ。

夢は膨らみますね!

 

これは指導者養成講座でしたので、今後は地元奈良県黒滝村や関わりのある三重県四日市でこのグリーンウッドワークを広めて行けたらいいなと思っています

続報を待て!


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

グリーンウッドワーク増補改訂版 [ 久津輪雅 ]
価格:2,750円(税込、送料無料) (2025/1/16時点)

楽天で購入

 

 


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

グリーンウッドワークで椅子を作る [ 久津輪雅 ]
価格:3,300円(税込、送料無料) (2025/1/16時点)

楽天で購入

 

| | コメント (0)

2024/12/14

林業技能検定試験の試験問題

いよいよ間近に迫った林業の技能検定試験。

今年度は熊本県と愛媛県で開催されますが、予想を上回る受験者数になったと聞いています。

ちょっとびっくりする数字ですよ! 特に熊本会場はヤバいです。

僕の周りの奈良県勢は愛媛県に受験に行くそうです。

岡山や鳥取の仲間たちも愛媛に受験に行くと。

ゲキアツですね!

この検定試験がぜんぜん知られていない地域もあったりするのですが、情報は自らつかみにいかないといけないとホント思います。

Img_5312

Img_5313

 

で、

実技の試験問題は以下のとおり。

 

2級は簡易伐倒方式で正確な受け口、追い口が作成できるかどうか

Img_5310

 

1級は傾いている樹木を狙い通りに倒すにはどうしたら良いか、またそのための受け口、追い口を作れるかどうか

Img_5311

 

1級、2級、3級ともに、防護服やヘルメット、手袋など受験時の準備やチェンソーの規格が公表されています。

みなさん、これは資格試験ですから、ちゃんとした格好とチェンソーを使わないとダメですよ!

大事な試験なのですし、ちゃんと公表されてますから、その辺りは十分注意してください。

 

また、作業中の失格要件も公表されています。(画像は2級)

こういったこともしっかりと理解して十分気をつけてください。

Img_5315

 

ホント、検定試験の受験要項をしっかりと理解して、その対策と試験勉強、ちゃんとやりましょう。

対策と勉強しないと一発合格は難しいですよ!

 

受験されるみなさん、頑張って!!!

 

 

| | コメント (0)

2024/12/03

特伐、樹上伐採も普及してきたねえ

Img_7463

先月、林業関係者向けに三重県と鳥取県で樹上伐採の講習会をやってきました

Img_7477Img_7474

かれこれ7.8年各地で講習会をやってきて、いろいろ聞いてみると本当にこの仕事をやる人が増えたなと。

「特伐やってます」「特伐班です」「グラウンドワーカーです」

耳にする機会が本当に増えました。

僕が何をしたわけではないけれど林業界にも定着したんだなと感慨深いです。

みんな安全第一で頑張ろうな!

| | コメント (0)

2024/11/19

竹中大工道具館へ行ってみた

E0ff1fc44e6248ab9120b9d67da32c4b

新神戸駅のすぐ近くにある竹中大工道具館へ行ってきました。

いつか行きたいと思っていたけれど、なかなかタイミングが合わずようやく念願叶った感じ。

林業やっている人、みんなに刺さるかというと微妙ではあるけれど、個人的には本当に素晴らしかった!

3dc5ef9c88dc4b19af95867e76944cc2

かんなの入場チケットがいきなり可愛い

 

923332d421dc4625a95b5d3da5394a8d

林業的に思ったのは、こういう無節の美しい材を俺たちが供給しているのだという誇りと、今後も継続して供給していかなければならないという焦り。

現在、供給しているのは先人たちが植え、育ててくれたもの。

対して、平成から令和のきこりたる僕たちはうまく森づくりができていない。手入れが遅れている現場も多い。

素晴らしい職人たちに素晴らしい材を届けられるよう頑張らないといけないなと、引き締まりました。

 

44004fc5c54240818c2d906b5b416faa

映像資料もびっくりするほど豊富にあって、伝説の木挽き職人・林以一さんの映像があったのには驚き!

挽いてる姿や木挽きに対する考え方を知ることができて大満足

林業的にいえば木曽檜、北山杉の映像やノコギリの目立て、刃物の研ぎ方の職人たちの映像もありました。

 

Ee0e885fc39c4833b69c7632d6d5e19f

あと、こんな感じで大工道具が美術品のように展示されています。

職人の手仕事へのリスペクトが感じられて感動ものです。

このノコギリの名前にも注目してほしいのですが、隣に展示してあった(画像なし)カンナ刃は注文した大工の棟梁がその出来栄えが凄すぎて逆に使うことができなかった逸話がありました。

これはぜひ現地で見てほしいですね。

 

日光東照宮の企画展も素晴らしかったし、この道具館自体の立地と建物もとても良いんです。

また来たいと思える素晴らしい場所でした。

 

 

| | コメント (0)

2024/11/10

ヒノキの木口(切り株)が裂ける問題

わかる人はわかりますよね。

まずは画像を見てほしい

941e8b869ebc45609ecdf023b139da30

9b03519281364fbbafb7f4005ab5d31a

ヒノキ特有の粘りのある木繊維がちぎれずに、そのまま裂けてしまう、コレです。

 

こうならないように、オノ目(カフカット)を入れるのが定石なんだけど、入れても裂けてしまった人は多いでしょう。

11db565360e848adb37d586fad0bab26

7e046bd1e0fc4b78a9b320a300c32a04

深すぎるオノ目はツルに悪さするので、まあ数cm入れるのが基本だと思うし、この2つも切り株もそうなってます。

 

で、僕が裂けないよう(繊維に引っ張られないよう)に気をつけている点を3つ挙げます(特にヒノキの場合)

① 受け口を深めにする

受け口が浅いとツル幅が同じでもでも外皮(外周)が長くなり引っ張られてしまうから

Fe507bb4754d41b59105f5b95390bcdf

②オノ目を入れる

まあ、これはヒノキに限らず

 

③ツル幅を狭めにする → 追いヅル伐りでツル幅を丁寧に調整する(重要)

ツル前側は圧縮の力が加わり潰れるようになるので、ツル後方の引っ張られる力とは異なり、どうしてもちぎれにくい。

なので、ツル幅を狭めにしてできるだけ会合線近くで圧縮させ、ツルは引っ張ってちぎれるようにします。

まあ、つまりツルの力を弱くするということ

 

以上です。

受けの深さ、ツル幅は決まった数字があるので、もちろんそこは意識して調整を加えます。

極端なことはしませんよ。

また、これはあくまで裂けないようにするときに意識していること。

受け口の角度とか追い口の高さは、伐倒方向によって変えることが多いです。

 

参考になるかなー

 

| | コメント (0)

我谷盆を作ってきた

グリーンウッドワーク指導者養成講座の2回目に参加してきました

これまで個人的に斧やナイフを使ってスプーンやフォーク、カップは作ってきたけれど、まさかお盆なんて。

でも、ずっと作りたくて道具も買い揃えたけれど、なかなか腰を据えてやる時間がなく、そのまま数年経ち、、、

今回、やっと作ることができました!

 

と、その前にナイフワークの復習があったので、牛丼屋のスプーンをイメージして作ってみました。

本物はもっとレンゲっぽい気がするけど、まあいいでしょう。

4795ae1ed6eb4d6ca1baaed7808ffa65

 

で、我谷盆作りなんだけど、まずは見本を見てほしい。

ほんといろんなタイプがあって想像以上でした!

Bd8da55f22c74cebbfb61290ea3882cc

C0693ebe082843dc84f99834ca25caab

この板状のお皿の美しさといったら!

 

で、我谷盆の第一人者の森口先生がサプライズで講習会に参加してくださり、仕事道具を見せてくれました。

995fcd702123448ea9c0f803dcae297d

 

んで、僕の作品なんだけど、なぜか完成写真を撮り忘れていたので途中経過を

Fb1c88beb1ad4b109a727ba1877e152b

これはヘタクソだけど、最終的にはまあ見れるものには仕上がりましたよ。

 

ナイフワークもいいけど、ノミを叩くのもかなり楽しかった!

これはハマりそう。

早速現場でクリの木を探さないと!!

 

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

グリーンウッドワーク増補改訂版 [ 久津輪雅 ]
価格:2,750円(税込、送料無料) (2024/11/10時点)


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

グリーンウッドワークで椅子を作る [ 久津輪雅 ]
価格:3,300円(税込、送料無料) (2024/11/10時点)


| | コメント (0)

«miyanoバイスにアタッチメントをつけて使ってみた